悲劇。

今日は新栄CLUB ROCK’N’ROLLでパイプカツトマミヰズでライブだった。
全バンド演奏が終わったのが21時過ぎ、家に帰ってきたのが23時ちょい過ぎ、とライブの日にしてはいつもより1時間くらい前倒しで動けており、この後お風呂にゆっくり入って(熱いお湯と冷水シャワーと小休止を繰り返せばサウナトランスに似た効能が得られるのではないか、と期待している)眠るつもりだ。随分と精神的余裕があるので「ああ、こういうのも悪くないな」と思っている。
だが読者諸兄、本日のブログはどうやったってハッピーエンドで終える事は出来ない、予め明記しておく。どうやったって「楽しい一日だった」という一文で〆る事は出来ない。出来るはずがない。今日のブログはバッドエンドで終わる。そう決まっている。
なのでもしこれを読んで下さっている貴方が「人の不幸は何よりも楽しい」という揺るぎない真理を自分自身も背負っているという自覚があるのでないならば、是非ここで読むのを止めて頂きたい。貴方が善良であればある程、また感受性が強ければ強い程にこの日記は貴方に不安、あるいは貴方の想像力のネガティヴなスイッチを押しかねないからだ。

さて、久しぶりのパイプカツトマミヰズのライブだ。
吉田君が実家からこちらに出てくるようになってからというもの、練習もなかなか予定が合わず、結局全員揃っての練習はライブ当日である本日行うという事になった。伊藤誠人君は結果的に欠席となってしまったものの、正午にスタジオに合流して本日のセットリストを確認するように練習していく。曲の進行とか複雑怪奇なキメであるとか、そういうの大体誰か一人は忘れているので、我々にはこういう作業は必要不可欠である。ちなみに俺も「練習しておいて良かった」と思った。練習中に気付いた自分の演奏の粗というか変な癖みたいなものもあった。あとは本番で諸々注ぎ込んでその場で完成させていくだけ、となった。
さて、ポケモンGOの話である。
吉田ヒズム君は何を隠そうオンラインFPS(詳しくはないけどPS4でやっているそうな)で世界大会で結構な高記録保持者だそうで、まあ、わかりやすくゲーム好きだ。きっとポケモンGOもやっていると思ったら案の定結構やりこんでいた。スタジオの中で「あッ!フシギダネだ!」とか叫んでいた。僕もこのゲームは楽しくやっているので片づけをしたり休憩中に何かと盛り上がった。
後で鈴木君から耳打ちされたのだが「あんなに吉田と舟橋が話し込むのは珍しい」と駒田君が言っていたそうだ。
僕達は別に仲が悪いわけではないけれども、嗜好とか好みが結構違うので(それでも違いを認識する事でバンドは有機的に作用する。吉田君曰く僕と彼は水と油だがそれでも一緒に演奏するとグッとくるので、まあうまくいっているのだろう)普段あんまりゆっくり話し込む事ってないものね。
リハーサル前後も新栄をうろうろして「さっきあそこにカモネギがいたよ!」とか楽しそうにしている吉田君を見るのは実際僕も相当楽しかった。何かを楽しんでいる人というのは周りもハッピーにする。
ポケモンGOについてはMCでも話し倒した。所謂「時事ネタ」だ。こういうライブが出来るのも今日だけだポケモンゲットだぜエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッ!!!!!!
パイプカツトマミヰズは、ステージ上で鳴っている音が多いしそれらの全てが大きい。いつからかわからないけれども僕が入った初回から大きかったはずなので、多分そうなる運命だったのだろう。しかし今日は普段より音量大きかった気がする。途中から爆音過ぎて耳が麻痺したのか、全部の音がハーシュノイズみたいに聴こえてきたもんな。それでも面白いライブをしたんじゃないかと思う。演奏直後にフロアから聴こえてきたお客さんの会話や歓声がそう思わせてくれた。

しかし悲劇は起きた。
悲劇というのは突然起こる。それは僕の目の前で突如として起きた。

演奏を終え、さあパッパッと片付けて次のバンドさんにステージを明け渡そう、と片づけを始めた頃である。確か僕はDIボックスに差したシールドを引っこ抜いてそれを手元で八の字巻にしながら鈴木君に声をかけたと思う。僕の視界には鈴木君と吉田君、そして伊藤君がいた。視界の隅で、立てかけてあった吉田君のギブソン社製ファイヤーバードが倒れた。
「あ」と思う間もなくファイヤーバードは床に叩き付けられ、そして、嗚呼!
何故ギブソンのギターはあのような構造なのだ!マホガニー材でかつ、ヘッドに角度がついている。
「倒れたらこれはもう、折れますよ」という条件が揃っているのだ!
無情にも目の前でファイヤーバードは折れた。ヘッドとネックが綺麗に二つに分かれていた。
誰かが「あ」と言った。転換中、音楽が流れているはずなのだがステージ上を不気味な静寂が包んだ。皆、視線を落とし片付けを続行する。何と言えば良いのかわからないのだ。あの、空虚で不気味な瞬間を僕を忘れはしないだろう。

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写真では落ち着いているが、楽屋での吉田君は感情の波が凄かった。そりゃあそうだ。26万のギターがへし折れたのだから。

「吉田君!ギブソンのネックはちゃんとした職人なら綺麗に引っ付けられるし、何なら折れる前よりも上部に出来るって聞くから」
「...」
(駄目だ、どうしたら)
どうしたら良いか、だなんて折れたギターを見た瞬間にわかっていた。

「もしもし」
『あーもしもし、見たよ。まずさ、あのメイク何?(笑)折れたギターより気になるよ!』
「彼のトレンドです」
『あとさ、胸毛凄いねえ!しかも汗絡んでるの!!ハハハ!』
「あの、あのギターって」
『ああ、多分ね、直るよ』

僕には、お世話になっている職人さんがいる。
僕自身は一度も楽器をへし折った事はないけれども、僕の友人達はネックやボディが真っ二つになった楽器を復活させて貰っている。楽器を一から作りだす事の出来る職人なのだ、復活の腕前も見事である。
ファイヤーバード、復活なるか!?

(続く、のだろうか)

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