俺がこれに合わせれば良いじゃん、というペダル。

いつ、いかなる時踏んでも有効に作用するものでもないのかもしれない。
これが2024年1月現在、僕がこのペダルに出した一つの回答。


EarthQuakerDevices Bit Commanderである。
購入したのはいつだったか、確か半年以上前だったような気がする。けれども今日に至るまでこのペダルに関する感想を日記に書かなかったのはこのペダルに対する感想をいまいち言葉に出来なかったからだ。
ペダル自体はそんなに難解なブツではない。アナログのギターシンセといえばわかり良いだろう。
コントロールはLevel(音量)、Filter(所謂、トーン)、Base(入力信号と同じ音程)、Sub(入力信号の2オクターブ下)、Down(入力信号の1オクターブ下)、Up(入力信号の1オクターブ上)。つまり4つの音を同時出力してトーンを調整、最終的に音量を調節して出力するわけだ。僕はこのミキサー形式のバランスコントロールがわかりやすくて好きだ。
コントロール自体はシンプル(ペダル的にシンプル、というか普遍的なものでは勿論ないのだが)なのだが、触り始めると奥が深い。
というか「どんなフレーズでこれを使いたいのか」。このペダルと演奏者の相性はこの点に尽きる。
僕はその辺を特に考えずに漫然と購入して「どんな瞬間でもふっとインパクトのある格好良い音を出せるように頑張ってみよ!」と思って触り始めたもんだから迷路に入った。
そう、トラッキング精度がここに立ちはだかるのである。

ブランドHPでも愛好家の書くレビューブログでも散々言われているのだけれども、このペダル、ギターでもハイポジションの方がトラッキングが良い。4オクターブの重なりが生み出す壮絶かつブッ太い音は是非ハイポジションで弾いたフレーズで遺憾無く堪能して頂きたい。
ベースギターでも然り、だ。12フレット近く、或いは1弦2弦のフレーズでその目が覚めるような音色を堪能したいところだ。
綺麗な発音を狙うのであれば弾くフレーズのポジションもきちんと検討したい。

正確である事が美しい音楽の必要条件ではないように、ローポジションでの敢えて危ういトラッキングの轟音も素敵だ。
ベースギターで愉しむ場合にはSubコントロールは控えめに、或いはちょい足しくらいにした方が突き抜けるようなアタックも楽しめるかもしれない。
けれども注意すべき点はハイポジションで弾く際と同じ感覚で音作りをしては有益ではないかもしれない、という事。
ローポジションでゴリゴリ刻みたいな、この極悪な音でゴリゴリえぐってやりたいぜと思った僕が各コントロールを調整した結果、上の写真のようになった。これ、要するにシンプルなファズみたいなものである。

嗚呼、僕がハイポジションでうねりまくる4オクターブにまたがる激烈に歪んだシンセサイズ気味な音色がハマるフレーズを弾ければ!!と思ったものである。
ペダルの音色に、演奏者がフレーズを合わせていきたくなる程に魅力的なブツ。