Digitech PDS 20/20と戯れる。

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季節の変わり目には決まったように風邪をひく。
温度調節が苦手な僕は夏場は冷房を、冬には暖房を妻が眉をひそめる程の風速でつけるのだがその行為だけが季節の、気温の移り変わりに取り残されて場違いな室温だけが取り残される。近頃は朝と夜は涼しくなってきた。にも関わらず冷房をつけてしまうもんだから(最早、惰性)そりゃあ風邪もひこうというものだ。
風邪をひく事によって季節の移り変わりを感じるとは随分ではあるが実際そうであるからしてしょうがない。幸い、仕事が平日休みの日に体調不良のピークがきたので自宅にて仕事に向かう妻と保育園に行く娘を送り出した後、栄養を摂ってベッドで寝倒した。
昼過ぎに起床し、昼食をとって以前風邪をひいた時にかかりつけ医より処方された薬を飲む。
眠気がくるまでの間、しばし自室に篭って機材弄りをする事にした。

僕の機材棚には頻繁に手に取るもの、滅多に手に取らないもの、最早肥やしになっているもの等色々あるが最近は集中して色々触るようにしている。「これは使わないナァ」と思ったものを時間をあけて弄り倒した結果、思わぬ使い道を発見する事が少なくなかったからだ。
そんな中で最近は触れていなかったのがDigitech PDS 20/20である。
好き好んでインターネットでエフェクターについての情報を蒐集していると海外のフォーラムやコレクターの記事に至る事があるが、これはそういうところに入り浸っては情報を交換しあっている人達、つまりは「そういう筋の人」=ちょっとぶっ飛んだペダルを愛好するpedalgeek達の間で愛されているブツである。特にベースギターに特化した機能や適性があるわけではないのだが、変なものを好む人が多いのかベーシストでの愛用者も少なくないようだ。

簡単に言えばモジュレーションディレイである。
大まかなディレイタイムからECHO、CHORUS/DOUBLE、FLANGEと3つのモードに分けられている。勿論それぞれのモードから更に細かくディレイタイムは設定出来るし、フィードバック量もミックス具合やモジュレーションの深さ、速さもコントロール出来る。
ECHOモードはモジュレーションをかけなければ真面目なディレイとして使う事も出来るしCHORUSモードもFLANGEモードもそれぞれベースで使うには不足のない音の太さである。
では本機のどこがぶっ飛んでいるのかというとそれがエフェクトのオン/オフスイッチと別にもう一つ据え付けられた「INFINITE REPEAT」スイッチ。
聞き慣れないコントロールであるが名前の通り、踏んだ瞬間無限に繰り返す。いや、本当に無限に繰り返す。所謂ホールドモードですねこれね。
ECHOモードでは踏んだ瞬間のディレイ音をそのまま永遠に繰り返してくれるしCHORUS、FLANGEモードではモジュレーションシグナルだけを繰り返してくれる。しかも繰り返しているエフェクトシグナルのモジュレーションの速さを可変する事が出来る。ECHOモードではモジュレーションはディレイ音のピッチシフトを伴うもんだから繰り返し続けているエフェクトシグナルの音を弄ると当然ピッチもグワングワン変わる。これが面白い。モジュレーションの速度を一番ゆっくりにするとなだらかにピッチが変わっていくモジュレーションディレイとして使えるし最速にすると返ってくるディレイ音の一つ一つがダブついた音になってこれまた他にない感覚。ホールドしてペダルのツマミを触って楽しむ事も出来るし、ホールドをオフしてフレーズを弾く→ホールドオン→ツマミを触る→ホールドオフ→フレーズを弾く→ホールドオンを繰り返していくとわけがわからない音の重なり方とピッチの変化の仕方がして大変面白い。また、フレーズの最後に両スイッチを同時踏みすると突然変なディレイが永遠に鳴り響くのでオツだ。
これの後に更にルーパーとか繋いで遊ぶのもまた楽しかろう。

こういうペダルをクレバーに扱えるプレイヤーになりたいものだ。

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