『ミッドナイト奉仕活動vol.5』

この日のために、準備してきた。

メンバーそれぞれが一生懸命宣伝活動に励み、週末には演奏し、複雑極まりないブレイク(ダ!ダ!ダダ!ダ!ダダ!ダ!ダ!ダダダダ!ダ!ダダダ!ダ!ダダダダ!ダ!ダ!ダダ!)を体に染みこませ、昨日のために活動してきた。前日に眠れないメンバーもいたし、もしお客さんが想像以上に「いらっしゃらなかった」事を想定して(企画前はありとあらゆる災厄が己が身に降りかかるのではないか、と悲観的になりがちである。例えば、予約頂いたお客様が只の一人も来られなかったら、というような非現実的な想像、否、妄想が発露するのだ)ライブハウスが即金で貸しきれるだけのお金を口座から卸してきたメンバーもいた。年内最後の自主企画。

力が入らないわけがない。

今回の出演陣は

ノムラセントラルステーション

ミラーボールズ

キングブラザーズ

そして我々である。こんな御三方を招いて挙行出来る自主企画。この日のために、やってきたのだ。

吉田ヒズムが言った。

「キングブラザーズが名古屋に来てくれないなら、名古屋に呼んでしまおう」

今回の企画コンセプトは幾つかあれども、そんな彼の考えを知っていたが故に、キングブラザーズ先輩の「名古屋最高ゥー!」が聞けた瞬間は感慨深かったものだ。吉田君の目論見は成功したのである。

ノムラセントラルステーションがあいも変わらず豪胆なライブを行い(ノムセンは流石の安定感。5台のドラムセットが並ぶ様はメタリック過ぎて楽器なのか兵器なのか認識が崩壊する程)、ミラーボールズがその世界観を会場に蔓延させ(個人的にミラーボールズはずっと、それこそ不完全密室殺人が企画を行った頃からいつかお手合わせ願いたいと思っていた。今回出演して頂けて長年の夢が叶った)、そしてキングブラザーズがロックンロールを振りかざし、振り下ろした後(一瞬でモッシュに突入するフロア、そしてあの音圧!もうキングブラザーズからは学ぶ事が余りにも多過ぎる)に我々に何が出来たのか。

もう、一生懸命演奏する事しか出来ないよね。

握力がどんどん失われていく中必死になってベースギターのネックにしがみついた。比喩的な意味ではないのは初めてだ。そして、ちょっとはしゃぎ過ぎたかもしれない。練習、練習が必要だ。ありとあらゆる観点で、練習が必要だ僕には。

と思ったらすぐに練習だった話はまた次回。

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