「ファズなんてなんぼあってもいいですからね」

最近の気付き。
DHCのサプリメントを体調を整える(主にお通じ的な意味で)ために時折飲んでいるのだが、フォースコリー(お通じ良くなる)とメリロート(浮腫みをとる)を一緒に飲むと物凄く、効く。排水の効果なのだろうか、下痢するけれども滅茶苦茶、効く。
こうやって自分自身の体に暗示の上書をして、僕はプラシーボ効果も味方につけて前向きに生きていく。


さて、そういえば少し前にこんなファズを買っていた。
Wren and CuffのACE OCTAVE FUZZである。
Wren and Cuffはこれとかこれが特に大好きで、オーバードライブ以上「超デカい」必殺技未満の歪みはブレンダー(Mosquito Blenderか、特注品のこいつである。主にスペースの都合で選んでいる)を通して大抵どちらかを接続している。
このブランドのペダルには「ビンテージへの敬意を払いつつ、現代でも扱いやすく」高水準でまとめ上げてくれているような印象があって、どれを弾いても「ああ、やっぱりなァ」と溜息交じりにその良さを実感するばかりである。
というわけで行きつけの中古ペダルショップでこいつを見つけたのですかさず確保。
顔馴染の店員さんに「こ、これ弾いてもいいですか」と声をかけながら内心「買ってしまうんだろうなあ」とは思っていた。

ACE OCTAVE FUZZ、AceToneのFM-2というオクターブファズをノイズレスで再現しているブツのようである。あ、ちなみに僕はビンテージペダルとかそういうのには疎いのでオリジナルの方は弾いた事がない。
定期的に巡回しているブログが幾つかあるのだけれども、その中でこれをベースに使っている記事を見かけたのでいつか試してやろうと思っていた。オクターブファズは嫌いではないどころか、好きなクチだ。
オクターブファズにありがちな「ギター本体のトーンを絞って12フレット以上で弾いてみるとオクターブがより綺麗に出る」とかそういうのはギタリスト向けの操作感であると僕は感じている。ベーシストはそもそも楽器本体のボリュームやトーンを曲によって細かく微調整する文化がないのではないかと考えているし、事実、ライブハウスで共演バンドの演奏を観ていて曲中で細かく本体のノブを触っているベーシストは見た事がない。ファズを踏む瞬間に「本体のトーンを絞って」かつ「限定的なフレットで」演奏するというのはどうもアンサンブル中に於ける文字通りbaseを司るベーシストには難しい、というか現実的でないように思えるのだ。

というわけでオクターブファズに求めるものは『如何に簡単に格好良い音が出るか』なのだけれども、そういった意味でこのACE OCTAVE FUZZは決して器用なペダルではないように思える。
同じオクターブファズでも「はいベーシストの皆さん、使ってくださいね」と言わんばかりの行き届いたコントロール設計、出音のチューニングの行き届いたこれと比べてもACE OCTAVE FUZZは「この音!この音格好良いでしょ!」という割と振り切った音しか出ない。コントロールも単純明快、LEVELとFZ-OCT表記のコントロール(触った感じ、ゲインコントロールかなという感じがした)の2つに加えて音色切り替えのトグルスイッチが1つ。スイッチは右側に倒すとミドルの押し出しが強い音、左側に倒すとまさしく「オクターブファズ!」という激烈ドンシャリな音になる。
で、ベースで使う時に気になるであろう低域についてはトグルスイッチ左側の激烈過激なオクターブファズモードの方がきっちり低域が出ているように感じられるので面白い。激烈ドンシャリ故に、アンサンブル中では使う瞬間に工夫が必要かもしれないがまあ、ブレンダーでドライシグナルを混ぜてやればいついかなる時も使えない事はない。

「これとこれしか出来ないですけどブン殴ると強いですよ」と言っているようなファズペダルだ。