BOSS HM-2(台湾製)をベースギターに通して鳴らしてみる2026年9月編


頭の中に在る『手頃な価格で見かけたら購入したいペダルリスト』の中に名を連ねるBOSS HM-2が、近所の楽器屋で「お、これは安い」という価格で販売されている事をデジ〇ート巡回中に知った。
本来であればすぐさま駆けつけて購入したいところではあるのだが、僕にしては珍しく数日迷った。
以下にその理由と詳細、そして如何にして購入を決定したか記録。

・エレクトリック・ベースギターにはHM-2wの方が扱いやすいらしいと聞いた。
⇒同好の士が集まる海外フォーラムによると「HM-2wに搭載されているカスタム・モードが低域がより豊かでベースギターにはうってつけだよ!」との事。そう聞くとここは手堅くHM-2wを手に入れたいところ。
しかしながらそもそもHM-2を安価で手に入れる事が可能な現状に於いて、実際に中古で出会ったわけでもないHM-2wを比較対象とするのはどうなのかと思い至る。HM-2を激烈に気に入り「これが俺にとっての最良のドライブ・ペダルの1つ!」となった場合はそこからHM-2wを探して試してみれば良いのではないかと気が付き、ここはクリア。
どうせいつかは買うんだろうな、を視界の隅に入れれば途端に蒐集は強気で臨めるようになるのである。

・HM-2はACAアダプター対応である。
⇒ACAインとは古いBOSSコンパクトエフェクターに採用されている電源規格。エフェクター内部に電圧を下げる回路が仕込まれている(一方ポピュラーなPSA規格は出力電圧をアダプター内部で整えている)為、表記上は9Vのペダルでも実際は12VのACAアダプターを使用せねばならない。
わざわざ専用のアダプター、しかも旧規格のものなんてわざわざ用意したくもないわ!という場合はペダルの改造(結構簡単らしいので実際に改造して使っているユーザーも少なくなさそうである)や電池駆動、分岐ケーブルを用いたデイジーチェーンの他、TUシリーズやLS-2のDCアウトから電源供給するというBOSS推奨の方法がある。まあ僕の場合幸いな事にペダルボードの最前段にバッファ兼チューナーでTU-3wが常時接続されているので、TU-3wのDCアウトから電源供給すれば正常にHM-2は動作する。クリア。
(さてここで1つ疑問に思ったのだが、これまでも実際にペダルボードに組み込んできたCS-2、電源規格なんて気にしてもいなかったけれどもアレも確かACA規格。という事は特に考えもせずにFender ENGINE ROOMから供給していた少し前のあの演奏やこの演奏はCS-2が電圧不足の状態で動作していたのではないか。成程、かつての手応えと違った気がしたのはそういう事であったか。とはいえ「まあ、こんなもんだったかもな」で済ませてしまっていたので僕の耳、そして感性もあてにならないものである)

自分の中での課題が無事、解決。
デ〇マートで在庫を見ていた楽器屋は拙宅からそう遠くもない。
娘(長女)のピアノレッスンの帰りにお店に寄って実際に陳列棚を見るとおや、HM-2が2台ある。
カウンターの中にいらっしゃる店主さんに声をかける。

「あのゥこのHM-2が欲しいのですが」
「あ、そっちの日本製の方ですね」
「お、そうなんですね。日本製と、あとこちらはどこ製ですか?」
「そっちはええっと」
と帳面をめくりながら店主さん。よく見るとHM-2には『委託品』と札がついていた。となるとこの台帳は委託品の出自だったり価格が記載されているのかもしれない。

「そっちは台湾製ですね」
「値段はそれぞれおいくらですか」

訊くと、台湾製と比べて日本製のものは1.5倍の金額。日本製は重宝されるのか。この価格となると他の中古店で見かけるHM-2と同程度の価格である。僕が目をつけていた1台は台湾製でかつ、委託品だから実に手頃な価格なのであった。


結局、台湾製の方を買った。
今回の場合、購入を思い立ったきっかけは「安価だから」だったし、この場合その道筋から逸れるべきではないと感じたのだった。もしこれで日本製が気になるような事があれば次は日本製を買えば良い。

その夜、早速パイプカツトマミヰズの練習に持ち込んで大きな音で鳴らしてみた。
以下、備忘録。
コントロールはLEVEL、COLOR MIX「L」と「H」、DIST.の4つを調整出来る。
LEVELは出力レベル、DIST.は歪み具合なのはわかりやすいけれども見慣れないCOLOR MIXだがそれぞれ「L」=低域、「H」=高域の超強力なEQである。それぞれ100Hzと1kHzであるらしいと話を聞いた。
超強力、は誇張表現ではない。おいおい、本当にそんなブーストの仕方するのかいと言いたくなるような強靭さ、「丁度良いところで落ち着けときますね」みたいな思い遣りとは無縁のブースト具合である。
基本的に12時方向でフラットっぽいのだが、それぞれ少しずつ右に回すだけでグングンとブーストされてくる。バランスをとりながらブーストするのではなくガッツンガツンにブーストしてくるのでもう笑えてくる程。
一方、DIST.は0の状態だと「クリーントーンがちょっと滲んだかな」くらいのところからスタート出来る。
おや優しい仕様じゃない、と思ったのも束の間、少し回すと一気に歪む。その潔さや、良し。

さて、ものの試しにHを左に、Lを右に回し切ってDIST.を0にするとまるでローパスフィルターを通したかのような高域がバッサリカットされ、極低域のみが分厚く存在するレゲエとかダブとかそういう音楽で聴けるようなベースサウンドを作る事が出来る。
明らかに原音よりマシマシで極低域が存在しており、極端といえば極端な音になるのだがこれがまた面白い。
HM-2のレンジの広さたるや、まるでベースギター専用機なのかと言いたくなる程なのであった。

COLOR MIXのそれぞれのコントロールで面白いのが、LとHの位置を揃えないようにセッティングすれば割と音作りしやすいという事。過激なブースト具合についついブースト方向で音作りしたくなる(そしてそれが魅力のペダルでもあると思う)のだが、ベースで使う場合は例えばLを15時、Hを13時半くらいにすると高域が暴れつつ分厚い低域がやっぱり暴れる悪ーいディストーションサウンドが出来上がる。これがHも15時にするとなんだか想像と違ってくるのが趣深い。
このCOLOR MIXコントロールのコツさえ掴めばHM-2と仲良くする事は容易いだろう。

さてスウェーデンのデスメタル界隈で好評となり『スウェディッシュ・チェーンソー』として(主に海外で)信仰された本機だけれども、その使い方としては全てのコントロールをフルアップするというもの。何たる過激さ、何たる明快さ。


そりゃあベースギターでもやってみるさ。ブレンダーさえ通せば僕達はどんなペダルとだって仲良くなれるんだ。
日和ってるって!?バンドメンバーと喧嘩しない為だぜ!

結論:チェーンソーを使いこなしたいなら原音多め。そしてちゃんと(狙い通りの音の為に各EQならびにDIST.をちゃんと調整して)音作りしたHM-2はブレンダーを通して心理的安全性を担保する事でかけっぱなしで運用するには十分に過ぎる。

ちなみにHM-2に関してBOSS公式が記事をアップしている。
物凄く細かくマニアックな記事で読んでいて嬉しくなる。
ちゃんとベースギターで運用する事も書いてある。