鈴木実貴子ズ企画『心臓の騒音』第3弾。

2023年、初回の演奏は鈴木実貴子ズのサポートで鶴舞K.Dハポンにて。
珍しいお昼間の公演である。鈴木実貴子ズ企画『心臓の騒音』第3弾として下岡晃(Analogfish)さんとツーマン。

正午開場という事で入り時間は早め、幸いにして鶴舞K.Dハポンは自宅から自転車で行けちゃう距離感。
前日の間に妻の自転車を修理に出してあり、滅茶苦茶快適な乗り心地で復活したので上機嫌で自転車にて会場に向かう。
妻と娘よりも早起きして、何なら少し家の事も片付けての出発である。気分が良くないはずがない。

モモジさんが気を利かせて少し大きめのコンボタイプのベースアンプを出してくださったのだけれども、前回使った時の良い印象が心に残っていたのでHartkeを使う。
SBV弐号機はネックの調子こそ良いものの、初号機に比べてノイズが多い。初号機はノイズこそ少ないがネックの調子がどうもよろしくない。うまくいかないものだ。
どんなものかしらね、と弐号機をプラグインして音を出すも、やはりノイズ過多。お守り替わりにギグケースに忍ばせてあったノイズゲートを接続、事無きを得る。
リハーサルを無事に終えて、開場を待つ。
コンビニで買ったホットコーヒー、コンビニエンスストアでこんなしっかりした味わいの飲み物が買えるのかと最近少しハマっている。正午前にして既にリハーサルを終えているという非日常を噛み締めながら、ブラックコーヒーを啜る。美味い。

開場前後の事。
最近は鈴木実貴子ズのライブに頻繁に来られるお客様方にも顔を認識して頂けたのか、チラホラと声をかけて頂いたりお話させて頂いたりする機会を得るようになった。
K.Dハポンは楽屋みたいな閉鎖的な空間はないので、往来に突っ立ってぼーっとしていたらありがたい事に挨拶をして頂いたり、した。
まだ2023年も始まったばかりなので挨拶も「今年も宜しくお願いします」である。立ち話であるけれども、人と話すのは楽しい気持ちになる。
で、この日は関東からこのライブのために駆けつけられた方がいらっしゃって声をかけて下さった。
バンド編成をご覧になられるのは初めてとの事でこりゃますます緊張するがね、と思ったのだがその方、「舟橋さんは風邪薬でトリップすると聞いていますが本当ですか」。
いやいや、確かに過去に風邪薬で多幸感を味わったりした事はあるけれども、これじゃあ完全にジャンキーである。
まあ、良いか。挨拶した人もまだ出会ってない人も、何かしら感じるように演奏に貢献したい、という気持ちになった。

そういえば、この日の演奏中は(僕の中でのハポン名物の)電車の音、聴こえなかったな。多分気が回らなかったのだろう。それだけ集中していた、とも言えるのか。いやいや、集中していたとてそれには気がつくだろう。
新曲(気味)『ファッキンミュージック』(仮、なのだろうか)をバンド編成でこの日、初披露。
バンドアレンジは各務君がアレンジを担当しており、ベースパートに関しても各務君が作り込んでいるのだが、そういった作業が施される前段階では僕が直感に従って「こんな感じか」と弾くのだが、そんな状態でも曲に力があるのはひとえに鈴木さんの力だろう。
直感に従って、と格好つけていったけれども歌を聴きながらスタジオで合わせてみるともうルート弾きをバーっとするだけで格好良いのよ。歌とアコースティックギターのストロークとドラムのリズム、そこから外れないようにコードを支える音を弾いているだけで十分「凄いなあ、良いなあ」と思ってしまう。
『ファッキンミュージック』(仮、なのだろうか)も演奏しつつ気持ちが昂った。

終演後、初めてバンド編成をご覧になった関東からのあの人は「良かったですよ!また観たいです!」と素敵な笑顔で帰っていかれた。
期待を裏切る事がなくて本当に良かった。少なくとも自分の目と声と耳が届く範囲の人は裏切らずにいたいものだ。勿論、その後ろに未だ見知らぬ大勢がいる事を意識した上で。