愛しき我が宿敵よ

続・我が逃走

バンドマンには、「ゴジラVSメカゴジラ」(平成版)のキャッチコピーではないが「お前だけには絶対負けない!」とライバル視する存在が必ず一人はいるものである。それは同時期にバンドを始めた友人かもしれないし、日夜活動を重ねていく中、ライブハウスで出会った共演者かもしれない。或いは「一番の敵は自分自身」という実にストイックな思想をお持ちの向きもおられるかもしれない。

何にせよ、バンドマンが己が存在意義を賭けて強烈に意識せざるを得ない存在というものが、存在する。

僕の場合、それは遠く離れた東で生活する、同じ名の一人のベーシストであった。彼と出会って数年になろうか、それでいて闘争本能をくすぐられる存在だ。僕はありとあらゆる手を使って彼に闘いを挑んできた。対バン(余談だが、対バンって「対決!バンド合戦!」の略だと思う)は勿論、対談、そしてベーシストとしては課外活動的な要素は否めないが、犬丸ラーメンでも闘いを挑んだ。それでも闘争本能は消えぬ。恐らく僕は今後も彼を強烈に意識するだろう。「こんな時、あいつならどうする」「あいつはこんなのではめげやしない」「ここで終わってはあいつに勝てない」「俺を組み倒し得るのはあいつだけだ」。そうして、僕は自分を奮い立たせてきた。そんな時もあった。

そんな彼に、僕の記念碑的な活動に参加して貰った。詳細はまた改めて。

その際、嗚呼我が愛しき宿敵よ、君はまた僕の頬を張ったね。自分が、邁進していると思い込んでいた自分が少なからず日和っていたと思い知らされる程衝撃的な事は、ない。しかしそれが一番の起爆剤となるのだ。

宿敵よ、感謝する。君のお陰で僕はまだまだ闘い続けられそうだ。

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