まさしく『弾かされる』リバーブペダル。


『ライブで使う予定もペダルボードに毎回のように仕込んで持ち出すような機会もないけれど確実に手に入れておかなければならないリバーブペダル』というものが世の中には存在する。
舟橋お気に入り、というか『ここのペダルで手持ちでないものは手頃な価格であれば必ず手に入れるようにしているブランド』(実際最近もこれ買った)代表格のEarthQuakerDevicesのTransmisserはまさしくそういったリバーブペダルだ。
事実、手に入れてからというものライブで使ったりはしていないと思うのだが、それでも時折自室で自分のベースギターにこれをカマしてはその幽玄なる世界に浸っているのである。
ペダル固有の音が出る、という意味では120点。最高のペダルの一台だろう。

購入したのがいつ頃だったか記憶が定かでない。
遥か昔に新品を試奏、その独特さに心奪われるもその時は持ち合わせがなかったために購入を見送り、いつか出会いがないだろうかとかまえていたところ生産完了になってしまったと知った。
そうなってくると、中古市場で価格が少しずつ上がっていく事も懸念されたので買える間に買ってしまおう、と比較的手頃な価格で中古のブツを入手したと記憶している。

レゾナントリバーブと謳われている本機だが、もう完全にこの世ならざる音がする。
自然なリバーブの対極にある超不自然なリバーブサウンド。常に発振、そんな音にモジュレーションがかかったような響きを内包する超長い残響が響き渡るのがこのペダルの特徴である。
Decay=残響の長さ(Warpの長さに滅茶苦茶影響受ける)、Darkness=残響音の明るさ(右に回す程に明るくなる)、Freq=リバーブシグナルが通過するローパスフィルターの設定(ここをぐりぐり動かすと感覚的に発振音の高さが変わる)、Warp=フィルターの深さ(音のキャラクター(深さとか広さとか)が滅茶苦茶変わる。右に回す程タイトになる)、Rate=モジュレーションの速度、MIX=リバーブシグナルの大きさ、という感じに各種コントロールがあるのだが、それぞれ(特にDecayとFreqとWarp)が関わり合っているので変な物言いになってしまうが、どうも説明と実際に触った感覚が完全に合致しない。
あまり音を細かく追い込んでいってここぞという時に使うというよりかは、音を出しながらツマミをぐりぐりいじって音の変化に耳を傾けて楽しむのが正解な気がしている。

もうこれ一発オンにして白玉弾くだけで世界観が出るというか、何ならサイレンが鳴り響く街で霧の向こうから化け物が的な世界観だったり家具としての音楽みたいなところを目指す上でも良い相棒になるのでは、と思った。
こういう、リバーブペダルなのに物凄く主張が強いペダルは大好物だ。
リバーブペダルなのに、という言い方も変だけれどもね。