溜息しか出ねえよ。

全く、溜息しか出ない。

先日は名古屋は中区spazio ritaにて開催された『Experimental Nagoya vol.2』にBBBBBBBで出演、ノイズホトトギス再現ライブを行った。
当初出演予定だった動画と同一の鳥さんが本番二週間前に出演出来ない事態に見舞われ一時はどうなる事かと思われたが名古屋在住グラインドコアを愛好する高校生ベーシスト澤君と彼の愛鳥ゲン君のお陰で我々は無事ノイズホトトギスの再現とあいなったのであった。
それにしても澤君、17歳だってよ。丁度僕の半分の年齢である。僕が17歳の時に生まれたって事か、そう考えると自分も年齢を重ねたものだ、と思う。BBBBBBBの前回の演奏を偶然観て気に入った澤君、西園寺君が鳥を探している旨をSNSでお知らせし出演鳥を募ったところ、連絡をくれたらしい。「参加出来るなんて嬉しいっす」と言っていたけれどもそうやって飛び込んでいく姿勢、とても素敵だと思う。きっとアクティヴな人なんだろうなあ。素晴らしい。
本番はまさかの鳥が普通に鳴く等想定外の事態に見舞われたものの相応にリアクションも良く、流石西園寺君、エンターティナーかくあるべし。

そして共演のTabletop Guitarsのライブ、初見だったのだけれども本当にとても素晴らしかった。共演者の演奏を一度観てあれだけ心奪われたのはその昔新栄CLUB ROCK’N’ROLLで観たG-FIGHTERの演奏以来ではないだろうか。興奮する演奏や「格好良い!」と握手を求めたくなる演奏は過去に何度も観てきたけれども演奏家としてのアティチュードから考え直してしまうような、そんな演奏を目の当たりにして「嗚呼、今日自分がここに存在して良かった」と感謝するようなそんな体験はそうそう出来るものではない。
机の上に並べられたエレキギター3本に大量のエフェクター、それらを演奏し、操作し、音楽を作り上げていく様を目の前で観たのだけれども大変美しく豊かな時間を過ごした。眼前で音がどのように作られていくのかを観察するのは興味深い体験ではあるし機材ギークとしても有難い光景が展開されたわけなのだけれども、往々にしてエフェクティブかつ即興性に富んだ演奏の幾つかが陥りがちな「それ、その楽器じゃなくてもいいじゃん」感がこのバンドには全くない、というかエレキギターである必然性に富んだ演奏がその大半以上を占めていて僕の耳と同時に脳味噌も喜んでいたように思う。エレクトリックギターという楽器の電気的、または構造的な部分(ブリッジをボディーの一部と螺子によって固定し、アームによってそれを動かす事で音程を変化させるetc.)をフル活用している様であったり、プリペアーしたエレクトリックギターによって奏者にも予測不可能な音を混入させたりだとか、それらの全てがエレクトリックギターという楽器の可能性に「挑戦」しているような興味深い試みであった事を記しておきたい。
また30分程のその演奏の一連の流れもシームレスにして大変心地良く快感へ導いてくれるもので、また展開も目まぐるしく変化し飽きたりダレたりとは無縁の30分であった。
感嘆にいえば最高に格好良いライブを観させて頂いたのであった。

2018_05_20_001
全く、溜息しか出ない。

コメント