白線の内側で京都PUB VOXhallにて詩人chori君主催『ポエトリー・フライトナイト』という所謂ポエトリー・スラム(詳しい説明は僕も今回初めて知ったのだけど、ポエトリースラムジャパンのwebサイトが当たり前だけれども詳しい。)にゲスト出演する事になった。ゲスト出演出来る程に我々がそういった向きに明るいかと言われるとそうではないのだが、chori君が言うのだから間違いなかろう。
時折、バンドで遠征する際は妻と娘がついてくる事がある。気分転換にもなるしライブにも興味があるのだろう。僕としては精神的にも落ち着くので(バンド活動や遠征は大好きな癖に家族と24時間離れているとホームシックになる我儘野郎なのである)願ったりかなったりだ。この日はバンドメンバーも京都で観たい芝居の公演があるという事で完全に別行動となった。
それにしても京都は近くて良い。昼過ぎに出て、娘が転寝をしている間妻とベラベラ喋っている間に京都に着いた。
PUB VOXhall近くまで来たものの、会場入り時間までまだ間があるので近場にお茶出来る願わくば京都らしいところはないものか、とGoogleMAPで検索をかけてみると羊羹で有名なとらやがカフェ営業をしている。「決して安くはないが満足度が高い」というレビューを見たので折角なので訪れてみる事にした。こういうのが家族と遠征に行く時の良いところ。
冷やし汁粉を頼んで食したのだけど(娘は渋く羊羹をチョイス)、何これべらぼうに旨いのね。
あんな汁粉食べた事がない。これが汁粉なら僕が今まで食べていたものは何だったんだ、というくらいの衝撃を受けた。
娘はグリーンティーこそ苦みを感じるのか敬遠したものの、白玉餡子(これも滅茶苦茶美味かった)やつけあわせの塩昆布を大いに気に入ったようで嬉しそうに食べていた。娘よ、舌が肥えるでないぞ、こんな美味いお菓子はなかなか口に出来ないのだぞ。
さて、会場入りしてリハーサル、本番。リハーサルで金森君のギター(最近はドラムだけでなくエレキギターも弾いている)が不具合を起こすものの、原因を探ってみれば接続の問題で良かったねと解決。少しくらい不確定要素があった方がライブは面白い。
開場時間とともにどこか物々しい雰囲気の人達が訪れるなと思っていたら皆さん、出場者なのであった。
道理で会場入りするなりノートを広げたり詩集を読み込んだり、余念がないわけだ。場の空気だけでこちらも緊張するような、想像の5倍はピリピリした空気が立ち込めるのであった。
演奏自体は個人的には、もっといけるだろうが、前回の方が良かったぞという感じ。
そんな演奏をした自覚があるものだからバンドの演奏自体を皆さんに褒めて貰えてもどこかバツが悪い。気に入って貰える、人の心に残るという事はとても有難い事なのだけれども、それでも他者からの評価と自己評価の乖離はどうにかならないものか。
表現に対する欲求というものは何とも満たされないものであるなと思った。
娘は様々な人とお話してご機嫌。
こういう場に連れてくる事が彼女にとってどんな影響を与えるのかわからないけれども、悪い事ではないように(勝手ながら)思っている。最近は僕の演奏を観ながら真似をしているようだ。娘よ、ベースギターは楽しい楽器だぞ。
帰りは樫山君も我が家の車に乗った。彼を家まで送り届けて帰宅。