拝啓、警部殿。

続・我が逃走

23日、「刑事コロンボ」で長年コロンボ警部を演じた俳優 ピーター・フォーク氏が亡くなられたそうだ。

アルツハイマーを患っておられ、ここ数年は演技の世界から退いてずっと闘病生活を送られているとは知っていた。それっていうのはつまり、新作が二度と観れない、僕達の愛した名刑事が、フィルムで或いは盤で或いはテープでしかもう会えない、という事に他ならなかった。

けれどもこの世界のどこかに警部がいる、どこかでやぶにらみの目で何かを見つめ、呼吸をして生きているというのが僕のささやかな励みではあったのだ。もうあの演技は見られないかもしれないけど、僕達の愛する警部はまだ生きておられる、と。

けれども警部は、警部を演じた名優は帰らぬ人となった。

せめてもの慰めは、ピーター・フォーク氏が最期は家族に見守られ、静かに息を引き取ったという報せである。

僕は小学生の頃から貴方がずっと好きでした。貴方に憧れていました。冬の寒い日に、両親にコートを買って貰うという事になってベージュのコートを選んだのは貴方に憧れてでしたし、本屋さんで小説をどんどん買って(まだトリックの妙味なぞわからない年齢でもありましたが)読みましたし、果てには自分の直毛を恨んだものでした。その少年はそのまま大きくなってしまい、「ああ、俺もいつか結婚して『うちのカミさん』って自分の奥さんの事を呼んでやるぞ」なんて嘯く大人になってしまいました。

貴方に魅了された日本の脚本家が、これまた好評を博すドラマのシリーズの脚本を書きましたし、僕の身近な先輩バンドは今や貴方のテーマとして知られている曲を長年一緒に活動してきたメンバーの脱退ライブ、その日にBGMで流されておりました。

僕は本当に本当に、貴方に憧れておりました。

コロンボ警部、ピーター・フォーク氏、今まで夢を、有難う。

一生、貴方達の事を忘れません。

あ、すいません、もう一つだけ・・・・!

なんちゃって。ご冥福をお祈りします。

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