09年を振り返る

2009年もいよいよ終わりである。

今年は実に多くの著名人が亡くなった年だった。09年を漢字一文字で表すならば『死』であると断言する友人もいる程で、多くの演奏家、バンドマンが逝ってしまった今年を振り返るとつい頷きたくもなる。

ではパーソナルな範囲で今年一年はどうだったか。

09年1月1日のエントリーを振り返ってみる。今から約一年前の僕は何を思って09年を始めようとしていたのか。

去年の大晦日、新栄CLUB R&Rカウントダウンパーティーでのザ・フロイトのライブ写真と共に大晦日のライブや、今年一年の抱負等が書いてある。09年一番様々な瞬間を共有する事になっただけに、この日にザ・フロイトの写真を使うというのは実に暗示的だ。

で、舟橋「今年は不完全密室殺人、西へ東へ出来るだけ演奏しにいきます。新曲も作るし練習して上手くなります云々」と書いている。

まさかその数ヵ月後に活動休止(笑)する事になるとはこの段階では想像もしていなかったし、もっと言えば活動休止から数ヶ月で活動再開するとも思っていなかった。嗚呼、本当に生き物のようなバンドだ。少し先の事すらもわからない。

そう、不完全密室殺人で言えば今年は

活動休止

サポートヴォーカルのまま出発した関西ツアー

活動休止

ニコニコ生放送への山田、各務、神田の出演

コダマ09への出演、そして活動再開

ザ・フロイトとの合同ツアー

ザ・フロイトとの2マン『祭』大成功

コンピレーションアルバム『東京ゲリラ2』参加、そしてそれに伴うイベント出演

と実に濃密な一年を過ごした。メンバーの生活環境が変わる来年、果たして僕達にどこまでの事が出来るのか、やれるのか、やる気があるのかは4人のうちのたった一人として現状何も言えないし僕自身わからないけれども、今年一年で経験した事と言うのは忘れ難い経験であり、今後に活かせる体験ばかりだった。

バンドに関して私的なところでいうと、神田君の入籍。これは本当に喜ばしい事件だった。

破産寸前だったので課していた1000円を返して貰いに行った時である。

「そういえば今日入籍したよ」と報告を受けて書類を見せて貰ったのだった。事前に話は聞いていたものの、まさか借金の取立てに行ってそんな話を聞くとは思ってもいなかったし書類を目の当たりにすると「ああ、彼も夫になったのだ」という実感が湧いてきた。目の前でニコニコしている今や神田夫人も、その頃にはすっかり打ち解けて大切な友人の一人になっていたわけで僕は本当に嬉しかったし、祝福する気持ちが溢れ出てきたのであった。

感激屋の僕は書類を見ただけで涙腺が開きかけていたのだけれど、それは彼らの結婚式までとっておこうと思う。あの瞬間というのは09年の中でも印象深い一瞬だったなあ。

今年は活動休止や再開と、周りで見ている方々にはハラハラさせてしまう一年になったかと思います。申し訳ない、僕達は主要メンバー4人全員を尊重したいと考えています。誰か一人でも生活環境やモチベーションに変化をきたしたならば、それを尊重してサックリと活動休止してしまいます。替え玉は利かないのです。決まっている公演に穴を開けたくないがために素晴らしい友人や表現者の方々の力を借りる事は多々あったけれども、4人ありきという姿勢、そしてそれぞれの生活に根ざした活動ペースこそがこのバンドには合っていると確信しています。ごめんなさい、これからもハラハラして下さい。

09年はJONNYにも本格的に参加する事になった一年だった。

去年の大晦日が名古屋での初めての演奏だったわけで、それまで遠征要員だった僕は前任のなおきんぐ君と入れ替わるようにJONNYのサポートベーシストに収まったのであった。

正直、スムーズに切り替わったわけではない。やっている側としても試行錯誤の連続で、模索の連続であったし、何であれば今なお規模やベクトルは違えどそれは続いていると言っても過言ではないだろう。

結成以来5年間の年月というのは、それだけ積み重ねてきたものがあって、沢山の人に愛されているという証拠でもあるわけなのだから。先日のクリスマスパーティーの打ち上げ会場で、皆が盛り上がっている中、テーブルの隅でフッと一息ついた僕と偶々隣にいた佐藤さんで少しの時間だけど話をする事が出来た。

こうして一年ベースを弾いているわけだけれども、本当に印象深い。僕は未だにJONNYからサポート依頼があった瞬間の事を憶えている。全ては縁だよね云々。佐藤さんのパブリック・イメージというのは完全にヒール、酒乱、そして面倒臭い人かもしれないけれどもこの一年であの人が如何に誠実で友情に厚いかというのがよく理解出来た。

TOWER RECORDにCDが並んだのも忘れ難い経験だ。これは一生忘れられないだろう。

それ以外にも様々な経験を『ほぼメンバー』としてJONNYではした。色々な場所へ行き、色々なバンドと共演して色々な感情を抱いたわけなのだが、ONE BY ONE RECORDS柴山社長、バンドに近しいお世話になっているバンドマン、関係者の方々、そして一部のお客さんにもちょくちょく訊かれてきたバンドに対する僕の真意をお見せする時が近づいてきています。

それと同時に2010年、新しいバンドへ参加する事も決まっている。明日になったら、日付が変わって年が明けたら話していいよ、とメンバーからは言われているので近々そのバンドもご紹介出来るかと。

メインサポートになるかはまだ未定だけれど、少しずつ感性を摺り合わせていっているバンドもあったりと2010年はますます忙しくなりそうだ。

もう兎に角頑張る!

さようなら2009年、こんにちは2010年!

コメント