CROWTHER AUDIO Prunes & Custardを遂に入手したぞ

エフェクターが好きで好きでしょうがなくて、勿論演奏行為に伴って更なる興奮をもたらしてくれる道具として愛している部分もあるし、必要だから愛さざるを得ない部分もあるし、あと単純に物体としてそれが好きだ、エフェクター。

単純に「格好良い歪んだ音」が好きならもうそれは自分の手持ちで心地良い汚い音が出せるよう実現しているのだが、それでも「more!more!」と俺の心が叫ぶのはそれはもう俺が欲しているのは音色ではなくてエフェクターそのものであるから、である。
俺の潤った(公私ともにこう断言出来てしまうくらいには苦労を知らずにお気楽に生きていけている。持つ者はもっと持つ、を地でいく生き方を徹底していきたい)生活を更にブーストするための存在、嗜好品、俺のご褒美、はたまた「楽しいけれどももっと楽しくしたいし興奮したいから」俺はエフェクターを買う。
最近でこそ皆俺のそういう嗜好を受け入れたのか俺の足元に見れない筐体が増えていても何も言われなくなったけれども、一頃言われていた「病気だ」とかそういう言葉ももうスッカリ受け入れた。これが病的な執着ならば俺はもう病気でも構わない。大学時代に学んでいた行動心理学では「中毒性のある刺激は一時的な剥奪を与える事でその嗜好性を強化する事が出来る」と学んだ。だったらこの中毒が悪化しないようにするにはもうこれを追い続ける他ないのだ。

長い言い訳が続いた。
そう。また、なんだ。すまない。
俺とて愛好家の端くれだもの、心に刻んだ「いずれ買うエフェクターリスト」くらいはある。そのリストは細かく分かれていてラベルには「手頃な価格で見つけ次第確保」「いずれ確保」「どうしようもなく欲しいものがなく、けれども何か買う必要に迫られた際には確保」とか書かれている。その中で「手頃な価格で見つけ次第確保」が割と優先的、というかこのリストに並んでいる品は実用性に駆られているわけではなく浪漫要素強め、だけれどもそれであるが故に欲求は抑えがたいものが並んでいる。
行きつけの中古店が突如閉店してからというもの、愛好家の友人と情報交換したり大型質店を廻ってみたりしつつ結局のところ「現状、インターネットで在庫を眺めるのが一番知的好奇心を満たしてくれる」という結論に辿り着き機材愛好家の多くが行き着くであろうデ○マートを夜な夜な眺めるようになった。
「手頃な価格で見つけ次第確保」の品物を運良く見つけてしまったのはそんな時だ。

2019_07_28_001
CROWTHER AUDIOのPrunes&Custardについてはインターネットで検索しても国内のものでは情報が少ない。
世界規模では相応の情報を得る事が出来、ベーシストの使用者ではJustin Meldal-JohnsenとかPavement(ダサくて格好良い、と先輩から教えてもらった)やSonic YouthのMark Ivoldが使用している、または使用していたのが確認出来る。
試奏の機会もなかったしどうせいずれ買うし、みたいな気持ちもあって購入してしまった。値段は手頃、とは言い難かったけれどもこの次もこの値段で出会えるか怪しい程、高くもなかった。あとコントロール系統を見ても「きっとそこまで外れないだろう」という漠然とした予感はあった。

かくして購入してから数日後、東北からブツは届いた。
厳重に緩衝材で梱包されたそれを取り出してすぐさま鳴らす。好感触。しばらくスタジオ練習へ連れ出したりライブの現場へ持ち込んで隙さえあれば踏んでみる。
MIXコントロールで倍音、といっていいのか、ほとんどシンセ的ともいって良い倍音をドライブシグナルに混ぜていく事が出来る。ドライブシグナル自体は割と粘りが感じられ、低域のロスも感じられない事から結構扱いやすいのでこの倍音の混ぜ具合がこのエフェクターの面白いところ。また、この特徴的な音によって主張も出来るしベースラインも際立つもんだからこれ、シンプルなようで一筋縄ではいかない良さがある。機能的には歪みエフェクターにプラスアルファしたようなものなのだけれど、実際弾いている実感としては歪みものとしてよりかは個性的な一つのペダルという感覚が強くそれがまた使用したい欲をそそられる。
使用環境によってペダルのセッティングは様々に変わるかと思うが僕の場合、DRIVEはほぼ固定、MIXコントロールでどれくらいアクが強いかを調節しつつ使っている今の所。

他のペダルでは感じられない実感を感じられる面白い買い物をした。

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