「きっと、大歓声やモッシュが起きていたんだと、思いこむ事にします」

JONNYにてmurder murder企画@得三に出演。

JONNYでの得三出演は2回目なれど、前回は佐藤さんが入院中だったため完全体での出演は初めて。

murder murderとの出会いについて遡る。

新栄CLUB ROCK’N’ROLLで働いている佐藤さんは、その職業柄か素敵なバンドとの出会いが多い。本当に気に入ると音源とかを遠征中の車の中でかけてくれたりするのだけど、murder murderもそんなバンドの一つ。

「凄いのがさ、音源下さい!って言ったら『駄目です』って言われてさ。デモCDのジャケット見たら“このCDを盗め!”ってタイトルなの。…だから盗んだよ、一応。人目を忍んでこっそりと」

その時確か各務君(不完全密室殺人/紙コップス/パイプカツトマミヰズ ボランティアメンバー)がJONNYでギターを弾いていた頃で、彼、高速道路に乗ろうとしているJONNY車の後部座席でボーッとしていたように思う。murder murderは共演済みだったらしく「彼ら、本当に良いんだよ」と珍しく各務君がバンドを褒めていた。今はmurder murderの橋本君と一緒にバンドをやっている(不定期ではあるみたいだけど)くらいだから、本当に彼らの音楽センスが好きなのだろう。

で、僕はmurder murderがかつて共演したRomany Jadeというバンドの二人である事を知り、その後何度も共演する事になる。ってかむしろJONNY以外では共演してるので、昨日で完全に所属/参加バンドをコンプリートされてしまったわけだ。

で、そんなmurder murderの企画に出演。久しぶりの得三で気合いが入った。ベースアンプも上下YAMAHAのセットだ。

「俺を使え」と、そう言われている気がした。尚更気合いが入る。

この日からちょっとした実験じゃないけれど、ライブ中に耳栓をつけて演奏を行う事にした。

僕って長丁場の演奏になると、後半にいくにつれてベースのローを耳が聴き取らなくなるみたいで、例えばワンマンライブサイズの演奏時間だと最後の方なんかほとんどアタックしか聞き取れない。それについて先日HUCKFINNのナベちゃんに相談した所、「それはロー落ちだね。人によってハイ落ち、ロー落ちって違いはあるけど、耳が疲れてるんだよ。長くバンドを続けたいなら耳栓をつけた方がいいかもしれないねえ」と教えて貰った。

ナベちゃん曰く、耳栓は初めこそ違和感があるものの、慣れてしまえば音のサスティーンやドラムの金物類、ギターの歪んだ「ジャーン!!」みたいなのを程良く消音してアタックを浮き彫りにするので、むしろ演奏はしやすくなるそう。で、耳を長持ちさせたいならこれは是非お薦めする、との話。

以前ギバちゃんに「舟橋さんはドラムを聴かない」と指摘して貰った際にも耳栓をつけてドラムを聴くようにしていたけれども、今回はより積極的に耳栓を活用するようにしてみた。

音作りの際は耳栓を外し、リハーサルの段階から耳栓をして音を聴いてみる。

…これは凄い。皆がどこで音を「打って」いるか明確である。ドラムとベースが噛み合わないもんなら、多分この聴こえ方なら物凄く気持ち悪いぞってなくらいハッキリ聴こえる。

ライブも耳栓をして行ってみた。うん、実に良い。

いつもより堅実かつ豪胆な演奏が出来た感があって、演奏直後の充足感ったらなかった。

4曲目が終わりMCをするために耳栓を外したらお客さんが拍手して下さってて、それを受けてのこのエントリー名になっている発言。ポジティブな意味でも、耳栓は活きる。

勿論向き不向きはあるだろう。けれども僕は自分の体にガタがきてバンド活動を辞めなければならないって結末だけは御免被りたいのだ。耳を大事に出来て、かつ演奏にも劇的な効果があるのならば、耳栓に前向きに取り組む価値は十二分以上にあるといえるだろう。

いや、ナベちゃん本当にありがとう。

murder murderの二人、橋本君もいさみ君も音楽に、自分に誠実に向き合っているのが顕在化するような演奏。バンド活動や表現活動にどれだけ誠実に向き合うかってのは、ライブの現場では評価の足しにさえならないかもしれないけれども、あの二人に関してはその誠実さが演奏からも滲みでるから全く厭味がない。

良いものを観させて頂きました。

あ、しまった、写真が何もねえ。

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