SNSを見ていると新製品のエフェクターを紹介するアカウントが滅茶苦茶気になる発信をしていた。
曰く「wren and cuffがロシアンマフをフルサイズで再現するファズペダルを発売する」との事。
wren and cuffは僕の愛するブランドの1つだ。これまでもTALLFONT RUSSIANやBOX OF WAR等、所謂『ロシアンマフ』と言われるファズペダルの再現ペダルを愛用してきたし、ラムズヘッドの再現ペダルTHE CAPRIDはベースギターにうってつけってわけでもないのにペダルボードに強引に載せてライブへ突撃したりと、演奏でも結構このブランドのファズを多用している。
トライアングルマフの再現ペダルやオクターブファズだったり原音ブレンドの搭載されたモデルも持っているのだけれども、結局一番多用したのはTALLFONT RUSSIANかBOX OF WARのロシアンマフ再現ペダルだった。
wren and cuffのペダルは全体的に良い意味でのまとまり具合と上品さ、暴れ感を感じつつもユーザーフレンドリーの域をギリギリ出ない(≠甘やかし、というわけだ)扱いやすさが大変魅力的である。
再現ペダルであれども、そういうブランドのペダル全体に共通する手触りが何より魅力だと思っている。そんなwren and cuffの新作!しかもロシアンマフを筐体までフルサイズで再現したペダル!こりゃ買うっきゃない!ネットで値段を見て一瞬怖気づいたけれども、妻に相談したところ「ファズなら買って良し」とのお許しを得る事が出来た(理解ある妻に感謝)ので、すかさず世話になっているペダルのバイヤー氏に連絡、発注したのであった。
というわけでwren and cuff FADE FONT’94である。
1994年製のアーミーグリーンを再現するためにポットも特注で製作したとの事。
TALLFONT RUSSIANと同じアーミーグリーンマフの再現ペダルであれども、あちらは初期ロシアンでこちらは1994年の再現という点が違う。
コントロールはVOLUME=音量、DISTORTION=歪み具合、TONE=トーン、と極めて普遍的かつシンプル。
TONEは左に回しきるとモ”ーモ”ーと極悪な低域を出力するし、適度に上げてやれば低域を保ちつつ暴れる高域と非常に格好良いファズサウンドを出力してくれる。ああ、やっぱりロシアンマフは良いなあ、と思わずうっとりしてしまった。
DISTORTIONコントロールは割と幅広い印象。僕は12時くらいまで下げても好きな音だった。最終的には「もうちょい、いやしかし」と自分の欲求に負けて結局フルアップしてしまう事が多いけれども。
全体的な印象は当たり前だが『ロシアンマフ』。TALLFONT RUSSIANが好きならばこれも好きだろう。
馬鹿みたいにデカくて重たい筐体が最高。ファズは「デカくて重い」が最強だと思い込んでいるのでこのサイズ感は非常に好ましい。コントロールノブまできっちり再現してくれていてこれも嬉しいポイント。ペダルとしての重さは相当ある方で、これはちょっとした鈍器足り得る。
TALLFONT RUSSIANと比較してみた。
FADE FONT’94の方がTONEコントロールで調整出来るレンジが低めである。TONEコントロールを絞り切った時の馬鹿みたいな低域はFADE FONT’94の方がわかりやすく出てくれるし、TALLFONT RUSSIANと同じような音を作ろうと思うとFADE FONT’94の方がTONEが上げ目になっていた(上記画像参照)。
しかして、TONEをフルアップするとそこまで印象は変わらないんだよなあ。不思議な事に。
比較した結果、(時期こそ違えども)同じアーミーグリーンのビッグマフを再現しているので音のキャラクターは180度違う、という事はない。限りなく似た音は作る事が出来るけれども、完璧に同じではないというか何というか。
初期アーミーグリーン→1994年のアーミーグリーンの変遷を勝手ながら、自己体験したような気持ちになっている。
再現ペダルで歴史に名を遺すファズペダルの変遷を体感出来るのは面白い経験である。僕みたいに「ガンガン使いたいからオリジナルのビンテージを手に入れて使うのは気が引けるなあ」という向きにはやはり強い味方だぜwren and cuff。
9V DCジャックもあるしペダルボードにも仕込みやすかろう。
僕はペダル自体とこの筐体の大きさに敬意を表して、ペダルボードの外側にドンと置いて使っていくつもりだ。