Reverb.comで買ったよEarthQuakerDevices DirtTransmitter!の巻。


Reverb.comを通じてカナダ在住、ベーシストのエリック氏からペダルを購入した事は以前日記に書いた。
しかして肝心の何を買ったか、を書いていなかった。
こういうところが詰めが甘いのである。

というわけで、ずっと探して探して探していたEarthQuakerDevices DirtTransmitterである。
実はこのファズペダル、行きつけの中古ペダル屋が閉店を経て後に営業を再開した折にデザイン違いの初期型を弾いた事があった。価格的にもかなりお手頃だっだと記憶しているのだが、当時は今よりも台所事情が悪く持ち合わせがなかったがために購入を見送ってしまっていた。舟橋家の家計は主に僕の仕事を理由として切迫していた時期があり、その頃の事を思い返すと未だに「よくぞやりきったなぁ」と安堵の声を漏らしてしまう程。このペダルはそんなあの頃の焦燥感を少しだけ、思い起こさせる。
無理して初期型のものを買っていたとて、僕は後に出回るようになった筐体の方がデザイン的に好みだったのでやはり同じ買い物をしたような気がしないでもないのだが、まあそれはそれとして。

そもそもこのファズペダルを探し求めるようになったのは「中古で手持ちにないモデルを見つけたら全部買っていくと心に決めているブランド」EarthQuakerDevicesのファズラインナップの中で、tera melosのnathan latona氏が足元にこれを据えているという事で特に注目したのであった。試奏した事で「あーやっぱりベースでも良いんだな」と確信を深め、そしてその美しい黒と鮮やかな緑色の筐体に心奪われてしまったのである。
だが、中古市場を探してもなかなかない。某オークションサイトで初期型のものを競り合った事があるが、自分の中で「初期型ならここまで出せる」という価格を遥かに超える金額まで落札額は跳ね上がっていった。
やはりブランド自体が多くの人の興味を刺激しているのであろう。

本機、改めて弾いてみるとEQDらしい原音への気配り、そして意外にも良い意味で古臭く野暮ったい(褒めてるつもり、なのだ)ファズサウンドがとても良い。
Biasコントロールを反時計回りに回していくと音がブチブチ切れて所謂、ベロクロ系の歪み方をしてくれる。原語サイトの説明を読んでいるとどうも時計でいう2時くらいがBiasとしては「偏っていない」状態であるらしい。
Biasコントロール出来るファズといえばこんなのも持ってたな。
dirtコントロールはフルアップしたとてグッチャグチャになるでもなく、高域の歪み具合のエッヂがどんどんたってくるようなイメージ。「dirt」というコントロール名からすると意外に感じるが、半時計周りに回しきる、つまりゼロの状態でも結構歪んでいる。ビリビリジリジリした歪み方で同ブランドのHizumitasなんかをイメージしていると良い意味で裏切られる効き方をする。toneはビッグマフみたいに反時計回りにすると低域がグッと出てくるようなものでもなく、シンプルに高域の調整。反時計回りに回すと馴染みやすいというかまろやかな風合いになる。僕は割と半時計周りに回しきっちゃった方が好きだなあ。
ボリュームについて。ファズ、というか歪みモノを使う時に音量感って割と大切なんじゃないかと僕は思うのだけれども、本機はペダルとしての音量は「爆音使用!」というわけではなくコントロールしやすい幅がちゃんととってある。
この辺はシビア過ぎてもセッティングの時にしんどいので、割と助かる。ツマミの1mm、2mmに一喜一憂する余裕がない時はライブに於いてザラであるからして。

というわけでなかなか扱いやすそうなペダルなのだが、いまいち僕のシステムの中だと低域の一番下の方がちょっと削げているように感じてしまうので、このままだと厳しいものがある。もうちょいセッティングを詰めてみるか、ブレンダーで低域だけ足してやるような信号経路を作ってあげれば活躍出来そうであるのだが。この古き良き不良のような歪み方は使い所が沢山あるような気がしているので、ちょっと近々色々と実験してみようと思う。