TECH21 SANSAMP BASS DRIVER D.I

僕が楽器や機材についての事を書く時っていうのは5割の確立でそういうモチベーションが高い時、残りの5割は特に書く事がない時だ。今日は残念ながら後者の5割。書きたい事はあれども、まだ書けない。おいおい書ける時も来るだろうけれども、今がその時でないという事だ。

書く事がない時は書かなきゃいい。恐らく、大半のブロガーはそうしている。実際僕の周りの人間で僕程あけすけに、そして律儀にブログを更新している人間は他にいないのではないだろうか。何だか自分を誇るような言い方になったけれども、決して自嘲する事はあれども、誇る事ではない。自らを誇れるバンドマンはこうやってキーボードをタイピングする時間があるなら演奏技術の鍛錬に勤しんでいるだろうし、作曲したりしているだろう。或いは刺激に貪欲であろうと何がしかのインプットを探しているのではないだろうか。良いリスナーが良い音楽家であるとは決して限らないけれども、良い音楽家は良いリスナーであるのは往々にしてある事なのだから。

僕はといえば、ただただアウトプットする事ばかりに夢中になっていて、今もこうしてキーボードに向かっている。

これはもう妄執だ。僕は何年後かに自分で読み返して愉しむためにこうやってブログを毎日のように更新し続けている。それと同時に自分に自己顕示欲を満たしているってわけだ。そりゃあちょっとは文章を構築し続ける事で文章力、語彙力は上がるかもしれない。けれども僕はベースギター奏者であって文筆業を生業とするわけではないのだから、本来ならベースギターを握っていて然るべきである。

しかし今夜も僕は、自己顕示欲と自分の日課の奴隷となってこうやってブログを更新している。せめてベースギター奏者らしく楽器の事や機材の事を書くのは罪悪感の発露と思って頂いても構わないだろう。

さてあけすけに自分の弱みを曝け出した所で、今日はいつかは書かねばならないと思っていたこの機材について書き綴っておこうと思う。自分の本音を吐露したついでだ、どうせなら記念になるような印象深いものについて書きたい。というわけでこれだけは外せないってエフェクターについて書こうと思う。

楽器演奏者が自分の最良の相棒と出会う事というのはそうそうないだろう。ましてや自分の演奏者人生を変えてしまいかねない出会いというのは稀だろう。中には演奏が充実するかしないかは腕に起因するもので、楽器や機材等の媒体はそれに関与し得ないという向きもあるだろう。けれども僕は今回紹介するエフェクターと出会った事で、演奏者として育てられ、そして自分の『声』を手に入れたのだ。そういう出会いもあっていいと思う。

続・我が逃走

一体今までどれだけ多くのベース奏者がこのエフェクターについて語ってきたのか定かではないが、恐らくその数は物凄い人数に及ぶのではないだろうかと思う。発売以降、今やスタンダードとなってしまった本機はベーシスト諸兄なら既にご存知だろう「TECH21 SANSAMP BASS DRIVER D.I」である。

このダイレクトボックスにイコライザーを搭載したアウトボードプリアンプが登場してから、誇張ではなく世の中のベーシストの大半の音作りにこいつが関わる事になってしまった、それぐらいスタンダードな、ともすれば最も有名なベース用のエフェクターだろう。もし貴方がこの黒い箱の音を聴いた事がなく、聴いてみたいと欲するならばどこか最寄のライブハウスに行けばいい。かなりの高確率でその日の出演バンドの中にこれを使っている人間がいるはずである。

僕が音作りに悩んでいた時代に本機とは出会った。購入後、その足でこいつをベースケースのポケットに忍ばせて先輩が働いてるスタジオへお邪魔し、夜通し研究したものだ。直後に控えていたサークルの夏合宿にもこれを持っていき、名古屋へ帰ってくる頃には僕はスッカリこいつの虜になっていた。

ツマミはドライブ、プレゼンス以外ほぼ時計でいう1時。それでスイッチをオンにすれば僕は幸せになれる。マッチョになって密度が増した低域は僕の自尊心を守ってくれるし、攻撃的にドライブした高域は僕の反逆心を忘れないよう鼓舞してくれる。購入以来、これをオフにして人前で演奏した事なんてほんの2,3回だろう。もはやベースと一体といっても差し支えないかもしれない。

サンズアンプは僕の宗教、僕の武器、僕を惹きつけてやまない。

ちなみにどうやらモデルによってコントロールも音も違うようで、篠田君所有の最近のモデルと僕の所有機は、スイッチの数が違えば、音も違う。新モデルの方が音量も大きめで、そして各ツマミの効きも派手である。見た目的にも、操作性的にも個人的にはこちらのモデルの方が扱いやすいと感じる。

無人島に一つだけエフェクターを持っていっていいというならば、躊躇う事無く僕はこれを選びます。

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