大石理乃バンド2連戦(1日で)の巻

昨日は大阪はアメリカ村にて大石理乃バンドで演奏。BRONZEとKING COBRAにて。そう、2連戦である。
1日の間に大阪でライブハウス梯子して演奏するとは思わなかったなあ。面白い経験をした。

明け方5時頃、東京より大石号が自宅まで僕を回収に来てくれた。
先日顔を合わせた面々と再会。バンドをやっていなかったら日本はもうちょっと広いと思っていたかもしれない。遠方の人との精神的な距離感が小学生の頃とは物凄い差がある。あの頃って引っ越しちゃったら今生の別れ、みたいな感じあったもんな。32歳の今は余裕で遠方の人と特に練習を重ねるでもなく、僅かな時間で感性すり合わせて一緒にライブをやっている。大人になって距離感が変わった。
実際、びっくりする程早く大阪に着いた。すぐさま寝るのかな、と思ったら東京の人達はタフだった。これから飲もうという。最高かよ、楽し過ぎるな?24時間営業の居酒屋に突入し、朝から泥酔した。その後道頓堀あたりをブラブラし、1000円でフリータイム(仮眠所付)のスパにイン。優雅に朝風呂を堪能してから仮眠所で仮眠。

起床してSNSを見ていると同日、大阪でライブがあるという高野京介君(ゲスバンド/SuiseiNoboAz)が風呂上がりの自撮りをアップしていた。その着ている室内着、そして脱衣所の光景にひどく、見覚えがあった。
すかさずリプライを飛ばす。
そう、まさかの感動の再会!

2016_07_18_001
あー、ごめん、嘘ついた。感動って程でもなかった。

「おう」
「おはよう」
「今日どこ?」
「南堀江」
「あ、そう」
「この漫画良いんだよ」
「へえ」

くらいの。
サークルの友達と大学構内のたまり場で偶然会ったくらいの温度感。まあ、何だかんだ定期的に会うもんな。それが良い。
で、高野君と隣で寝てる物凄いいびきのおじさんに耐えつつ(「...凄いファズだな」「...そうだね」)、ゴロゴロする。
然る後、別れる。さらば高野君、また遠くないうちに会おうぜ。

大石理乃バンドはこの日、アメリカ村BRONZEとKING COBRAでライブ。
まずはBRONZEで演奏という事で会場入り、リハーサルを終える。BRONZEでのセットリストには久しぶりに演奏する曲やら初めて演奏する曲が多く含まれていたのでリハーサル後も音源を聴き返したりしつつ、友人に頼まれていた蓬莱の豚饅を買いに大丸デパートへ。

一組目だったのであっという間に演奏時間がやって来た。緊張を伴った演奏というのは面白いものだ。意識し過ぎると良い演奏が出来ない。いざ楽器を握ったらどうにでもなるさ、くらいの気持ちで演奏した方が良い演奏を出来る事が多い。
そうそう、この日、大石理乃バンドは現地解散。大阪から名古屋へその日のうちに帰るには新幹線しかない(東京へは夜行バスがあるのだけれども名古屋行はないのであった)。最終の新幹線が新大阪22時30分発。演奏終了予定時刻が21時20分。これまた余裕がないため、演奏を終えたらダッシュ出来るように機材を少なめにしておいた。SBVにサンズアンプとギャリエンクルーガーのアンプがあれば僕の音は出せるし、歌モノだったらそれに加えて歪みエフェクターが一つもあれば十分に演奏出来る。
結果的に2会場間を移動する際にも、機材のパッケージング時間を短縮出来たので良かったと思う。ああ、でもエフェクター沢山踏んづけたりする演奏、したいなあ。

「KING COBRAの楽屋入口へ続く道って、猫の道みたいな道なんだよ」と大石さんが言っていた。「猫の道、猫の道」とどこか楽しそうに言う様子からまさか言葉通りに狭い道ではないだろう、と思っていたけれども「あ、ここだ」と大石さんが入っていった後を付いて入っていった道は想像していたよりもアスレチック感があった。梯子で移動する楽屋は秘密基地みたいで面白い。これは出演者にしかわからない事かもしれないけれどもKING COBRAの楽屋入口から楽屋の様子は秘密基地感があって好きだ。
というわけで会場入りして関係者各位に挨拶をしたら間もなく本日二本目の演奏。

転換込み30分の演奏時間を大石さんは貰っていた。
転換チェック代わりに一曲演奏したら大石さんがすぐさま始める旨をアナウンス、ドラムのカウントがすぐさま鳴り響き演奏が始まった。MCでアヴァンギャルドな事や下ネタをガンガン言う大石さん、何だかんだ優しい気配りをしてくれる人なんだな、と思う。僕がちゃんと終電に乗れるか気にしてくれていたんじゃないかとその振る舞いの端々から感じたもの。いつも無茶苦茶な移動の仕方して迷惑かけてごめんなさい!
テンポ良く演奏が進み、お客さんもきっちり盛り上がって(「よく訓練されたオタクだな!」「ウオオオオオオオ」)演奏終了。
演奏終了直後、慌てて片づけをしていると声をかけて下さる方が。演奏中に僕の正面で演奏をご覧になってらした方だ。三重県在住との事で新幹線に間に合わないようなら送って下さるという。時計を確認すると十分に最終の新幹線に乗れそうな時間だったので有難くお気持ちだけ頂いたけれども、その心遣いにグッときた。

ステージから直接フロアを突っ切り(アスレチックな楽屋→裏口より早いと判断)外へ出る。心斎橋駅へ向けてダッシュしたお陰か、それともKING COBRAのベースアンプがギャリエンクルーガーだったためか(遠征先で常設のアンプ使うのなんて久しぶりだ。持ち込みアンプ使わないと転換が一気に早くなる)、予定よりも一本早い新幹線に乗れてしまった。乗り換えNAVITIMEというアプリケーションは信頼に足りる。二度もタイムアタックに成功した僕が言うんだから間違いないぞ。

新幹線に乗ると大石さん達からラインが来ていた。先程声をかけて下さった方から「新幹線に乗れなかった時は連絡を」と携帯電話番号を預かっているそうだ。頂いた手書きメモの画像が送られてきた。
世の中には見返りを求めずに人に優しくする事が出来る人間が、少なからず存在する。新幹線のデッキからその番号に電話をかけてお話をさせて頂いて、通話終了ボタンを押した後もまだ胸の中に清々しい気持ちと感動が残っていた。
僕も人に優しくしたいと改めて思った。

コメント