ターミネーターファズ

もうすぐ映画「ターミネーター:ジェネシス」が公開される。
まさかアーノルド・シュワルツェネッガーのT-800型がまた観られるとは!興奮しないわけがないだろう。
ターミネーターは時を越えて愛する作品である。幼い頃に「T2」を観て”守るために闘う”シュワちゃんの姿に胸を熱くし興奮した舟橋少年。早速翌日、あのウインチェスターショットガンをグルリと回すT-800型になりたくて自転車にのりながら右手で握っている(という想定の)ショットガンをグルグル回して、その後他の自転車と正面衝突、右手の骨折を負った。
作品の公開順は逆行するけれどもその後「ターミネーター」を観た。あの作品のT-800型はシュワルツェネッガーというよりかは完全にスカイネットの送り込んだ殺人マシンである。その証拠に「ターミネーター」(一作目)と言われて連想するのは若かりしシュワルツェネッガーよりも生体細胞が炎で焼け落ちた後の「骨格」、あのコマ送りの不気味な動きで迫り来るターミネーターだったりする。
僕の年代だとこの「T2」→「一作目」って流れの人、結構いるんじゃないかな。
その後「ターミネーター4」はまさかの未来での人類とスカイネットの闘いを描いており、最初は驚いたものの十二分に面白く、クリスチャン・ベールのジョン・コナーも僕的には違和感なかったし(正直に言うとクリスチャン・ベールは贔屓目に観ているかもしれない。「アメリカン・サイコ」のアッパーな演技も好きだし何せ彼はブルース・ウェインだ)、CGを使って若き日のシュワルツェネッガーの顔を再現して登場したT-800型は完全なるファンサービスだったとしても、それでもあの映画は面白かった。
「T2」からの続編を描いた海外ドラマ「サラ・コナークロニクル」は重厚かつ丁寧に描かれた「その後」の物語を堪能するという免罪符を与えて貰った上で、僕達の夢のような(軟派だと言われてもグッときたんだもん、許せ)「美少女ターミネーター」の魅力に十二分に溺れた。シリーズ途中で打ち切りって聞いた時は愕然としたけどね。あとサラ・コナーが美人過ぎる。リンダ・ハミルトンみたいなゴリラ顔のタフな女が良いんだよ。
だが「ターミネーター3」、手前は駄目だ。いくらシュワルツェネッガーが出ていようとも手前だけは認めねえ。T-Xだったっけか、あの美女ターミネーターも期待させるだけ期待させてT-1000型よりも高性能!みたいな売り文句があった癖に印象微妙に弱いし、ジョン・コナーはエドワード・;ファーロングがどうやって成長したらああなるんだよ!みたいな顔だったしストーりーも何だか煮え切らねえ。「T2」は洗練されてたし「T4」はエンターテイメントしてたのにお前はどうだよ。だからなかった事にされて「サラ・コナークロニクル」=「T2」の続編、になっちまうんだよ!
まあ、ともあれ、僕はターミネーターシリーズには相応に思い入れがある。
「ターミネーター:ジェネシス」公開が楽しみだ。皆で楽しもうぜ!
というわけで、このタイミングで所有するエフェクターを紹介。

見る人が見ればすぐにわかる、USJ(今から数年前に初めて行ったんだけど、いやあはしゃいだはしゃいだ。大いにはしゃいだ。ジョーズとか僕の叫び声で一緒に乗ってた子供が泣き出したもんね。少年よ、すまん)のターミネーターのアトラクションで売ってるクッキーのケースだ。ケースというかこれが本体なんじゃないかっていう商品ね。そりゃあ欲しいよ、ターミネーターファンならちょっとした造詣の甘さとか目をつぶって欲しいよ。僕もためらわずに購入した。クッキーはすぐに食って箱に入れたまま部屋に飾ってご満悦。スカルヘッドの『本気の』レプリカとか物凄い値段するもんね、僕みたいなそこそこ思い入れがあるファンはこれで十分。

月日は流れた。
物凄え雑な端折り方をするけれども、この日まで流れた。
この日の文中に「NINTENDO64のコントローラーが筐体になったファズ」とあるが、これについては今回書く内容に深い関係があるのでもう少し細かく書いていこうと思う。
ドレミファといろはの店内にNINTENDO64のコントローラーを筐体にしたエフェクターを発見した時の僕のお気持ち、このブログを長い事読んでくださっている方ならば容易にお察し頂けるだろう。
「なんだこれ!うわ、なんだこれ!」と物凄く興奮した。ただでさえエフェクター見るだけで興奮するのに、予想だにしないタイミングでそれはそこに存在したし、何よりそれはNINTENDO64のコントローラーのデザインを壊さず、あくまで自然にエフェクターだったのだ。
店長のゴウさんがすぐさま興奮する僕に声をかけて下さり「作った奴呼んでみるわー」と仰って下さった。
そこで井口さんと出会ったのだった。

