PedalMeetingSPECIALとWestminster MICRO VOLUME(結果的にほぼ改造)

今やペダル蒐集は数少ない僕の趣味の一つだが、そんな僕がずっと楽しみにしていたのが11月3日、文化の日に清水stiffslackで開催されたPedalMeetingSPECIALだ。


これまで(過去の日記はこことかこことかこことかここ)はペダル製作のワークショップとして開催されてきたPedalMeetingだが、この日は特別版。代理店さんがブランドさんがオルタナティヴなペダルを持ち寄ってブースを開設、その場で弾く事が出来たり、あの世界でも有数の振り切ったペダルブランドM.A.S.F Pedals(Raptioは直感的に使いやすそうなグリッチペダルだなと思って買って大正解!楽しいペダルです)の愛甲さんによる楽器製作のワークショップが開催されたりとミニミニ版NAMM Show(米国で開催される世界規模の音楽製品のイベント)なの!?と言いたくなるような(NAMM Show行った事ないけどね!)、そんな大変素敵な企画なのであった。

事前に妻に「この日は清水に行かねばならぬ」と告げてあった。
お昼前から家族で名古屋博物館で開催されているムーミンコミック展を観た後、友人であるジャイアン君と2人で出掛けて行ったのであった。ムーミン展の物販コーナーで妻が(本気を出せばどこまでも欲望を満たす事が出来ただろうけれども)それなりに散財したのを見ていたので僕の良心も少し麻痺する予感はあったのだが、それでもこんな日は物欲が刺激されると後々家計的にロクでもない事になるのは明らかなのであった。
散財したくなくてもするだろう、だがせめて抵抗はしなくてはならない。
感受性を全力で殺して心を「無」にして会場に足を踏み入れた。

まず目に飛び込んできたのは大量のペダル。「うわあ」と感嘆の声を漏らしてしまったのは僕だけではない。ブースでいえば両手の指の本数もなかったはずであるが、それでも『名古屋でお目にかかるのがなかなか難しい』ペダルばかりが一定数以上集まっているのを目にするのは胸が躍った。
僕のご贔屓のEarthQuakerDevicesは国内アンバサダーであるNUMBER GIRLの中尾憲太郎さんもブースにいらっしゃり、非常にウェルカムな雰囲気であったが生来の人見知りを発揮して声をかける事は出来なかった。
というか、この日は感受性を無にしていたのでペダルもジャイアン君や現地で出会った友人が弾くのを後ろで見ている(=聴いている)だけだった。楽しみ始めたらキリがないのは自分が一番よくわかっているのだから。

しかしジャイアン君の試奏見学や代理店さんの気さくな雰囲気に呑まれてしい、つい気になるペダルについて代理店さんに声をかけてしまった。風格あるファズもブッ飛んだディレイも超絶面白いディレイも気になるブランドのフィードバックルーパーも沢山あったが、僕が気になったのはワンノブのボリュームコントローラー。Westminster EffectsのMICRO VOLUMEというブツで、今自分の足元に並べてあるパッシヴボリュームと比べても随分と小型で「あー、これあったら空いたスペースでもう一台くらいペダル置けちゃうんじゃないかな」と思ったのか運の尽きだった。代理店さんに声をかけて小売価格を聞いてみると思っていた以上に安い。
お、いいじゃんと思って半分本気半分冗談でその場で購入する事が出来るか確認すると、なんと陳列してある実機を展示品価格で販売して下さるという。こういうのはネットショップよりもその場の空気も込みで購入したい。即決して財布からお金を取り出したのであった。


隣ではジャイアン君や友人ヒラシマ君、この日はPA機器としても使えそうなリバーブを購入するか迷っていたtapiさんが「感受性を無にしたんじゃなかったんですか!」と笑っていた。
お世話になっているELECTROGRAVE 小池さんよりCULTというエフェクターショップ(オーナーは日本国内、いや世界規模でも有数のペダルコレクターである)が出しているエフェクターの写真集を購入して帰宅。


帰宅して早速MICRO VOLUMEを自分のシステムに組み込んで音出し。
しばらく弾いて気が付いた。MICRO VOLUMEはハイインピーダンス受け仕様(ギターから直接繋ぐ)で、僕がこのポジションのペダルに求めているのはローインピーダンス受け(アクティブの楽器を繋いだりエフェクターの後に繋ぐ)で駆動するボリュームコントロールなのであった。
失敗したのだ、恐らく僕の用途だとEFFECTS LOOP ATTENUATORが正しい選択であったはずだ。
場の空気にあてられて、高揚感でこの辺の選定をすっかり失念していたのであった。

幸い、これくらいの工作なら僕にも出来そうなのでMICRO VOLUMEをローインピーダンス受け用に改造する事にした。
部品を求めて大須の電気部品屋さんに向かったのだが、なかなかローインピーダンス受け用の25kのボリュームポットが売っていない。500kや250kはあるのだが。
ダメ元で某大手楽器屋へ行くと、あった!しかも唯一在庫で置いてあるボリュームポットが25k!こんなニッチな部品を有難う!運が良かった!というわけで必要な数は1つだったのだが念のため2つとも買い占めたであった。配線材とジャックも購入。


しかしこうなると結局MICRO VOLUMEなのはツマミと筐体ケースだけだな…まあ格好良いからいいか。小型化したいという願望は遠回りこそしたものの実現出来たわけだし。適度な工作欲も満たせたし、勉強代だと思えば余計にかけてしまった部品代も惜しくはない。
動作もバッチリ、ペダルボードに空きスペースを作る事が出来たのであった。

いやーエフェクター、なんでこんなに楽しいのかねえ!