やっと書くぜ、豊橋で何があったかを。

はい、やっと先日のライブについて書きます。

豊橋LAHAINAは、僕がライブハウスに行く前に想像していた「ライブハウス」という場所を具現化したような、そんなライブハウス。外観から内装、ステージ上の音の環境から何から何まで気に入ってしまった。壁一杯にかけられたキャロルのパネルや、ここに演奏しに来た著名ミュージシャンのサイン。間接照明でムードが演出され、まさしくここが娯楽の要塞。名古屋市内ではなかなか見かけないぞ、ああいうライブハウスは。

で、この日はDR.SNUFKIN 先輩の企画という事でサポートメンバーといえどもiGOの演奏、気合が入っていた。

そして更に僕を奮起させたのが、野々垣貴彦。明日、照らす のサポートドラマーとしてこの日豊橋入りした彼、彼の演奏を聴くのは実に彼がJONNYを脱退して以来。かつては一緒にリズムセクションを務めた彼が、共演者のドラマーとして登場したのだ。お互いにサポートではあれど、否、それだからこそ発揮される一バンドマンとしてのスペック、それでぶつかる時がついに来たのだ。

野々垣貴彦よ、君と組んだリズムセクションは楽しかったし、勿論脱退の際はバンド全体として独特な雰囲気は流れてしまったけれども、ああ、そうだ。ついに決着をつける時がきたのだ。もう十分に愉しんだはずだ、俺が豊橋に沈めてやる!

一方野々垣貴彦も当然僕を意識していたようで、彼のtwitter によると「元パートナーである舟橋はiGOで、自分は明日照らすで、それぞれの思いを胸に、豊橋という戦場へ。 決して家族ではないのだけど、家族と共演するような、なんともこそばゆいw」とツイートしていた。ああ、そうだ野々垣貴彦、我々は今思えばJONNYで活動を共にしていた頃から闘争を続けていたのだね。君は理論と理性に拠って構築され鍛錬された音楽を、そして僕は衝動のまま撒き散らすような音楽を。


対バン、というのはこういう時に使う言葉だろう。

勿論普段から30分で(その限りではない場合も勿論あるけれど)全力を出し切るようにライブには臨んでいれども、この日は、この日ばかりは日和った演奏をするわけにはいかないし、演奏後にほんの少しでも後悔するわけにはいかなかった。そりゃあ元メンバーが観てるんだ、この日やらずして、いつやるというのか!

野々垣君とてその感情は同じだったようで「白黒つけようか」とやる気満々だったし「変な緊張をする」と彼にしては珍しい緊張に襲われていたようだった。

果たして明日、照らすでの野々垣君、良かった。想像していたよりもずっと良かった。なんだあの人、いつの間にあんなにうまくなったんだというくらい丹精。以前からそういうドラマーかなとは思っていたけれども、彼の職人気質なところが明日、照らすにキッチリハマッていたように思う。

片や僕はというと、普段通り死力を尽くして演奏した。本番直前、控え室で曲の構成やコード等、忘れていないか不安になった。緊張で体も震えるし(誇張表現でなくライブ直前の僕って物凄くナーバスになる。きっと同じ控え室にいる人間にもちょっと気を使わせてしまうくらいに、だ)、もう駄目だ、とも思った。こういう時はあれこれ考えないに限る。今まで2回行ってきたiGOでの演奏を、そして一生懸命練習した過去の自分を信じる他あるまい。

で、いざライブが始まったら物凄く楽しかった。



続・我が逃走
こんな感じで演奏しましてん。
撮影:野々垣貴彦

ライブ中というのは、一体何なのだろう。
あの頭の中が真っ白になって、普段では考えられない速度で頭が回転し、そして普段では決してかかないような汗をかく。痛みも苦痛も余程の事でなければ感じないし、あの快感、あの30分が忘れられなくて生涯バンドマンで在り続けた先達が大勢いたのも理解出来る。本当、やめられんよ。

そしてかつては演奏を共にした元メンバーが客席で観ているという珍しいシチュエーション。演奏中は気付かなかったのだけれども実はiGOでベースを弾かれていた健太さんも客席にいらっしゃった様子。演奏終了後にお話した際には本当に嫌な汗を沢山かいた。だって僕がコピーしたベースラインのオリジネーター、そして曲誕生の瞬間に立ち会われたメンバーである。そりゃあビビるよ。「ベースラインを簡単にしてしまってすみません」と素直に頭を下げたところ「いいよいいよぉ」と健太さんはいつも通りの健太さんなのであった。

DR.SNUFKIN先輩、何ていうか打ち上げでのお話も含め、バンドを続ける気概というか貫禄、そして継続してきた事による自信、それらがステージ上から発散されたライブ。ご本人方はきっと否定なさるけれども。戸澤さんは打ち上げやステージを降りると物凄く丁寧で、心優しい目でお話して下さる方だのにステージ上ではまさにバンドマン、一戦士のオーラだ。ああいう格好良さ、僕もバンド活動を続けていけば出るのかどうか。

森ケンさんはme の時とも違うようで同じような、それでいて違うような。ただ「エモーショナルだねえ!」と声をかけて下さった数分後にご本人がステージ上で物凄く入り込んだ表情でギターを弾いていて「どっちがですか!」とニヤニヤしてしまった。

先輩方、ステージ上で格好良いバンドマンはステージ外でも違った格好良さを発散している、と再認識しました。

兎に角、この日も楽しかった。最近楽しい思いばかりしている。色々と自由にやらせてくれている、或いは起用して下さっている不完全密室殺人、JONNY、パイプカットマミヰズ、そしてiGOのメンバー皆様方に感謝せねばならんなあと痛感した次第である。

追伸:meのはせがわさんから「楽器演奏の技術というのは生物学的な見地では、30歳以降はどれだけ練習しようとも向上しないそうだよー」と聞いた。やっべえ。

コメント