終演後の店内で井口さんとお話出来た。井口さんは名古屋から出てきたエフェクター好きのためにご自身の作品を幾つか持ってきて下さっており、僕はその中の「ビッグマフの回路を元にパーツを厳選して作ったファズ」(井口さん談)が気に入り、まだ完成したばかり、というかほぼ試作段階のそれをオーダーする事にした。
で、NINTENDO64コントローラーを筐体にしているのも見ちゃっているし「どうせなら面白いケースの方が愛着湧くじゃないですか」みたいな話を井口さんとしちゃってるもんだから、どうせならケースも変なのにしたいな、と思う。
僕の脳裏を、部屋の隅で(埃をかぶりつつ)陳列されているあれがよぎった。
というわけで井口さんに構想を話し後日すぐさま発送、僅か一週間でそれは帰って来た!


間違いなく僕が所有するエフェクターの中でも一番インパクトがあるだろう。
T-800の頭そのものをファズにしてしまったのだから。
ちなみにスイッチは頭のてっぺんにある。ちらりと映っているのだけど、わかるでしょうか。

terminator_fuzz_05
これが背面。あ、僕がメタルボディに物凄く映り込んでるけど気にしないで下さいね。
コントロールはここに一括でまとめてあって左からレベル、トーン、ゲイン(この場合サスティーン、というべきか?)。
さて、音については後述するとして早速見ていきましょう。
井口さんの仕事で何が感動したって、徹底的に丁寧でかつ、ユーザー目線に立っていらっしゃる事。
例えばLED。


「目を光らせたいんですよね?」と「ケッ、ケースなんですけど、ターミネーターの頭とかどうですかッ!?」と興奮して話す僕の思惑をすぐさま見破った井口さん。僕の希望通り、否、希望していた以上に物凄い格好良くLEDを仕組んで下さいました。LEDのサイズ感もピッタリ。

terminator_fuzz_04
で、これだけだと当然踏む時に見えづらいじゃないですか。
ちょっと想像してみて頂きたい。これをライブで使う時は当然顔面をお客さんの方に向けたいよね?そうすると踏んだ本人は真っ暗じゃない限りオンになったかなっていないか、視認出来ない。そうなる事を見越して井口さん、演奏者にも見える位置に(かつ元となったケースの強度的にも問題のない場所に)LEDを仕込んで下さっていました。

terminator_fuzz_03
耳の位置にあるこのスイッチを入れると

terminator_fuzz_02
ここに仕込んであるLEDが点灯!
「こんなにLED使ったの初めてです」とは井口さん談。井口さんの遊び心炸裂のこの機構、こういう音質に意味のない、けれども楽しくなっちゃう機能の妙味をわかってらっしゃるあたり、男の子だなあと嬉しくなってしまう。
勿論音質にもこだわって下さっている。

terminator_fuzz_01
中はしっかりと導電処理してあるし(物凄く塗りにくかっただろうな、と思う)、肝心の出音も良好。
ビッグマフ系のジリジリしたところからあの前面にベタッと張り付くようなところまでしっかり楽しめます。で、井口さんが選定に選定を重ねた結果、トーンとゲインの可変域がとても幅広い事になっている。以前ビッグマフのニューヨーク製のものをファズ買い初めの頃に購入、使った事があるんだけどベースギターだと何だかしっくりこなくて、というか音が散り過ぎちゃう感じがあって結局「ベースギターでビッグマフ使うならロシア製」と落ち着いたのだけど、これはトーンを絞ればローも不足なる出るしゲインを絞ればゴツゴツボリボリ、ちゃんとアタックが出るしゲインをフルアップすれば「ブッシャー!」感も出て楽しい。
現実的に今現在の自分の環境で鳴らすならトーン、ゲイン、ともに絞り目かなと思った。

踏んでいると動いていくけど(笑)、音質だけでなく遊び心も取り入れた印象深い一つになっています。
最近は(何せ持ち運べる個数に限界があるし、これは大きいので)ベースビッグマフとかその他のファズを専ら使っているけれども、近々久しぶりにスタジオに持ち込んで鳴らしてみようと思う。

コメント