VS「テキーラ×6」編

さて、前回からの続き。

帰宅後10分で身支度を整え職場へ直行、6時間働いた後帰宅、眠気もピークだったがweb配信という荒業を用いてどうにかやり過ごし(お付き合い頂いた皆様方よ、貴方方への言葉は一言に尽きる。「すまぬ」という一言だ)ベースを背負って22時に会場入り。こんな遅い時間に会場入りだなんてなかなかないけど、そりゃあ君ね、オールナイトイベントだもの、そうなるよ。ワクワクするじゃあないか!

この日はthatta レコ発ツアー名古屋場所をSynchronized Rockers (以下、シンクロ)と共同主催という事で、栄TIGHT ROPEにてDJイベントにthatta、HOT HOT SEX 、JONNYが出演するという趣。会場入りすると今朝方一緒に温泉に入っていたthattaチームにタイラさん(FREE THROW )。何だか不思議な感じであるが、ホッとする。そりゃあ前夜から一緒にお酒を飲んだり温泉に行ったりしてたら関係も密になるっていうもの。素っ裸を見せた間柄だ。

で、シンクロの方々にもご挨拶頂いたのだけれども、以前から色々話は聞いていた野垣内君、俺知らない人だと思っていたけれど実際は何度も顔をあわせた事があったし、何なら言葉を交わした事があったかもしれない。

「そうか君がノガイト君かぁ!」ってなもんである。

「今日の水分は、テキーラで摂取して下さい」というthatta オダ氏による不穏な乾杯の音頭により幕を開けた俺の「初シンクロ」、それはもう壮絶だった。皆で乾杯の一杯目、ノガイト君とのお近づきの印に二杯目、二万君との友情の三杯目エトセトラエトセトラ・・・。ショットグラスでガツン!と飲むと胃の中に熱い何かが滑り落ちていくのがわかる。それが快感になってくる頃にはもうすっかり酔っ払ってしまっていた。四杯目をあおった僕のツイート を参照するに「テキーラ4杯でNIRVANA」。恐らくは「テキーラを4杯も飲んでしまうと涅槃に至りますよ」という事が言いたかったのだろうけれども、何かもうこのツイート自体からぷんぷん酒の匂いがしやがる。

その後二杯あおり、当然のように嘔吐。某少年漫画の「酒をあおりまくって嘔吐して霊力を高める」キャラクターではないけれども色々ともう漲った状態でthattaで踊る。モッシュっていうのか、ああいうのは久しぶりだったなあ。自分達の演奏の時間がやって来、準備のためステージに向かう。柴山社長(ONE BY ONE RECORDS)曰く「舟橋は演奏出来るのか、と思ったよ。だってフラァ~ってステージの方行くんだもん」状態だったわけだが、この日は僕には最高の演奏をせねばならない責任が、自負があったのだ。

まずはじめに、ここで一端このエントリーに目を通して頂きたい。シンクロの一員、二万君という青年が書いたものだ。これを読めば、彼が如何にシンクロでJONNYが観れるのを楽しみにしていてくれたか、僅かでも理解出来ようというものだ。事実彼は、我々の出演が決まって以降会う度に「楽しみです!宜しくお願いします!」と言い、自分が如何に自分が携わるイベントでのJONNYの演奏を楽しみにしているか嬉しそうに語り、そして当日、開場前には「今日はこれで過ごしたいです!」と若干サイズがあわないながらも(こればっかりは、すまん)JONNY Tシャツを購入、細い目を更に細くして笑んでいたのであった。

バンドマンという人種は、自分達へ向けられた情熱というものを無碍にはしない生き物だ。

バンドマンという人種は、自分達へ向けられた情熱にはそれ以上の情熱で報いたくなる人種なのだ。

普段はチケット予約リストの名前と名前の間の行間や、開場後のフロアにいる彼や彼女や彼ら、そんなともすれば名前も知らない彼らの表情等に不可視ながらも見出している我々への感情、それを我々は(兎角、僕は)今回二万君を通じてまざまざと見せ付けられ、そして肌で感じたのだった。普段から漠然と感じていたステージに立つ人間の誇りと、良い演奏を見せたい聴かせたいという演奏者の欲求を二万君は結果的に無自覚ながらも刺激したのである。

MCでも話したのだがこの日は節目節目で共演し、そしてこの二日間で関係が相当密になったthattaのレコ発名古屋場所であり、我々の演奏を最高に楽しみにしている男が会場内に目を細くして今か今かと待っている。勿論彼だけではないだろう。お馴染みの皆様方、未知なるお客様、時間が遅いにも関わらず駆けつけて下さった先輩、友人、そして最高のパーティーピーポーthattaがいる。

友人達のお祝いの席、しかも地元名古屋でというこのシチュエーション。

待ち望んだ人間達がいるというこのシチュエーション。

恥ずかしい演奏が出来るものかよ。ここで何も報いる事が出来なかったら、糞益体もない演奏をするくらいなら、バンド活動なんざ辞めた方がいい。毎回最高のライブを、それは勿論そうだ、消化試合等ただの一本たりとて存在していいはずがない。毎回最高のライブを、というのはバンドをやっている人間ならばほぼ例外なく志している事だろうし、皆が皆自分の最高記録を塗り替えたくて演奏に臨んでいるのだろうけれども、この日の僕はもう何だかバンドマン以前に人間として、自分達に向けられる色々な感情に報いなければならないと思ったのだった。

結果的に表現欲求とそれを投げつけたい欲求というものが相応のバランスで保てた、あの夜のあのシチュエーションには相応しいライブが敢行出来たのではないかと思っている。ステージから見える顔はほぼ例外なく笑顔だったし、その中で二万君はもみくちゃになりながら最高の笑顔をしていたし、演奏後に物販に来て下さった方は躊躇う事なく音源を全種類買って下さった。どうにか我々、機材トラブル(あんな夜に、畜生め!)に見舞われながらもやりきれた様である。

明け方、お酒と「たかやす」でのうどん二玉に満ち満ちた胃袋と、楽しさと充足感で一杯の状態でイベントは無事終了した。関係者各位、演奏をご覧頂いた皆様、本当に有難うございました。僕も十二分に楽しんだ一夜だった。

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