妻、骨折す。

6月14日の事である。
会社で仕事をしていると電話が鳴った。僕はたまたま別の業務をしていたので上司が電話に出た。少しのやり取りの後、上司が電話の子機を差し出しながら「舟橋君、奥様からお電話だよ」。

仕事中に配偶者が会社宛に電話をしてくるのは、何かあった時である。
記憶が確かであれば過去に妻が会社に電話をしてきた時は4回。最初は妻が腹痛で病院に担ぎ込まれた時であった。今だから書けるのだが、妊娠発覚初期だったので僕も電話の向こうの妻も血相を変え、慌てふためいた。電話を切ると当時の上司が「舟橋君、すぐに行きなさい」と送り出して下さった(こういう時の上司の頼もしさというのは一生心に残ると今我が身を振り返って思う。送り出す側、に回った時は相手に負担をかけずに送り出したいなと思う)。その時は結局、腸炎という事で妊娠には影響はなかった。
2回目は娘の発熱、3回目は娘のコロナ罹患、そして4回目は妻のコロナ罹患だったと記憶している。今回は一体どうしたのか。
電話口に出ると受話器越しの妻の口調は割と明るめ、というか物凄い切迫した事態という雰囲気でもなく、娘に何かあったとかそういうわけではなさそうでとりあえず安心する事が出来た。
話を聞く。

妻、仕事中に転んで膝を打ち、歩けなくなってしまったらしい。パンパンに腫れているので骨折しているのではないかという事でこれから病院に運び込まれるところだという。
とりあえず僕の定時まであと30分程だったので上司に事情を話し、定時ダッシュする事に。同時に実家に電話をし、娘のお迎えと僕が駆けつけるまでの妻への対応を依頼する。こういう時、頼れる実家で本当に良かったと感謝しきりである。

妻が運び込まれたのは我が家から程近い整形外科クリニック。
幸いにして自宅から徒歩圏内なので自宅によって仕事の荷物を玄関に放り込み、すぐさま家を出る。
病院に駆けつけ、娘と両親が待合室にいたので様子を訊くと妻はまだ診察して頂いている最中との事。
結構腫れているようなので(骨折してるかもなあ)と何となく思う。娘は不安そうな様子であるが「ママが足を怪我してたら助けてあげようね」と声をかけると「うん!」と即答。気立の優しい娘で本当に感激。

診察を終え、妻と結果を訊く。
やはり骨折しているそうだ。幸にして手術をする程の骨折ではないけれども、全治3ヶ月。足の後ろ半分を覆うギプスをつけて、妻の松葉杖生活が始まった。

家族として配偶者として、出来る事を全部やるつもりだ。
幸いにして平日は割と娘のお迎えや晩御飯の用意、入浴等々担当する事が多いのでその辺りは慣れている。
あとは怪我をしている妻のケアと、妻の身の回りのお世話だ。
いやーしかし、不幸中の幸いだ。ぶつけたのが足で良かった。頭とか顔とかだったらもっとおおごとになっていた。
妻の運の良さに感謝。


少し前にはこんなノリノリでムダ毛処理をしていた妻(サングラスなのは機械が物凄い勢いで発光するからである)だが


こうなった。
安静にして、回復に向かって頂きたい。