おうち時間の過ごし方と近頃の『外』食について。

遂に我が職場でも時間短縮勤務が始まった。
いつもより遅く出勤していつもより早く家に帰るのは、少し前までの生活リズムに慣れてしまった側からすると違和感が少しだけあるのだけれど、いずれ元に戻るものであるわけだから折角なら楽しもう、じゃないけれどこの環境を有難く受け止める事にした。
朝は少しだけ家事をして家を出、早く帰って家族と過ごす。状況こそ不穏だけれどもよく考えれば有難い事ではある。

一連のコロナ騒動が始まって休日に自由気ままに外出する事が出来なくなり、家でじっとする事が苦手な僕は参ってしまっていた。バンド活動が主な趣味で、では自宅にてコツコツ楽しめる余暇の過ごし方には何があるのかというと映画鑑賞(余談だが最近はNetflixで『キングダム』というNetflix製作のドラマを楽しんでいる。韓流大河ドラマmeetsゾンビ、という趣の作品でこれがゾンビものとしても優れているし連続ドラマとしても展開が早くて飽きない)くらいしか一人の時間の過ごし方が思いつかない僕みたいなのは、途端にアウトプット欲が満たされていない事に辟易してしまうのであった。
レジンアクセサリー製作に楽しそうに勤しむ妻を見て、自宅でコツコツと楽しい時間を積み重ねる事が出来る趣味を見つけた人間の眩しさを勝手に感じてしまっていたのだけれど、数日前に前回行った白線の内側のオンライン会議にて製作決定したリレー音源の自分の番が回ってきていざ作業に入ると楽しくて没頭してしまった。なんだよ、俺にもあるじゃんコツコツやって楽しい事!とまあ言ってしまえば再認識出来たわけなんだけれども、いやはやこういう環境になると本当に買っておいて良かったなオーディオインターフェース。

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今まで貰ったデモにベースを録音して送り返してアレンジの参考にして貰う、というような言わばメモ書き程度にしか使っていなかったのだけれど、今回のような環境になると「ちゃんと録音しようと思えば出来てしまう」ような機材を買っておいた事がこんなにプラスに働くとは思ってもみなかった。ずっと人と直接会って音楽を演奏してきた僕からすればデータのやり取りってあくまでメインではなくて差し向かいで行う演奏のための下準備ではあったのだけど、まさか会って人と演奏する事自体がリスクを負う事になるだなんて思ってもみなかったもんな。だからといって、じゃあ自宅での環境をもっと整えましょうとは今のところなっていないのだけど。
しかし狭い自室であーでもないこーでもないと音楽に向き合う行為が今現在の状況に於いてポジティヴな行為であり自己研鑽であり自分のバランスを正しく保つ為に有益な行為である事は間違いがなく、なので僕は一緒にやったら楽しそうな人達に声をかけて一緒に音楽を作る事にしたのであった。公開するとか人に披露するとか全く考えていないけれど、折角なのでこの時間が沢山出来た間にやってみようじゃないかと思う。きっと楽しいはずだ。

余暇の過ごし方が定まってきたので生活にも張り合いが出てきたのだけれど、さて日々の中で結構な比重を占める食についてはどうしたもんかと思っていた。
自炊する事は楽しいし精神的にも健全な作用をもたらしてくれるので非常に結構なのだが、やっぱり週末とかついついはしゃいでしまう日なんかは外でパーっとやりたくなったり体に悪そうなジャンクな味を求めてしまう。これが僕だけなら我慢すれば良いのだが、たまに妻もそういう日があるようで、こうなるとじゃあ夫婦ともにそういう「家の外の味」が嫌いではないのだねという事だが、しかし食べ歩きだなんてもっての他。
スーパーに買い出しに出た時に惣菜売り場で買い物をしてお茶を濁したりテイクアウトしていたのだけど、それでもやっぱりとってもジャンクなものを食べたくなったりは、する。
昨夜は急に二郎系のラーメンが食べたくなり、しかし今の状況に加えて年端もいかない娘もいるのでじゃあコンビニでそれらしいものを買って食しましょうとあいなった。
結構あるものだ、二郎系のラーメン。電子レンジでチンして食べてみると、うん、悪くない。「そういうの」を欲していたのが満たされた。

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と思っていたけどやっぱり本物は違った。
SNSで名古屋が誇る極太濁流ラーメン「らけいこ」がテイクアウトをやっていると知ってその数時間後にはテイクアウトのためにお店に行ってしまった。茹で方も店員さんが親切に教えて下さった。見た目こそ強面ではあったけれども優しい人で安心。開店直後に行ったからか「SNSで見たんですか」と声をかけて下さった。見た目で判断してごめんなさい。
で、麺とビニール袋に入ったスープ(これはそのまま湯煎で温めると脂分も自然と溶けて丼に移す時に具合が良い)と野菜とメンマと豚。一式揃っておりもう持ち帰って麺を茹でてスープを温めて野菜をザッと湯通しすれば簡単に出来上がってしまう。あ、ニンニクは店を後にした後にその存在に気がついて、店員さんに言えばくれたのかもしれないけれど拙宅の場合は生ニンニクを刻んで入れた。百円ショップでも国産のニンニクが買えたので驚きである。
で、出来上がった一杯を一口頬張った瞬間に「あ、らけいこだ…!」となるので凄い。完全にいつか食べたらけいこのあの味なのである。もう貪るように食べた。だけどその場所は自宅だもんだから頭がバグる。口の中と実際の居場所に乖離が生じて変な気持ちになった。
あっという間に平らげて「気持ち良い…」と食後の多幸感もやっぱりちゃんと実店舗で食べた時と同じようにあるのであった。
週に一回食べたいぞ、らけいこのテイクアウト…。

なんだかんだ、新型コロナウイルスで一変してしまった毎日に対抗する、ではなくて受け入れつつ状況の変化に適応しようとして、それなりに成功しているように思う。
あとはサウナだけだ。

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