大丸ラーメン、閉店延期の報を聞いて。

現在午前6時過ぎ。今池は大丸ラーメンから帰宅して、そのままの勢いでPCのキーボードを叩いています。
今の自分の気持ち、そして先程深夜の今池で過ごしたかけがえのない時間は是非とも記録しておきたい。その一心です。

昨日の夕方頃「今夜は大丸に行こう」、そう決めた。月曜の夜だし、最近続いている目の当たりにするだけで心折れる行列も月曜の夜ならば或いは少しは短いかもしれない。閉店が決まってからの同好の皆さんの大丸ラーメンに賭ける情熱は素晴らしく、連日長蛇の列が続いており店の前まで赴くも行列を眺めて満足、そのまま帰宅するか松屋さんで定食を食べる、という事が続いていた自分にとっては少しでも入店の可能性を高めておきたかったのだ。

で、ご近所さんである友人を誘って三時半頃自宅を出発、大丸ラーメンへ向かった。
twitterのタイムラインをチェックしていたのでわかっていた事だけれども、店の前まで来た僕が見たのは10数名の行列と、その中の見知った顔、顔、顔。大好きな店の前で友人達に会うというのはまた格別な気分である。
列の最後尾は今池HUCK FINN クロさんと下平さん。最近特に大丸ラーメンに対する情熱を燃やす機会をご一緒させて頂く事の多いお二人の後ろ、というのも胸躍るスパイスの一つである。

で、待つ事1時間半と少し。
涙腺が開くのを感じながら、入店。
今宵の大橋店長はエプロン脱着の肌着スタイル。お久しぶりの対面にまた涙腺が開く。嗚呼、僕は本当にただただ貴方に会いたくて、貴方の作る一杯が食べたくて幾つもの夜をここで過ごしてきたのです。今夜、貴方に会えて本当に良かった。もうお会い出来ないまま閉店のその日を迎えるかと半ば覚悟していただけに感慨もひとしおである。
久しぶりの店内を眺めて、先日僕達が燃やし上げた大丸ラーメンへの情熱は確かに間違っていなかった、何であるにしても一つの形として結実したものだったと再認識。
50年に亘って丼が置かれ塗装が剥げたカウンターも、様々な匂いが染み込んだ店内も、そしてカウンターの向こうにいらっしゃる大橋隆雄さんその人も、今夜は全てが輝いて見えた。

数日前からtwitter上で愛好家達を騒がせているツイートがあった。その内容を要約すると、即ち「大丸ラーメン、閉店延期」。
正直、最初に見た時は疑ってかかっていた。むしろ半ば誤情報であると断じていた。そんな奇跡のような、そんな期待を煽るような、そして誤りであった場合大いに失望させられるようなそんな素敵な事が起こるはずがない。信じてたまるか。裏切られてたまるか。
果たして、僕は間違っていた。

「大橋さん大橋さん、閉店延期って本当ですか」
「はい大家さんがまだやっていいって仰られるもんですから」
「え!閉店が伸びるって事ですか」
「大家さんが一ヶ月(ビルの取り壊しを)延ばしてくだぁさったもんで。まだ一ヶ月やれるです」
「!!!!!!!!!!!!!」

その瞬間、頭の中が真っ白になる。その後、言葉を変えて確認するも、どうやら本当に大丸ラーメンの閉店は先延ばしになったそうだ。ビルの取り壊しも延期になったとの事。いつ閉店するかは大家さん次第という事だ。
万歳!!!!!!!

その後供された一杯は、麺の茹で具合、野菜の湯通し具合、肉の味の濃さ、量、スープの味わい深さといい極めて上質でありながらスタンダード、何ならこの一杯が食い納めでも良いと思える程美味かった。
そして紛れもなく、希望の味がした。

大丸ラーメンの閉店は延期されたのだ。
何度かはあの愛情に溢れた一杯を食らう機会が増えた事となる。
今池の夜はまだまだ終わらない。

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