『想定外』のライブに出た話。

「もしもーし」
『あ、舟橋君?お疲れ様ですぅ』
「あ、小野君お疲れ様です」
『実はちょっと相談があってね...』

先日14日(何ともう10日前になる。なかなかハイペース更新が出来ず日々を取りこぼしつづけてるな、俺)、京都VOXhallでのパイプカツトマミヰズ『SHINE』リリースパーティーの『想定外』はこんな電話でのやりとりから始まった。
公演も数日後に迫った、本当に直前の事である。話を聞くとももいろクローバーZと同じ事務所の弟分のグループが日本縦断の旅をしているそうでその中でこの日VOXhallで演奏がしたい、と。急な申し入れなのでO.Aでどうだろうか、と。
恥ずかしながら、僕はそのグループを知らなかった。
「どんなグループなの?」という問いに対してブッキングマネージャー小野君はとんでもない事を言い出した。
曰く「SNSのフォロワーはウン万人(実際は9万人)」「単独公演は武道館で行い成功を収めている」。え、何だいそれ。そんなグループがO.Aだって?
呆気にとられたまま、それでもその話に対して何の疑問も抱かず「わかったよ、メンバーに伝えるよ」と電話を切ったのはひとえに僕が現実を理解出来ていなかったからに他ならない。
だって、どう考えたって規模で言ったら僕らがO.Aだろ、そんなの。

状況はどんどんとんでもない事になっていった。
当日、VOXhallに到着すると前の通りは長蛇の行列。入場整理券配布を待つお客さんの列だった。何だかとんでもない事になってしまったなぁと思った。それでも「まあいつも通りやるだけだ」とデンと構えていた。
リハーサル後、件のグループ DISH//の皆さんにご挨拶する。感覚で言ったら芸能人に挨拶する、みたいな感じで「怖い人達だったらどうしよう」と思っていたのだけれどもとてもとても丁寧な人達だった。そりゃあ第一線で活躍されてるんだもの、ちゃんとしていないわけがないのだけれども、それでもそれを上回る爽やかさと丁寧さで完全に敵うわけがない、と思った。同じ人類男性とは思えなかった。いやはや。

正直、DISH//のお客さんは彼らの演奏が終わったらすぐに帰ってしまうと思っていた。そういうもんだろう、と。
だけれども現実は違った。DISH//のMC中の事である。
「今日はパイプカツトマミヰズさんのリリースパーティーだから最後まで楽しんでいけよォォォォォッ!」
我が耳を疑った。あんな人達が「パイプカツトマミヰズ」だなんて口にして良い言葉だろうか。しかも最後まで楽しんでいけ、と。ああ、天使か。聖人か。
ここまででも十分に『想定外』だったのだがここからもますます『想定外』。
DISH//の演奏後(ちなみにとても素晴らしいライブだった。ステージ上の熱量とお客さんの熱量に垣根がなかった)、会場を覗いてみると実に8割以上のお客さんがそのままライブハウスに残っていたのだった。

いやー大いにはしゃいで演奏しましたよね。
お客さんのリアクションも凄く良いの。曲を演奏中は「ポカーン」とされてる方が多かったのだけれども、それでも興味がない無視してるとかそういうのとは違くて。中には楽しそうに踊っている(!)方まで見えてこれも『想定外』だった。
少なくはない方々に楽しんで頂いたようで本当に嬉しい。ますます頑張ろうと素直に思った。

音楽に垣根はないし優劣もない、ジャンル等素晴らしいものの前にはさして意味がない、とは口では言うものの自分の内心のどこかにあった屈折した感情を曝け出されて浄化された気分だった。

2017_05_24_001
終演後、皆さんと。写真掲載がまずくない事を祈るばかり、だ。

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