EarthQuakerDevices Hizumitasについて。購入した経緯と2022年現在の思い入れ。

昨年の秋は、兎に角よくペダルを買った。
何が僕を突き動かしたのかはわからないが、自分で買ったものに触発されて更に買い、そこから見えたものを更に追求するために買い足していった。
列挙してみよう。

1.手頃なサイズのパッシヴボリュームを発見、買う→ローインピーダンス受け用に改造する。
2.行きつけの中古ペダル屋で店員氏に薦められて弾いたランダムディレイが大ヒット→買う。
3.お気に入りのブランドのコーラスペダルがフリマアプリで安く見つかる→買う。
4.ご贔屓のブランドよりファズの新作が発表→買う。
5.ファズをもう少し掘り下げてみたい気持ちになり、4.とは別の贔屓のブランドの気になっていたモデルをネットオークションで発見→買う。
6.ファズを運用する上でブレンダーは有益なのでは?→手持ちのブレンダーを改造して頂く
7.ブレンダーも折角なら、と掘り下げてみる。フリマアプリで気になっていたモデルが安価に出品されているのを発見→買う。

とまあ、よくもここまで2ヶ月に満たない時間の中でペダルにお金を費やしたものだ。
ちなみに後悔は全くない。費やしたお金と時間以上に自分の思い描くベースギターサウンドに近付いている実感の方が大きいからだ。

さて今回は4.のご贔屓のブランドが発売したファズについて。ファズは結構最近満ち足りていたのだけどEarthQuakerDevicesが新作ファズを出すと聞いて気にならないはずがなかった。
しばらくSNS上でもその動向を追いかけていたのだけど、ギターリストは勿論、ベーシスト諸兄も「これは良い」「素晴らしい」と絶賛しているのを見、羨ましくなってしまった。懇意にしている大手楽器店の店員氏に連絡すると在庫があるという。新店舗に移転したそのお店を覗きつつ、弾きに行った。

というか弾きに行った段階でもう買う事は半ば決定しているのであった。
EarthQuakerDevicesのブツならば間違いはない、というかどうせいずれ手に入れるのだからというような思いがある。それくらい入れ込んでいる。
で、いざ音を出して数分後には「これください、買います」だなんて言っていた。


素晴らしいぜ、EarthQuakerDevices Hizumitas。
浅学にしてBorisはこのペダルを通じて聴くまで知らなかったのだけれども、このペダル、Borisのバンドメンバー Wata氏のELKファズ=トライアングルマフのコピー、を扱いやすく再現したものだそう。
じゃあトライアングルマフっぽいのならこのブツで良い手応えなのは実感済みだし、絶対僕の好みじゃんと弾いてみてたまげてしまった。滅茶苦茶格好良いの、出音が。
いやファズって大抵格好良い音するじゃん、という話は別として、キメの細かい毛羽立ち具合とそのエッジの立ち方、更にはそれと同時に存在しているバイパス時と遜色ない優しい低域がそのままそこにあり、かつ耳に痛くないように「音楽的に」まとまっている感じが非常に素晴らしい。あと物凄い爆音仕様。時計でいう9時くらいで十分な音量が出るもの。

「大きな音で鳴らして欲しい」とメーカー側も言っているけれども、成程どうして、スタジオに持ち込んで大きな音量で鳴らしてみたところ、含まれている情報(音を言語で説明する時にこの単語を使うと非常に胡散臭いな、別に良いけれど)がとても多く感じた。トーンの効き方は時計回りで低域が強調、半時計周りで高域が強調。このトーンで随分と印象が変わるファズだが、半時計周りに振り切る=高域を強調したセッティングでも低域はカットされるわけではなく、そこにきちんと存在している。
とはいえ、流石に低域の聴感上の音量的なロスをなくす=バイパス時とバランスをとるために低域側で音量感を揃えてやるとなると、トーンを半時計周りに振り切った状態でそれをしようと思うと物凄い爆音セッティングになってしまうので、僕はブレンダーを通して鳴らす事にしている。トーンを時計でいう9~11時くらいに設定すればバイパス時との低域側での音量感を揃える行為もやりやすくはなるのだが、突き抜ける高域を出したい時ってあるじゃないですか。

いやー周りの愛好家も「Hizumitasはやばい」と口々に言うけれど非常によくわかる。
これ、ベーシストが運用する上でも大変良いファズペダルである。