『パルプ・フィクション』

続・我が逃走

映画『パルプ・フィクション』を観ていると、中途で友人と待ち合わせの時間。

駅前まで出て行くならば折角だし、という事でマクドナルドに入店。

そう、映画観てたらチーズバーガーが食いたくなったのだ。映画に食欲を刺激される事は少なくないが、『パルプ・フィクション』ほどチーズバーガーとシェイクを胃袋に入れたくなる映画もないだろう。

チーズバーガー2つとシェイクのバニラを頼もうとすると、残念、最寄駅前のマクドナルドではシェイクの提供はしていないそうだ。では映画に倣ってスプライトか、とメニューを見回すも、スプライトもない様子。

いつも通りコーラに落ち着いて、さあ実食。

…うん、旨い。サミュエル・L・ジャクソンがチーズバーガーを咀嚼して、スプライトでそれを胃袋に流し込んでいたのを思い出しながらワシワシチーズバーガーを頬張った。

映画観ただけでチーズバーガーをここまで楽しめるなら、映画ばっかり観てるのもあながち悪い事ではないのかもしれない。

さて、『パルプ・フィクション』だけれどもこの映画、皆が絶賛する意味がわかった気がする。兎に角、とてつもなく格好良い。冒頭の訛の強いティム・ロスのまくしたてる口調から煙草の吹かし方、そしてサミュエル・L・ジャクソンとジョン・トラヴォルタ!

最初出てきた時は「うっわ!変な髪形ッ!」って思ったけれども、観ているうちに妙に格好よく思えてくるから不思議。ブルース・ウィリスもハーヴェイ・カイテルもタランティーノ監督も良い演技を披露している。よくよく考えれば物凄い豪華キャスト。ユマ・サーマンもどの映画でも変わらぬ美貌(あの人って本当に年齢重ねてるの?とつくづく疑問に思う)で物語のスパイスとして華を添えている(相当汚れた顔をしているシーンもあったけど。『キル・ビル』といいタランティーノ監督はユマ・サーマン相手になると加虐精神を発揮するのだろうか)。

タイトルにある通り「パルプ・フィクション」=「くだらない話」という事で、心にずっしり残る問題提起とか衝撃を受ける展開とかは特にない。気楽に観始めて「格好良いー!」「面白いー!」で終わらせる事の出来る映画だ。だけれどもその「格好良い」と「面白い」のクオリティが半端ではない事でこの作品は映画史上にその名を刻み込んだのだろう。よくぞここまで盛り上げた!監督の手腕にはもう拍手しかない。タランティーノ監督、凝り性なんだろうしオタクなんだろうなあ。

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