名古屋に音あり、南山に機あり。

連休中は大学祭にぶらりと友達のライブを観に行ったり部屋の片付けを友達を巻き込んでやったり(そしてどこで手に入れたの?ってな具合のフィギュアをまんだらけに売りに行ったり)した。充実した時間。
連休最終日の4日、朝の7時。僕は南山大学に居た。

この日はライブハウスでよく出会う、何ならちょっと個人的に話したりもする付き合いの長い娘さん達が大学祭期間中の教室を借りての自主企画「名古屋に音あり、南山に機あり」へ孤独部のお手伝いで出演+かつての職種経験上お手伝いをしに行った。
少数精鋭の企画メンバー、大学祭の中でのイベントなので収益をあげるわけにもいかずそこは赤字覚悟で、ってわけでもないだろうけれども採算も合いづらいであろう中で情熱とバンドへの愛情だけでイベントをやり遂げようとするその姿勢に、出演バンドは勿論僕も心を打たれてお手伝いする事にしたというわけ。
いつの時代だって、情熱が何かを動かし得る元手になり得ると信じていたい。そうしようとせずとも情熱を持った人間のところには力を貸す人間が集うべきだ、とそう思っている。同じ気持ちを伊藤君も抱いたようで、朝早くの南山大学で主催の三人と僕と伊藤君の5人、そして主催三人が全幅の信頼を置く音響チーム2人で機材を運んだり設置したり。実際のところ、三人は凄かった。全てちゃんと把握して、ハードルが決して低いわけでもなければ整った環境であったわけでもないのに落ち度なんてひとつもなかったし携わった人間は勿論、出演バンドもライブを観に訪れたお客さんも皆が皆、幸せそうな笑顔を浮かべていた。
本当にお疲れ様でした。貴方達の手伝いが出来て、少しでもその笑顔の裏にある努力や誠実さを目の当たりにする事が出来て、僕は本当に良かったと思っています。
背筋が伸びる思いだよ、本当に。

会場となったG30教室はいわば大講堂。聞いた話によると400人規模の講義を行う場所らしく、広い教室の中でギターやドラム、ベースギターやボーカルを相応の音量で演奏するともれなくかかる天然リバーブ。
その中で素晴らしい音響チームは可能な限り快適な音空間を実現していたと思うし、出演バンドもそのシチュエーションを十二分に活かした演奏をしていて、成程、こりゃあ贅沢な時間じゃわいと感じ入った。
一組目、nothingman宮下さんの「はい、全員起立!」で始まったこのイベント、来年も実現すると良いなあ。僕は無責任にそう思っています。

今回の孤独部はワークショップを経て集まった役者さんを交えての作品を公演。
当日まで打ち合わせらしい打ち合わせがなかったのも、今現在のかしやま君の作品に向き合うスタンスを反映しているようで面白かった。実際リハーサルから本番までの間に変化した点もあって、それがこの写真。

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かしやま君、ステージに間接照明が置かれた以外は真っ暗な教室の中で自力でカーテンを開けて窓辺での表現。
「やろうと思っています」と聞いた時は「タキシード仮面か」と思わず突っ込んだものの、いざやってみると効果的な演出だったようで流石演出家。

今回は「通学路」という作品だったのだけれども、各々の通学路の記憶が入り混じって一つになるっていう事を意図していたようで、実際僕にも「舟橋さんの通学路の記憶を音で表現して下さい」という依頼を受けていた。
けれどもいざ自分の通学路の記憶を辿ると記憶はあるもののいまいち実感がない。
というわけで音楽的な効果と自分の表現意図の着地点として、終盤に金森君がギターとエフェクターを使って組み上げたループ・トラックにベースギターのフィードバックノイズを被せるという表現を行った。
一音もピッキングせずにライブを終えたのは、間違いなく生まれて初めての事。やってみるとなかなか難しかったけれども、どこか空気感を含んだベースビッグマフとベースアンプの間で発生するフィードバックノイズは豊潤なものとなった。・・・制御が難しかったけれども。ここは要練習。
終盤で客席にお客さんに混じって座っていた参加メンバーが一斉にそれぞれの通学路について一人芝居を始めるくだり、孤独部らしい空間をフルに使った演出だったと思う。

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孤独部参加メンバーで集合写真。僕、疲れた顔してるな・・・。
あと金森君、目閉じちゃってるよ。

終演後は機材の撤収、そして普段から比べるとずっと早い時間から開始の打ち上げ。
満ち足りた時間だった。
最後にもう一度。主催の御三方、お疲れ様でした。有難う。

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