サイクリング、面接、福山雅治。

サイクリングの醍醐味は「どこかへ行く」の「どこか」の部分ではなく「行く」の部分にあるというのが持論。
お気に入りの自転車に跨ってペダルを漕ぐ行為そのものに目的がある。この一見、手段が目的であるという矛盾した発想がその実サイクリングを楽しむ上では根っこの部分で大事な事になっており、それがただの自転車移動をサイクリングたらしめる大きな要因だと思うのだ。
というわけで土曜日はstudio penne君(今やバンドメンバーとなった彼のwebはとても感じが良い。本当に、とても良い。ナイスセンス、だと思う)と大須→港区買取王国→名古屋ベイシティ→外資系大型玩具店→カインズホーム ブックオフバザールと大体そうだな、15kmくらいは自転車を漕いだ。ひょっとしたら、もっと。「リサイクルショップを巡る」という目的を据えた上でああでもないこうでもない言いながら寒空の下、移動行為を楽しむ。
結局買い物なんて僕は何一つせずに、studio penne君も漫画を二冊買っただけだった。
「次に行くリサイクルショップには何があるかな」なんて言いながらペダルをジャコジャコ漕いで移動する。
「車の中は移動する密室である」と言ったのは後藤喜一第二小隊隊長(機動警察パトレイバー)だったか。移動しながらだとオープンな自転車でも変にかしこまらずに話せる。ちょっと普段ではなかなかしないような、込み入ったというか繊細な話とかもしながら(そりゃあ僕達も良い年なので)、移動した。
普段は車移動の印象が強いstudio penne君もサイクリングを楽しんだようで何よりだった。長時間サドルに座って、お尻が痛いと言っていたけれども。
明け方まで映画を二本観て就寝。月額約千円で映画見放題って最高じゃないか。

昼頃起床。
仕事の関係で面接試験が入っていたので慣れないスーツ(体格がほぼ同じな課長が貸して下さった。自分所有のものはサイズが大き過ぎるのです)に身を包み、髪の毛もパリッと固め面接会場の支社へ。
三人待ちの廊下の、僕は何と三番目。前の二人がうまく喋ったり良い感じに人柄を発揮しているのをなんとなく声だけで聞きながら兎に角緊張する。
言ってもなかなか信用して貰えないのだけれど、基本的にはアガリ症で人前で自分の考えを話すのは得意ではない。ましてや面接試験なんて!心がボッキボキに折れそうになるのから必死に目を逸らして、どうにか退室。自分の不甲斐なさに畜生畜生次は次こそは、と口の中でブツブツ言いながら帰宅。
ヘアムースをシャワーで洗い流して、予定していた友人と出掛けた。
日付が変わるまで大いに遊んで帰宅。そして今、だ。

ドキュメンタリー番組で福山雅治が言っていた「ものづくりをする時は基本的に精神はアマチュアだ」という言葉にハッとなる。プロだから、これがお金になるから、とかではなくてそのものづくり自体が「楽しいから」というある種アマチュアの心意気で出来るか、という事。「表現が手段であってはいけない、表現は目的でなければいけない」というのは、意味が重なる。大変、刺激を受ける。
明日からまた一週間が始まる。
人生の刺激は、自分自身でどんどんと自分の進路上に置いていかねばならない。転がり込んでくるのを待つよりは、建設的だ。


スーツ姿、しかめっつらの私。

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