音作りに於いてエフェクト・ペダルの作用が明確である事は何よりも求められる事であろう。
この場合の『明確』は「効果がわかりやすい」とか「オフの状態からオンにした際の音の変化が明瞭である」とかそういう事ではない。
「このペダルをオンにするとこういう効果がありますよ」という前提が変動せず、不動のまま明示されているという事である。
例えばオンにする度にオーバードライブ~ディストーション~ファズをランダムでいったりきたりする歪みペダルがあったとして、そのペダルの需要がどれだけあるだろうかという話である。
または歪み具合が固定でもオンにする度にトーンがランダムで変化するペダルは、音量がオンにするその瞬間まで不確定であるペダルはどうだろう。
音作りの1つの道具、作用であるエフェクト・ペダルは「このコントロールを触るとこの要素がこれくらい変わって、そして調整した上でオンにするとこういう変化が生じますよ」という効果が担保されている事が大前提の代物なのである。

その前提をブッ壊したくなって購入した。
ELECTRO FAUSTUS EF107 REGURGITATOR noise looperである。
所謂、フィードバックルーパーだ。
普通のルーパーであればSEND→RETURNで戻ってきた信号がそのままOUTから出力されるのだけれども、このEF107はSEND→RETURNで戻ってきた信号を再びSENDに供給する。それを瞬間的に無限に繰り返す(勿論繰り返しながらOUTから出力する)ものだからこのペダルに接続されたペダルは普段と違う挙動をするのである。
トグルスイッチが下の状態の時は普通のルーパーとして扱えるが、トグルスイッチを上にした際はフォードバックルーパーとして機能。levelコントロールは触ってみた感じOUTに戻ってきた信号をどれだけSENDへ供給するか、である。左に回した方が多分、供給量が多い。
このペダル、何が便利って電源を必要としない。よく考えてみれば確かに入ってきた信号をそのまま無加工でSENDに戻すだけであれば電源を必要とする要素はなさそうである。LEDも付いてないしね。
足元のパワーサプライは供給数も限られているし。電源不要で動作するならばこんなに有難い事はない。

色々接続して遊んでみたけれども
・ディレイは当たり前だけれども発振する。
・さぞ低い音で唸ってくれるだろうと期待して接続したOC-2、オクターブ下だけ出力する設定だと何故か無音に。無限に重低音を供給されたとて、困るという事かOC-2。
・歪みは手持ちのものを適当に接続してみたけれども芳しくない。これはペダルによって違う気もするので要確認。
・ファズもそんなに面白くない。
・意外と掘り出し物(という表現であっているだろうか)だったのかSL-2。スライスパターンによってはリズムが変化し、出音もかなり凶悪になる。低い音程でゴツいノイズを出しながら時折、ギャーン!と鳴くようなリズムを出力する。
という感じ。
本当に予想外な動作が多かった。
こういう『実験』がしたくて購入したのだ。
音楽や表現には余白の部分も必要だと思っている。
このEF107で余白を余白として自覚する事が出来れば良いな、と思っている。