BANANANA EFFECTS ABRACADABRAの備忘録をディレイ気味に書く


BANANANA EFFECTSのブッ飛びリバーブペダル『ABRACADABRA』について備忘録を書いていなかった事に気が付いた。
1月に購入して以来、様々なバンドの練習や亀島の古民家の2階、舞台美術の中での演奏をした際にも実際に使ったりしたのに薄情なものである。
決して万能ではないし何なら滅茶苦茶に用途が限定的なペダルなのだろうけれども、それであるが故の特化型の奥深さがABRACADABRAにはある。
リバーブペダルと安易に書いてしまったが(いや実際にメーカーサイトにもSHIMMER REVERBとして紹介されているのだ)、所謂普通の『残響音』を期待して手にしてはいけない。そういうのは苦手分野、否、出ないのだ。自然界で聴けるような自然な残響は微塵も、1mmも出ない。
ABRACADABRAから出力されるのは前衛的かつ不自然な残響音であり、このペダルはそんな不自然極まる残響を至れり尽くせりなコントロールで如何様にも、我々のお好きなようにコントロール出来る『リバーブペダル』なのである。


コントロールはラッチ/アンラッチの切替スイッチ、エフェクトをオフにした時も残響を残すか選択出来るトレイルスイッチ、ドライシグナルをばっさりカットするキル・ドライスイッチ、リバーブの残響音の音量を調整出来るボリューム・コントロールにあとはモードに応じてそれぞれ役割が変わるコントロールが4つ。
モードに応じて変わるコントロールはmodeツマミの各種モード名の横についている記号に応じたパラメーターが各モード時にそれぞれのツマミに割り当てられているので、筐体表面コントロール部をじっくり見比べれば何が何なのか読み取る事が出来る。
例えばモードが『〇exotic octup』の時は左上のツマミは『〇harmonix』を調整出来るんだね、といった具合。
しかしながら「各モードをバンバン切り替えつつそれぞれのツマミの動きによる音の変化を完璧に把握して微調整して」となる程にどれだけの習熟が必要なのか。そこまでやるなら実際にツマミをグリグリ動かしながら感覚で触った方が早いんじゃないかと思える。

(ちなみに説明書には割とわかりやすくそれぞれのパラメーターが何なのか、モード毎に記載があるのでご安心を)

勿論、筐体の小ささに対してこの多機能を盛り込むにはこうするしかなかったと思うのだけれども、このペダルが超『不』自然な残響の1つの極致であるが故「そんな微調整とか細かい事ァ良いんだよ」と我々演奏家は音の個性の強さ、エグさに屈服して飛び出す残響の中で弾かせて頂くぜ的なスタンスでお付き合いすべしと提案されているようにさえ感じられる(極論である)のだ。実に痛快。

さて8つのモードについてザッと書く。
1.exotic octup…オクターブ上の音にフィルタがかかっている、単純にシマーリバーブともいえない幻想的な音
2.exotic 5th…5度上の音にフィルタがかかっている(以下同上)
3.octup+vib…オクターブ上の音が同時に鳴るリバーブで仕上げにビブラートがかかっている。ビブラートのかかり具合で印象が変わる
4.shimmer+5th+vib…シマーリバーブに5度上が足されており、ビブラートがかかっている
5.inf+cho+octup…オンにした瞬間の音を永遠に伸ばしながらオクターブ上とコーラスがかかる
6.inf+cho+octdn…オンにした瞬間の音を永遠に伸ばしながらオクターブ下とコーラスがかかる
7.error delay…通常のディレイと倍速ディレイが相互に作用しながら同時出力。それぞれのディレイタイムを設定出来る
8.sh+noise…ホワイトノイズと入力に応じてフィルターがかかるリバーブが同時出力

説明だけだと「?」となるけれどもこういうペダルは弾いてみるのが一番だったりするのでこんな感じでご容赦を。
ベースで使う場合だとオクターブ上と5度上だと風合いの違い、くらいの印象の差しかないかもしれない。5のオクターブ上と6のオクターブ下の違いは歴然としているけれども。永遠に音を伸ばす系はやっぱり好きだなあ。
断然好きなのは8のホワイトノイズと入力感度に応じてフィルターがかかるモード。ホワイトノイズが耳に痛くない音だしフィルターもお風呂の中!みたいな印象なのでどこかノスタルジーを感じる前衛リバーブ、なのである。
気に入り過ぎて白線の内側の演奏でも使用した。
ちなみに各モード切り替えていくとmode切替スイッチがそれぞれの色で点灯するのでどのモードなのか把握はしやすいと思う、多分。

各音は不可思議だけれども、エフェクトシグナルのレベルコントロールがついており(ドライシグナルはバイパス時と同じ)、着るドライスイッチがついているので思い切った音作りも一瞬で切替出来ちゃったり操作系統が親切丁寧なのも素晴らしい。
というかこの極小の筐体サイズでよくこのペダル、設計出来たなと驚愕。
ブッ飛びリバーブをアクセントで使いたいけれどもボードの中でそんなに場所を取りたくもないな、という時に丁度良いのでは。
勿論これでしか出ない音ばかりなので据え置いてガンガン使うのもアリアリ。