秋の気配を感じながら。

真夏のピークが去った、どころかもう秋の気配さえする。
じきに冷房もオフに出来るだろうなと思う。
今年の夏は振り返ってみるとここ数年で一番精神的にピリついた夏ではなかったか。

コロナウイルス感染拡大は収束どころか拡大の一途を辿り、職場は勿論、友人知人でも感染する人達が割と出てきて、ウイルスがいよいよ身近に迫った事を感じた。
ライブイベントも中止や延期の報せが相次いだ。僕も人前での演奏となるとここしばらくしていない。
これが結構ストレスが溜まる。人前での表現活動が、実は自分にとって結構な精神的バランスを保つ大切な行為だったんだな、と再認識したのであった。
更に、閉ざすようにしていても自然と耳に入ってくるニュースはほとんどが暗い話題や緊張感をはらむものばかりだったし、テレビを点けても愛好して視聴する深夜ドラマには冒頭で「政府の定めたガイドラインに従って撮影しています」云々とテロップが表示され、ああここでもやはりコロナウイルスの影響を感じずにはいられないのだな、と一時の現実逃避さえ許されない状況であった。

「まあ、逃げるなって事か」と一瞬憂鬱に沈みそうになる気持ちを現実に向ける。
気の合う友人であり親友であり恋人であり配偶者である妻と一緒に生活出来ているし、我が家の宝物である娘も毎日ニコニコ元気そうだ。言葉もますます増えてきた。
自分の半径10メートルだけで言えば、世界は全く平和なのであった。
この平和を維持せねばならない。
考える事は山積みであるし、半径10メートルのためにずっと先の遠くを見据える必要もある。
先日、1度目のワクチン接種を受けた。
幸運にも実家のほど近くのクリニックで予約が取れたのであった。
ワクチンの副反応が人によっては出る、殆どの場合は1度目はせいぜい腕が痛む程度だが人によっては発熱し、しんどい場合もあると聞いて戦々恐々として現地へ向かったのだが、なんて事はない、流れ作業のようにスムーズに接種出来たし副反応も筋肉痛程度で済んだのであった。
2度目の摂取に向けて毎日(可能な限り)健やかに生きようじゃあないか。