大丸ラーメン「最後の日」の話。

壮絶なる大丸での夜の約24時間後、僕は再び大丸ラーメンの前にいた。
夜勤先から50メートルも離れていない大丸ラーメン、夜勤終了直後に様子を観に行くと準備も終盤、そして並びも少ない。友人達も待ち構えている。
急いで帰宅、準備をして大丸ラーメンへ戻る。途中でホストを引き殺しそうになり、逆にタクシーに引かれそうになりながらも大丸到着、その間10分も経っていないだろう。
列は増えていない。よっしゃ!
無事に開店、期待に胸を膨らませながら入店する事が出来た。僕の前にも後ろにも(列は僕が並んだちょっと後から続々と伸び出した)前夜、あの夜を共にした見た顔がちらほら散見出来る。名前も知らない同好の士だが、僕は心の中で「やったな!」と彼らと共に快哉を叫んだ。

入店すると大橋大将、上機嫌。この人、本当に入店前後で人柄が豹変するように飴と鞭を使い分けている。入店前はあんなに怖いし神経質そうなのにいざ入店するとサービス精神旺盛の、優しい大将に早変わり、だ。
この日も上機嫌で一面を飾った毎日新聞(毎日新聞の方が届けに来られていた)を色々な人に「お店の中の人皆に聞こえるように読み上げてあげて」とお願いしていて、光栄にも僕もその役目を仰せつかった。

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それにしてもこの日のもやしもキャベツも練り物も肉も勿論麺もスープもしっかりきっちり入った一杯は凄く美味しかったなあ。初めてきた夜は食いきれずに面食らってしまって麺食えなかったんだよな。
感謝の一杯。いつも通りに食べて、いつも通りに店を後にする。

翌日11月30日は大丸ラーメン最後の日。
この日だけは絶対に意地でも朝まで残って大丸ラーメン閉店の最後の瞬間をこの目でしかと見届けよう、と気合が入っていた。
普段通り1時頃から並び出すも、「散らし」からの「かくれんぼ」と数日前と同じ流れ。おまけにこの日は酔っ払った方が何度も準備中の大橋さんのところへ寄って行って大橋さんがそれに応対、どんどんどんどん膠着状態が伸びていくというおまけ付。
友人宅にて一時退避して、時間潰しには最高の友達「桃太郎電鉄」に興じて数時間後、再び大丸へ。
結論から言うと、それがいけなかったのだろう。この日は目の前で大橋さんから閉店宣言。しかし最後の瞬間を見る事が目的の僕からすると食べられなかった無念よりも、終わってしまったんだという事実への処理のしようのない感情の方が大きかった。
感謝、寂しさ、虚無感、今後どうすればいいんだという不安。
…そのやり場のない感情は、翌日意外な形で覆される事になる。

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