白線の内側、京名阪ツアー最終行程の巻。

2017_01_24_002
洗濯物を干した。
洗い物をした。炊飯器の釜を洗い、明日のために飯も炊いた。
こういう家事は結構嫌いではないけれども、思っていたよりも時間を食う。
ちゃんとやるべき事、やりたい事をやった上でパソコンの前に座る時間を確保してブログを書くのは、また格別だ。
まあそんな戯言は置いておくとして、日曜日に行った扇町para-diceでの一日の事を書く。

前日の演奏、からのプチ打ち上げから帰宅後、楽器類をそのままにして眠ってしまった。アルコール飲料が実感以上に効いていたようだ。明け方にふと目を覚ましてエフェクター類を一旦片付け、再度その日持ち出す分を吟味する。この日は扇町para-diceへ白線の内側で遠征である。
二夜連続の演奏で、そうなると前夜以上の演奏をしたいと思うのは演奏家からすると当たり前の事だ。新鮮な気持ちでいきたい。
機材類の選定が終わり、パッキング作業で神経が昂ったのかそのまま洗い物やら洗濯物を干したりする。早朝5時、世界は俺のものだ。早朝番組を眺めながら軽食を食べ、再度就寝。体内時計はグチャグチャで、数時間後の起床予定時刻にバチッと目が覚めるか心配だったけれども心配は杞憂に終わった。
入浴し、今やご近所となった樫山君と自転車で今池ジャパンレンタカーへ。同行者がいた先週の先週の京都遠征から一転、今週は小型車での4人行動である。昨夜の録音を聴き返したり(主に僕が)下ネタで大笑いしつつ大阪へ向かう。半ばを過ぎた頃、今朝方の反動が来て意識消失。目が覚めると扇町駅のすぐ近くだった。

「来た来た、さえない連中がやってきたよ!」と笑い声と愛のある野次を受けながらpara-dice入り。いつ来ても落ち着くんだ、ここの楽屋は。
リハーサル前、人気の少ない楽屋でエフェクターボードにエフェクターをガムテープで固定していると死角の位置でスタッフさん同士で話をされているのが聞えてくる。
「こないだのドラムの録音なんだけどさ」「ああ、あれ聴きましたワ」その後ろではジャズが流れている。
その会話を何とはなしに聴きながら、ああ、こういうライブハウスは本当に信用出来るなあと思った。何て事はない、僕の実感を伴った直感だ。

良い演奏が出来る、とリハーサルの最中から思った。音決めもバシッといき(この日は意識的にいつもより高域を削り、その分低域をアンプ側でブーストした。平時はタイトで輪郭の明瞭な音を好むのだけれども、ちょっと振動が感じられるくらいの低域のブースト具合。お気に入りだからこれからちょっとこの意識を持ってサウンドメイクをしようと思う)、リハーサルも神経質にならずに必要最低限の時間で済んだ。演奏のヴァイヴスも良い感じである。
リハーサル後、金森君と天神橋店街をブラブラ歩く。日本一長い商店街だ、何度歩いても面白い。滅茶苦茶に安いうどんやお好み焼き、寿司にうなぎに目を奪われるけれども金森君のお目当ては粉もののようだ。キャベツ焼きが150円で売っていたのでメンバーの分も買ってpara-diceに戻る。
共演者の皆様と映画の話や共通の友人の話等盛り上がっているうちに開演の時間になった。銭湯に行こうと思っていたのだが何となく止めて良かった。とても楽しい時間を過ごす事が出来た。

そうそう、この日の共演者の皆様、大変素晴らしかった。para-diceって雑な言い方をすると所謂「ハズレ」みたいなのが、全くない。何ならこっちの嗜好完全に読まれてるんじゃないかってくらい毎回楽しい時間を過ごさせて貰っているんだけれども、この日共演のポジティブハイテンションズ(初ライブとの事だったけれどもそれぞれが手練れのメンバー故か初々しさこそあれども演奏はしっかりとまとまっていて流石の貫禄。ドラムのあべさんはふつうのしあわせで共演して以来の再会!気付いた時は嬉しかった!)、sonasobi(透き通る女性ボーカルに電子音って好み過ぎ。また音のキレも太さも最高だった。そして終演後気付いたのだけれどもPCとシンセを担当されていたのはときめき☆ジャンボジャンボのハヤシさんだった。気付いた瞬間に平伏したわ。ずっとご一緒したいと思っていた関西プログレッシヴのレジェンドである。ご本人は「やめてや!」と微塵も奢っておられなかったけれども、僕が関西へこうして訪れるようになる前から一線でやられていた方だ。一方的に存じていた方とご一緒して、しかも演奏後に良い感想まで貰っちゃって最高の気分!ウッヒョー!!)、靴下小石(フラフープスからこの日を以て改名。男女二人組のユニットでリズムボックスとかグロッケンとかラジカセを使った良い意味でチープ、暖かい音が嬉しいサウンド。ここまで男女二人組のユニットが2組連続で続いたわけだけれどもこのデジタルからアナログへ、の振り切り方は最高に美味しい、扇町para-diceならでは。フェスじゃないんだから、豪華過ぎ!)、メロンソーダpop(出番直前で緊張感を噛み締めながら楽屋で主にメンタル面の準備をしていたために観れず。ただいちろー君も金森君も興奮した様子で「滅茶苦茶良かった」と言っていたので惜しい事したナァ)、いずれも素敵な人達だったし素敵な音楽/バンドだった(一部観れていないけれども)。

メロンソーダpopのメンバーさんの終電の関係でまさかのトリになってしまった白線の内側、出番前4組が良い演奏を繰り広げた後だもんだからどことなく気張るっていうか、そういう気運がバンドの中にも流れていたと思う。気張った演奏、こういう夜は大いに結構。さあ穿ちに行こうじゃあないかと一曲目から舟橋、大いに力む。力んだ結果、二曲目を弾き始めてすぐに指に力が入りづらい事に気がつく(この日は新曲以外指弾き)。コンプレッサーをかけていたために音量的には不足なかったけれども、すかさず冷静になって力ではなくスナップを効かせてピッキングするように心掛ける。以降、支障なく演奏出来たから良かったものの、あそこで興奮し過ぎて駄目になっていたらと思うとゾッとする。
この日の演奏は良くも悪くもオラオラ。あ、勿論圧倒的に良い方向の方へ作用しましまよ、念のため。
有難い事にアンコールまで頂いた。このバンドでは初めての事だと記憶している。
不完全密室殺人でお世話になっていたホンジョウさんも観に来て下さって、ダメ出しと褒め言葉を貰う事が出来た。何だか、色々なものが現在とこれからに繋がる夜だったなあ。

帰りの車内から大阪の夜景を眺めながら「これだからバンドは辞められんな」と思ったとさ。

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ポジティブハイテンションズのあべさんと。暗い画像を無理やり明るくしたもんだから画質が悪い悪い。

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