先日、名古屋市千種区某所でレコーディングに参加してきた。
詳細については未知の部分が少なくないのでまだ書けないけれど、遠くない未来に作品として日の目を見るはずである。
演奏で人様の作品に参加したのはこれで何作目だろうか。どれだけ数を重ねたとしても一度として同じ経験はないし同じ演奏はない。そして演奏毎に自分をアップデート出来ているのか、という事実を突きつけられる。作品の作り手でなく演奏としての参加、一要素としての参加ならば、いやそれだからこそ演奏としては完成度が高くなければならない。何をもってして完成度が高いとするのかという話だが演奏の技術然り、音色の素晴らしさ然り、そしてそれを求められるのであれば演奏の記名性然り、であろう。有難い事に今回の演奏は個人的には満足のいくものとなった。作品に貢献出来ていれば尚更素晴らしい事だろう。
こうして高尚な言葉を並べればそれらしくはなるものの、根っこにあるのが快感主義だもんだから演奏に高尚さは、ない。皆無である。また、良くも悪くも適度にファジーになる。これは音色ではなく演奏の在り方の話。
さて、今回はライブと同じ環境での一発録音、歌も演奏もいっせーのーせの完全一発録音であるからして、では演奏もそれらしく平時のライブと同じように足下にペダルを直列で幾つか繋いで、お気に入りのマイアンプを鳴らしてといった具合に機材を配して行った。
レコーディング作品となると内容次第ではエフェクターを全く使わずに行う場合もあり、なんとなくだけどこういう録音の仕方は久しぶりな気がする。一発録り、というのも良い。わかりやすくて良い。
空気みたいなものも録音されていれば良いな、と思った。
使用機材も備忘録として。
使った楽器は最早僕のとっての唯一のスタンダード、YAMAHA SBV550改。アンプはギャリエンクルーガーのMB500。スピーカーは会場常設のものを使用。ただでさえ音がゴツいSBVをMB500に突っ込むとゴツッとあたりの強いアタックが出っ張って気持ちが良い。
この日使用したペダルボード全景。
最近は専ら入力の一番最初はコンプレッサー。他に選択肢がないというか気に入っているのであまり他を試していないという方が正確なんだけど、BOSS BC-1Xを愛用している。スレッショルド上げ目、出力レベル下げ目で一定のダイナミクスと元々入力レベルが大きいベースシグナルを一旦整える役目を担わせている。低域もタイトに引き締まって良い感じにまとまるので重宝している。
コンプレッサー的なペダルが続くけれどもその次はHaTeNa?のActive Spice。
基本的にかけっぱなしのBC-1Xに重ねがけするのだけれど、これで曲によってアタックを削いで代わりにローをグッと押し上げるような、ベーシックな音色の変化を狙っている。相変わらず各コントロールの役割は曖昧だけれど(笑)、使っていく上では今のところ差し障りはない。
続く歪みセクションはFulltone OCD。
「ベースにOCD使うんですか?」とここ最近何人かに言われてきたけれど、いや実際エレクトリックベースギターに滅茶苦茶合うよOCD。ローを保ったまま高域調節出来るトーンコントロールはまさしくベースにうってつけだし、ドライシグナルのキャラクターを変える事なくオーバードライブさせられるOCDは素の音を気に入ってるプレイヤーであれば違和感なくドライブさせられるのではないだろうか。
その次が『一番バカでかい音』用のEarthQuakerDevices hoof。
ロシアンマフをフレキシブルにコントロール出来るように再設計されたこのファズはいうまでもなくベースギターに合う。最近はトーンコントロールを下げ目にして下から蹴り上げるように歪ませるのが好きだ。ローゲイン気味で使ってるのも最近のトレンド。
そこから今回唯一の空間系、BOSS RV-6。
モジュレーションモードに設定してうっすらかかるように設定しているのだけど、モジュレーションモードだからかうっすらでも十分色気が出る。アンサンブル中でも奥行きと立体感を感じさせるリバーブ具合だし単体になると途端にウェットでゾクッとする音になる。ビッシャンビシャンにかけてるわけではないのでかかってるのはわかるけれども違和感があるわけでもない今の設定がお気に入りだ。
そして足元最後がこれなしで演奏したのはいつだろうかという程にモデルを替えつつも愛用しているTECH21 SANSAMP BASS DRIVER D.I v2。
サンズアンプらしさも残しつつ更に発展したプリアンプという印象があるけれど、何よりミドルのコントロールは大変重宝している。周波数切替スイッチは感覚的にハイミッドかローミッドか、みたいな印象でそれぞれブースト気味にセッティングするのが好み。ゴリゴリ攻めたい時はハイミッド寄り、ふくよかさを保ちつつ包み込むように支えたい時はローミッド寄りにセッティングする事で差異を楽しんでいる。ミドルを切り替えられるっていうのはいざ使ってみると想像していたより遥かに便利である。
作品として世の中に出るのはまだまだ先の話でありそうだけど、その日が楽しみである。
今月はもう一度、全く異なったシチュエーションでのレコーディング現場が控えている。そちらも楽しみだ。練習しないと。
コメント
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うわーーー!秘密だー!