2022年4月時点でのブレンダーについての備忘録。

ブレンダーについての備忘録である。

エフェクトのかかっていないDRYシグナルとエフェクトがかかったWETシグナル、それぞれのボリュームを個別に調節、ミックスして出力する事で原音とエフェクト音を混ぜるタイプのブレンダーを導入してからそれなりに時間が経つが、自宅やスタジオ、ライブで使ってみて気付いた事等々あるのでメモ替わりに書いておく。

まず最初に、こういった音作りの補正的なペダルは圧倒的にその扱いやすさが大事であるという事。
ペダルの中には「これはこういうものなんですよ」感を醸し出してくる、格好良い音がするけれど決して臨機応変に対応可能とはいえないような操作感のものが存在する。
いや、そういうペダルって好き、大好きなんだけど。

補正的なペダルはむしろそういった頑固なブツを扱う際に自分にとっての扱いやすさやそれ単体では成し得ない効果を付与するために使うもので、音は勿論、操作性もフレキシブルである事が望ましい。
ブレンダーなんてまさにそういった補正の役割を担うペダルの代表格なのでは、と僕は思うのだ(これは僕がブレンダーに着目しているからこそ、だろうけれど)。

僕の場合はお気に入りのファズペダル、そのトーンコントロールを低域のロスを気にせずに弄り回せるようにそれらをブレンダーを通すようにしている。低域の確保に関してはブレンダーで担保する、といった具合だ。
なので直感的にドライシグナルの混ざり具合がコントロール出来、かつミックスしたサウンドの音量調節も容易である事が必須である。
というわけで過去にELECTROGRAVEさんにお願いして作って貰ったのがこのブレンダーなのだけれども、このブレンダーは更に突っ込んだ機能として、DRYシグナルをローパスフィルターを通す事で任意の周波数以下だけ取りだしてWETに混ぜる事が出来る。DRYシグナルの低域だけ混ぜて高域はファズをガンガン出す、とかが簡単に出来てしまう。これは自分の思いつきながら結構良い機能だな、と大いに楽しめるものだった。

で、限られたペダルボードに於いてペダルの占めるスペースというのはこれまた大きな問題で、無尽蔵に大きなペダルボードを組めるならいざ知らず、そうでもないとなると「筐体がデカい方が良い」と感じられるブツ(ファズとか、結構そういう感覚がある。いやこれはもう半分宗教入ってるんだけど)以外は小型の方が便利が良い。

操作性とサイズの観点で折り合いがつくのがmosquito blenderであり、当初は懸念していた「フルにする事でユニティゲイン」=「信号のブーストは出来ない」点もWETシグナルのボリューム設定によってブレンドされた信号のブーストが可能と気付いたのでクリア。最近はこちらを主に使っている。

で、最初はDRYシグナルの上にWETがのっかっている感覚で音作りをしていたのでDRYはフル、WETを混ぜていく方法で音を作っていたのだけど、そのうち逆にWETをフルにしてDRYは75%程度混ぜるくらいの方がバランスが良い事に気が付いた。
低域は聴感上、減らないかという事についてはこれはWETシグナルの低域とDRYシグナルの低域があわさる事でロスがなくなる。なのでこれは或る程度原音の低域を損なわないペダルをWET側にしてブレンドした場合に限られる。低域スッカスカのオクターブファズとかをブレンドする場合はDRY100%、WETを適時混ぜる気持ちで音作りをした方がアンサンブル中の座り具合は良い気がする。
こういうペダル毎、何ならその時の気分毎の判断がこの小型のブツで臨機応変に操作出来るのは本当に有難い。


DRY75%、WET100%はこんな感じ。
Wren and cuffのBox of warはしっかりとローが出るのでブレンドした時も大変扱いやすい。何ならブレンダーを通さなくても良いのでは?と思える程。
右側の緑色のブツについてはまた改めて日記に書こうと思います。