格好良いブログを書くのは簡単だけれど。

つくづく思うのが、人前にたってお金を頂く立場(チケット売ってライブを敢行するならばそうである、と認識しています)の割に、僕のブログには夢もプライドもへったくれもねえな、という事。

これは半年位前からそこはかとなく意識はしていたのだけれど、確実にそうだ。

以下、あくまで個人的な持論であって僕が関わるバンド、僕と親しくしているバンドマン、僕がお世話になっている人には一切何の関係もない事を予め明記しておく。

バンドマンっていう存在はきっと多少なりとも『非日常感』とか『近寄りがたい感じ』があった方が人気者になるんじゃないかなと思う(当たり前だけれども音楽が良いというのは大前提。同じ良い音楽をやるならば、という話)。だってきっと皆自分にないものを欲するじゃあないか。自分がわざわざ外出して電車とか乗り継いでライブハウスに向かって、それで居酒屋に行って同じ額を払ったら結構贅沢できそうなお金を払ってライブを観に行く。

そこまでするのはやはりそこに興奮や感動、何がしかの非日常を求めるからではないか。

で、HPなりブログなり、何を求めてそこにアクセスするのかというとライブ予定や音源のリリース情報は勿論、HPのデザインから窺い知れるバンドの世界観やデザイン力だったり、もっとパーソナルな所になるとバンドに参加している人間の人となりだったりするんじゃあないだろうか。少なくとも僕が今よりもっと若くて青臭かった頃、憧れのバンドのHPに行くのにはそのバンドのメンバーを偶像崇拝化していた部分はあった。

今日何食べた、とかどんな映画観た、とかではなくてどんな気持ちでライブに臨むのか、とかどのような創意工夫の果てに今の結果があるのか等を行間から読み取れないかとアクセスしていた。これは勿論インターネットが普及した今だから可能なわけで、普通ならばライブハウスに足を運んで本人に直接声をかけて知るのが一番だと思うし、それはその経験自体が得難い財産になる。

残念な事に僕の行動力はそこまでなかった。インターネットの『弊害』といえば『弊害』なんだろう。

今僕が日々意識しているのはそういう過去のツケを今払うような行為だ。でも逆に今やっとそういう事がやれる人間になったのではないかとも考えているのだけど。

で、話を戻すと僕は当然のようにインターネットに日々アクセスしてきて、この広大な情報の海を毎日のように泳いできたしこれからも泳いでいくわけだから、パーソナルな部分ではブログとか意識するわけですよ。

元はといえば日記、備忘録代わりに書き始めたこのブログだけども(それ以前にも日記は書いていた。それも動機は同じ)一度『アクセス数』を意識し始めたら怖くなったんだな。要するに。

現在、このブログは毎日平均300アクセスを記録している。その中には勿論このブログを日々読んでいるわけではなく、偶然偶々やって来ただけの人もいるだろう。けれども中には『不完全密室殺人』とか『JONNY 篠田』とか『やなせ健吾』とかそういった検索キーワードでここに辿りつく方もいらっしゃるわけで、そういう方が僕が夜眠る前にベッドの中で携帯電話でカチカチ打ったエントリーを読んだらどう思うのかしらね、とか思うわけだ。

それは「思う」程度で「意識し好きな事が書けなくなる」というわけではなくて(常識の範囲内で、書いていい事といけない事の分別はつけているつもりだ)あくまで「思う」程度。だって人として間違った事は書いていない自信があるので。

それよりも不安に思うのは「俺ってばボロ出してるんじゃないか」という事。

音源とかでしか僕の参加するバンドを知らない人間が、当然のように興味を持ってHPにアクセスして(有難い事にそういう状況が以前と比べてはあるみたい。驕るわけではなく僕自身驚いている。驚いているからこその本エントリー)このブログに行き着いたとしたらば、あまりにも生活観丸出しのブログに「何だ、こいつの日常くすんでやがる」と思われないかという事なのだ。

そりゃあ僕だってバンドマンの端くれだ、やれレコーディングだのライブだのそういう所謂『バンドマンらしい』事だけ書いていれば『バンドマンとして』体裁が保てるのは理解出来る(そういうブログが悪いわけではない、決して)。「ああ、こいつは、そしてこいつの参加するバンドは日々こんなにも充実しているのか。精力的なバンドだな」と思わせるには十分だろう。

しかしてね、僕がブログを書くのはバンドの宣伝であるとかそういう対不特定多数へのバンドのアピールではなくてあくまで「僕の」「僕による」「僕のための」そして「僕から起因する」「僕に帰結する」自己顕示欲のためなのだ。

僕は自分を知らしめたいし人から羨ましがられたい。人から尊敬されたいし人から親しまれたい。

そして僕は『自分』という存在を強力にアピールしたいのだ。バンド活動だけでは飽き足らず、stickamでくっちゃべるだけでも足らず、僕は自分の全てをこのブログに焼き付けたいとすら思っている。

で、その結果日々書き連ねられるエントリーは言ってしまえば本当に『日記』なわけで『バンドマン』としては何の実も持たない日も当然ある(日常生活の全てが音楽活動に反映される、というのはこの場合度外視。実務的な観点でのフィードバックの有無の話をしているため)が故に、このブログはいわば二極化した僕の視点、体面故に物凄く悩ましくて物凄く狡猾で物凄く攻撃的で物凄く自己投影出切る、そんな愛おしい存在になっているのである。

僕は日々煩悶するのが好きであるし、だからこそ人生は面白く、そして日々思索を繰り返す事で人はその思考力に深みと、そして聡明さを兼ね備えていくのだと信じている。

久方ぶりの長文であるけれども、ここまで読んでくれた貴方にまずは謝辞を。

今日も僕の壮絶な自己顕示欲に付き合ってくれて、有難う。

コメント

  1. つけこ より:

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    舟橋さんの日記は長くても読みやすい!

    と思いました。

  2. フナハシ より:

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    >つけこさん
    イヤッハー!
    有難うございます。
    長くツラツラと書く方が性にあっています。どうやら。

  3. SECRET: 0
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    バンドマンであるということより、舟橋孝裕という一人の人間の生き様が舟橋君のブログには満ち溢れてますからね~。
    確かに格好良いという雰囲気は作り出せるのかも知れないけれど、きっと半分も面白くはなさそう。

    もし舟橋君がそういうブログを書いていたとしたら、俺は読んでないと思います。

  4. きまやん より:

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    舟橋さんの そうゆう日常なんかを覗き見るのが好きで 毎日読んでますよ。
    ってか日記もファンです。
    また 手料理シリーズやってください♪

  5. フナハシ より:

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    >ピコ・ピコリンさん
    そう言って頂けると本当に嬉しいです。
    最近思ったのがもう何もかもむき出しにやろうと思います。音楽もブログも全部むき出し!

  6. フナハシ より:

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    >きまやんさん
    有難うございます!
    料理、近々またやりたいです。最近は煮物を練習中でして、研究の一結果が出せたらばまとめておきたいと思います。

  7. 音色と間 より:

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    ブログを拝見する度、フナハシさんの音楽に対する情熱が伝わってきます。
    とても、憧れます。

  8. フナハシ より:

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    >音色と間さん
    有難うございます。
    自己顕示欲に対してはただただ忠実に情熱を注ぎ込もうと思っています。

  9. フナハシ より:

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    フナピーの日常くすんでなんかないよ
    もはや全力少年だと思う。
    ↑あコレ スキマスイッチ??