Danelectro ロングホーンベースの話。

DAN1.jpgこれこれね)で使ってみて、その感触の良さからめでたくメインベースに昇格したDanelectro ロングホーンベースについて書く。
今まで何度かこのベースについて書いてきたけれど(憧れ編購入編サンズアンプの設定編改造編)、いや、思えば実戦で使うまで随分と時間がかかってしまった。
けれども時間をかけて馴染ませていった結果、当初の予想を遥かに上回る楽器となったので感慨もひとしお、である。

前述の改造編では岡田さん(LOVELESS GUITAR)によってポット交換及びリップスティックピックアップを直列接続に改造して頂いた事を書いた。人づてに手に入れたし何であれば前オーナーが入手した時からそうだった可能性は否定出来ないのだが、当初は悩まされていたノイズも演奏に支障がない範囲まで随分と改善され、弱々しかったその音も随分と逞しくなったと思う。
孤独部での演奏はその状態で行ったのだが、十二分にライブでの実用に耐え得る状況ではあったものの、幾分か気になる点があったのでその後も折を見ては手を加えていった。
主な調整点として「ブリッジの高さ調整」「ストラップピンの交換」「弦のゲージ変更」が挙げられる。

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只今現在のブリッジの様子。
ご覧のようにブリッジプレートとボディの間にウレタンスポンジを挟み込む事によって当初より弦高を上げる事が出来るようになった。4弦側12フレットで2.5mm程度。ショートスケールで弦のテンションがロングスケールより弱い。それによる弦の暴れ具合も考慮しての設定。
ウレタンスポンジを挟む事で随分と調節しやすくなった。

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ストラップピン交換。
プラスチック製の杭みたいなのが穴にはめ込んであるだけだった初期状態。その状態では実際スタジオ練習の時もふとした弾みでストラップがピンごと外れる事が何度もあったのでいっそのこと穴を木材で埋めてネジ穴を開け直してしまえ、との事で木工用ボンドで木材を接着、通常のエレクトリック・ベースギターに使われているストラップピンに付け直した。ストラップが抜けないようにしっかり固定。ヘッド側、ブリッジ側両方この処置が施してある。

弦のゲージはダダリオのEXL160S、ショートスケール用の.050、.070、.085、.105というゲージのものを張った。
「弦のテンション」は厳密にはスケールと弦の太さでしか変わらないので、ショートスケールのテンションの弱さを少しでも改善出来れば、と考えたのだが、結果的にこの変更によって違和感のないテンション感になった。

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トーンコントロールは演奏中でも曲調によっては微調整を行うのでこのように電子部品屋で購入した目盛を貼り付けて対応。どことなく懐かしいルックスにこういう「改造怪獣」的なワンポイントが加わるのも好みとしてはストライク。

楽器としての性能、音の部分では弦高調整と弦のゲージの変更しか関与していないけれど、この2点の調整によってやる気のない木製ブリッジ、ショートスケールというハンディをチューニング、テンションの両側面から随分と改善出来たように思う。弦のゲージを一つ太くするだけで結構変わるものだ。もう他のゲージは貼れないな。少なくともラウンド・ワウンド弦を張るならばこれより細くする事はないと思う。
状態によってはロングスケールでも厳しい半音下げチューニング(僕がベースギターを弾くバンドではJONNYとi GOが半音下げチューニング)でもガシガシ弾く事が出来るようになった。
忘れてはならないのがピック。
普段使っているYAMAHA SBVでは出過ぎるアタックを殺す意味で多少柔らかいピックを使っているのだけど、それよりも若干硬いものを使った方がこのベースの場合は良いような気がした。
普段が「出過ぎるアタックを殺す」のであればこの場合は「ピックを替える事でアタックを強調する」ような意識。

主観としては普段が「出過ぎる楽器を制御する」ならばこの楽器は「出ない楽器を押し出すように使う」であり、サンズアンプの設定(具体的にはDRIVEコントロールが普段より上げ目になっている。時計でいう2時くらい)もそんな感じになっている。アンプとの相性によってBASSコントロールは12時~2時の間を行ったり来たり。
結果として生き残りを賭けたアンサンブルの中で過剰気味なパワーで鳴らすという普段の発想から、パワーがない楽器にパワーを注ぎ込む事で押し出すようにし、楽器の「至らなさ」というネガティヴな側面を「前に出過ぎない」抑止力として機能させる事が出来た。使うシチュエーションもそんな感じで捉えている。ツインベースとドラムというアンサンブルの中でも一丁前に存在感はあったから、所謂普通のバンドアンサンブルなら「使える」音になっているんじゃあないかと思う。勿論癖はあるけれど。ただどうしても前に出過ぎる自分のエゴに対する、ポジティヴな足枷としては凄く有効。そりゃあ勿論奏法やアンプの設定でTPOに合わせた演奏が出来るのが一番理想的ではあるのだろうけど。シチュエーションに合わせて発想やその他の部分は全く共通のまま、アンサンブルの中での立ち位置を所謂「一般的なベースギターの範囲内」に変える事が出来たと感じている。

この楽器に憧れていた頃からの野心、JONNYでの演奏に於いてロングホーンベースを使うという一つの願望が結実したのは嬉しかった。ドレミファといろはでの共演バンドのベーシストにも「いつも通りの音が出てますよ」(そりゃあ勿論全く同じってわけではないけれど出したい音のキャラクターの中には、いる)とか「あれでいけない理由がわからない」と肯定的な意見を頂けたのでこのレビューはある程度信用して頂いて良いと思う。

今はこいつでゴリゴリやるのが楽しくてしょうがない。
ショートスケール、メゾナイト(何でも木材と紙の安価な合成素材らしい)使用の上なんと中空仕様、リップスティックピックアップ採用と「本当にやる気ある?」と言いたくなるような仕様の割には、ちゃんと手をかけて調節すれば十二分に「使える楽器」だと感じた次第。
しばらく色々なシチュエーションで鳴らしてみようと思う。

コメント

  1. まも柴 より:

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    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    はじめまして。
    わたしも最近同じモデルを手に入れました。
    聞きたいことがあるのですが、ブリッジのネジは3本ともに上から固定でしょうか?
    私のは前2本のネジの上にブリッジが乗っています。後ろ一本でテンション変えています。
    どちらがデフォなのしょうか?

  2. 舟橋 より:

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    舟橋です、コメント有難うございます。

    まずはじめにロングホーンベースを入手されたとのことでおめでとうございます。融通は効きませんが未だに愛着があり、折に触れては使っています。

    ブリッジのねじですが仰る通り、入手時は前の2本のネジの上にブリッジがのっかっておりました。一度ネジを抜き、再度ブリッジの上からネジを締め直したのがエントリー中の写真の状態になります。
    ただ、ウレタンスポンジを挟んだ状態で上記のようになったようにも記憶しておりますので、ネジを締め直すだけで状態が変わるかどうかはちょっと定かではありません。申し訳ありません。
    いずれにしても現状、幾分か安心感があります。やはりネジの上にブリッジがのっているというのは精神衛生上、健やかではありませんので(笑)。

    どうかお持ちのロングホーンベースを末長く楽しまれますように!

  3. まも柴 より:

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    ご返信ありがとうございます。
    やはり乗っかってるのがデフォでしたか。
    実は同じように手を入れようかと思ったんですが、ネジ回したら塗装が剥がれ出したもんで、やめました(笑)。
    さすがダンエレクトロ。
    今はとても愛着があります。できればショートホーンも手に入れたいもんです。