SBVのネックが完成、まるで生まれ変わったかのような愛機を手にして少し経ったある夜の事。
最近は仕事も順調、家庭も円満と平穏な日々が続いていたのだが。いや、だからこそ、だろうか。
「これは、いけるかもしれない」。舟橋の中の挑戦心が疼いてしまった。
僕の愛機のピックアップはフロントがプレシジョンタイプ、リアがジャズベースタイプの所謂PJ仕様で、この二つのピックアップを直列で鳴らす事によって(つまり3つのコイルが直列で繋がれている状態)『出力、倍。ノイズ、倍』状態になっているのだが、通常のPJ配線で納得いく音が出るのでは、と思い立ってしまったのであった。
以前挑戦した際は思うように音が作れず、結果的に一週間程で元の配線に戻してしまったのだが、果たして今ならどうだろうと思ったが最後、僕は半田ごてを握ってしまった。
「どうせ配線をいじるなら」と予備でストックしてあったSBV-550のピックアップを使って配線する事にする。
半田ごてを握って、1時間もしないうちに作業完了。昔取った杵柄じゃわい、だなんて悦に入りながら音が出るのを確認。やはりハムバッキング仕様で鳴らすのと随分と音が違う。
フロントのPタイプだけ鳴らすのか、フロントとリアを一緒に鳴らすのか、プリアンプのセッティングはどうするのか等々、色々模索して個人練習でスタジオに通ったりもした。けれども結局、今度は3日間程で諦めてしまったのであった。
SBV初号機のネック換装ver.を受け取りに行った際にLOVELESS GUITAR岡田さんに預けてあった弐号機のノイズ対策処理が終わったとの事で、初号機のネックの状態を見せに行くついでに配線の相談もする事に。素人作業では配線の状態に不安があったので診て貰ったのだが、ここで衝撃の事実が判明する。
初号機と弐号機、同じハムバッキング仕様の状態で鳴らしてみるも、随分と音が違う。弐号機はこれまで弾き馴染んできたバキバキゴリゴリの音なのだが、初号機は随分とこんもりとしていてコシのない音なのである。
配線は岡田さんに診て頂いても異常なし。こうなると原因と思われるのは中身を入れ替えたピックアップである。
「自宅にある元のピックアップを入れて配線し直してみて、それでも違和感があったらまた持っておいで」と岡田さん。
早速その夜、半田ごてを握って作業したのだが何たる事。
初号機のピックアップ、ストックしてあった2つのピックアップを付け替えてみたのだが、いずれのピックアップをつけてもウンともスンとも音が出なくなっている。
ストック分がブッ壊れていたのか(元々ついていたものは外した時に壊してしまった?)、それともそれ以外の部品の要因なのか。
岡田さんに頼る他あるまい。やはり素人作業はするべきではなかったのだろう。
ゴールデンウィークの終わり頃に時間を取って貰える事になったので、再びLOVELESS GUITARへ。
どうする、どうなる初号機!
...万が一ストック分のSBVのピックアップがイカれていた場合、ボディをザグッて貰ってダンカンのピックアップに載せ替えてしまおうと内心思っている。SBVシェイプの楽器を今後もずっと使っていく上で汎用型のピックアップを使っていく事は維持の観点からも興味深い。音の面からもそれはそれで関心があるのだが、貯金がまた吹き飛ぶなあ。
写真はLOVELESS GUITAR帰りに妻と娘と合流して観覧した東山動物園にて。
プレーリードッグと娘。東山動物園も少しずつ変わっているようで「あれ、こんなエリアあったっけ」という場所がちらほらあって楽しい。