『匣庭 -hakoniwa-』、活動を開始します

樫山君(あたらしいまち/白線の内側)と新しく音楽を作って演奏する事になった。
平たくいえば、ユニットを結成した。名を『匣庭』という。hakoniwaである。
樫山君がSナンプラーやノイズマシンやシンセ等の所謂マシンライブで使われる楽器類を、僕が大量のエフェクターにベースギターを通して演奏するユニットである。「こういう音楽をやります」と掲げるものは特に定めていないけれども、ダーク寄りのアンビエントやマシンライブ的な表現から音以上音楽未満なものを表現に引き上げるような表現まで特に括りなく臨もうと思っているのでかくありたいという気持ちも込めてエクスペリメンタル(=実験的な)ユニットと表現している。

事の発端は樫山君と僕が参加するバンド『白線の内側』への出演オファーからであった。
ドラムの金森君へ、彼の大学時代の学友が参加しているバンドから自主企画出演のオファーがあったのである。
生憎とその日は金森君も鍵盤担当の瀬乃君も先約があり動ける事が叶わなかった。出演出来ません、と返事をしたところバンドのDiscordのチャット画面(最近はLINEグループでの情報共有よりもDiscordを用いた方が便利、と知りそちらでバンドの所連絡を行っている)に金森君から再び「ソロでは出演どうですか?と声掛けして貰ってます」と発言が。
お、面白そうじゃあないか、樫山君次第だなと思い「樫山君、僕その日は空いてるよ」と打ち込んでいるとほぼ同時に樫山君が「舟橋さんその日空いてますか?」とチャットに投稿。
うん、気持ちは同じだな。という事で2人でライブに出る事になったのであった。
これまで白線の内側のライブ予約特典音源は(主に暇な僕と樫山君が)2人で好き勝手に録音して(初回でこそスタジオでの練習を録音したものだったけれども、それ以降はLo-fi HIPHOP風なアレンジにベースを重ねたり、短波ラジオ2台での即興演奏を録音したり、NoInputMixingBoardを導入してセッションしたり、どんどん主に僕が好き勝手にやっている)予約してライブに来て下さった皆様にお配りしてきたのだけれども、そういう時のセッションが今回気軽に「じゃあ2人でやってみるか」と繋がった部分はきっとあったのではないか。何も無駄になる事はないのだなあ。
というわけでこの日は簡単な音出しを経てライブの構成の打ち合わせと、あとユニット名等を決める等した。
ユニット名決定に際しては前から使ってみたかったバンド名の案の中から「これだ」と思うものを提案した。

「阿呆船というのはどうでしょうか」
「あほうぶね、ですか」
「そう、阿呆船」
「なんですかそれ」
「かくかくしかじか」
「そうですかァ」

これは樫山君なりの優しい『No』である。
やはりユニット名、これから背負っていくものなので納得のいくものに決めたい。そうなるとなかなか決まらない。
もういっその事『樫山重光舟橋孝裕』とかわかりやすくていいんじゃないだろうかと思いつつも

「まあきっとふんわりした音楽をやるだろうし意味深な感じがあった方が良いだろうから『箱庭-hakoniwa-』というのはどうだろうか」
と半分くらい、いや7割くらいは適当に提案した。
「お、箱庭。良いですね!」

あら意外にも良いリアクション。
しかしながらそのままだと字面が綺麗過ぎる。

「箱という字をあの、何だか難しい方のはこに変えられないだろうか、何ていうんだろうな、あの」
「匣、ですね。匣庭。成程、舟橋さんっぽいですね。匣庭にしましょうか!」

かくして適当に発案した上でふんわりとしたブラッシュアップを経て樫山君と僕の新ユニット『匣庭』はその活動を正式に開始したのであった。

演奏に関してはそれぞれが興味関心を引かれる音を用いて演奏したところ「これならライブで人前で演奏して楽しそうだね」という曲の断片というかアイディアというか、そういうものが4曲分出来上がった。
これをブラッシュアップして本番当日に臨もうという次第である。

匣庭の活動が、始まった。


「やっぱりラジオは良いなァ。良いですねラジオ」と接触不良で出力が絶妙に怪しくなってきた短波ラジオを手に楽しそうな樫山君。