自然界ではまず聞けない音。

ペダル蒐集は僕の趣味の一つである。
実益を兼ねて「バンド活動でよく使いそうなもの」や贔屓のブランドのペダルを中心に買い求める事が多いのだが、時折「どんな瞬間に使うんだこれ」と言いたくなるような、少なくともそれまでの自分の演奏上での文法の中には登場し得なかったような逸品を購入する事がある。
今回のブツはまさにそんなペダル。


OLD BLOOD NOISE ENDEVORS BL-44 Reverseである。
弾いたフレーズを逆再生して再生してくれるペダルである。
逆再生。そういえばリバースディレイはよく聞くけれども、こういうシンプルに逆再生のペダルというのは初めてお目にかかったかもしれない。いや、逆「再生」であるので弾いた後にかえってくるという点ではこれもディレイのようなものかもしれないけれど。一度しか再生されず、反復しないという意味ではディレイではないよねという話。

コントロールは原音との「MIX」、全体の音量「LEVEL」、そして後述する「CLOCK」に「SPEED」。
「MIX」と「LEVEL」のお陰で逆再生というちょっと特殊なペダルでありながら割と使い勝手が良いというか、バンドアンサンブルの中でも「居たい場所にいられる」感じがある。MIXで原音に対してどれだけのバランスで逆再生が鳴るかを調整、LEVELで最終的な出音の音量をコントロール出来るのでアンサンブルの中でどれだけ主張するかを結構細かく詰める事が出来ると感じた。
CLOCKは最初触った時にディレイペダルでいうディレイタイム(弾いた後にどれだけの感覚で音がかえってくるのか)のような印象を受けたのだけれども、実際にはペダル全体の挙動をここでコントロールしているようで、成程、確かに逆再生の音の鮮明さというか滲み具合というか、そういうのもここで変わってくる手応えがある。
SPEEDは逆再生シグナルのピッチ可変。12時より左側でピッチダウン、右側でピッチアップ。オクターブダウンからオクターブアップまで可変させる事が出来る。やはり目立つのはピッチが上がった時だが、ピッチをダウンした時の弾いたフレーズの後ろで蠢く感じもたまらなく違和感があって心地良い(我ながら変な表現である)。
CLOCKはフェーダーになっているので足でも頑張れば操作出来るけれども、ここエクスプレッションペダルで操作出来るようにしてくれたらもっとブッ飛びペダルになっていたのではないか、と思ったりした。弾きながらここをグリグリ動かすと楽しいもの。

非常に幽玄で、彼岸感のある音像、面白い効果を得られるペダルである。