有事の際の危機管理。

タイトルは物々しいけれど書く内容は結局今日のライブの事だ。

今回のライブは盟友(と勝手に思っているバンド)Qucumbersと一緒だった。個人的に今まで幾度か共演した事はあれど、不完全で対バンするのは初めて。不完全一同好きなQucumbersという事もあってメンバーもそれぞれフロアで楽しんでいた様子。
何か泣きそうになってしまったよ。本人達は何て言うかわからないけれど、感情のこもった音楽を丁寧に丁寧に鳴らしていた。ボーカルギター位田くんの笑顔が非常に印象的で、それがバンドの暖かい空気を端的に表していた。
染み入ってくる音で好きな曲を梅酒の水割り片手に飲む「贅沢」。あんなにいいライブを観せられたらこちらも必要以上にやる気でやるしかないじゃあないか。

というわけで意気込んで出陣。感情的になりつつも冷静に周りが何をしているか把握しながら演奏する。と言えたらいいのだけど実際はまだまだだ。現状の僕に出来る事は反射神経で音を鳴らす事。少しずつ他のメンバーの事を考え、鼓舞したり援護射撃をかましながら演奏できるようになっていきたい。

最後の曲、最後の最後で上手ギター各務鉄平の音が出なくなる。突然の機材トラブル。ライブという何が起きてもおかしくない状況で有事の際があるとしたらこんな瞬間だ。どうするのか、と心配する間もなく各務鉄平は動き出した。とり憑かれたように、手負いの獣が暴れまわるかのようにステージ上を転げ回り、体でフラストレーションを表現する。とその瞬間、ベースの音も出なくなった。どうやら各務くんに引っ掛かってシールドが抜けてしまったらしい。

ステージ脇に駆け出して、前回公演で使用した首から下げるライトと頭にくくりつける懐中電灯を装着してステージに舞い戻る。ライトを灯してフロアへ飛び込んだ。

あれがベストだったかはわからない。だが少なくとも予防策で備えてもなお発生してしまったあの機材トラブルに対処するのに「最悪ではなかった」選択肢だったのではないかと思う。

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