久しぶりのパイプカツトマミヰズでのギグ。

サポートメンバーとして参加しているパイプカツトマミヰズであるが、コロナ禍だもの、なかなか機会もないさと曲を作ったり憶えたり思い出したりしていたのだが、ようやくライブの機会がやって来た。
やはりバンド活動への注力具合はライブに参加する事で加速する。かつてはメンバーとして所属していたパイプカツトマミヰズ、僕が所属していた頃は新型感染症なんて蔓延の「ま」の字もない頃だったので結構な頻度でライブを行っていたように記憶しているが、今の状況に於いてはなかなか活動のペースを上げる事もままならず、吉田君も駒田君もきっと歯がゆい思いをしてきた事だろう。
僕もライブが決まり、その日が来るのを楽しみにしていた。果たして、舟橋のサポートメンバーとしての初陣は静岡県浜松市の「Live/Bar TEHOM」であった。

TEHOMはパイプカツトマミヰズの初代ギタリストちん君がオープンした店。
かつてパイプカツトマミヰズを静岡に呼んでくれたのもちん君なれば、再び声をかけてくれたのもちん君なのであった。

それぞれの生活と練習時間の確保の折り合いがなかなかつかず、サポートメンバー含めこの日の演奏メンバー全員揃っての練習は本番当日の午前中にようやく行う事が出来た。サポートギター高松君が仕事の繁忙期でなかなか練習に合流出来なかったので吉田君に駒田君に僕という3人でスタジオ練習を行い、その録音を高松君にデータ送信したりはしていたのだが高松君のストイックな取組により、当日サラッとセットリストを確認するだけで問題はなさそうなのであった。流石。

練習を終え、レンタカーをお馴染みジャパンレンタカー千種駅の近く店(俗称)で調達し一路、静岡へ。
かつてメンバーとして活動していた時期はその大半の時間が自動車運転免許を未所持で過ごしていたので、こういった遠征時は移動の戦力外であったが、今や相応の経験を積んだ僕は颯爽と運転席に座るのであった。
不思議なもので助手席や後部座席に座っていた時よりも同乗しているメンバーとの会話も弾むのであった。
ゲラゲラ笑いながら浜松へ。

Live/Bar TEHOMへは随分と早く到着した。
ちん君と再会を果たし、各自ゆったり過ごしているとリハーサルの時間。
アスファルト打ちっぱなしの室内は天然リバーブが凄い。ゴオオオオッという音を伴って音が広がっていくイメージであり、かつ遠慮容赦なく音量も僕達が出すものだから何が何やらわからない。けれどもこんな状況は慣れっこだ。
マイキングはボーカルだけ、それでも外音はちん君曰く良い感じらしいのでその言葉を信じて本番へ臨む事とする。

遠征先でのリハーサル後の時間の過ごし方は「楽器屋へ行く」「サウナは行く」「食事をする」、大体この3択である。滅茶苦茶遠くもないけれども近くもない場所にラインナップがそそられる中古楽器屋があるようではあったが、ぶっちゃけ運転とリハーサル後に遠出する活力もなく(購入する楽器があるなら兎も角、冷やかしだけとなれば尚更だ)、結局吉田君と高松君と3人でサウナへ出かける事にした。サッとシャワーを浴びて一眠りするという吉田君と、高松君と商業施設の上階にある宿泊施設兼入浴施設へ。
そこまで大掛かりな施設でもなかったが、きっちりサッパリしてリラックスする事が出来た。遠征先の方がキマるのは何故だろうか。疲れているからか、それとも遠征の高揚感からか。

浜松餃子を食べようと吉田君の案内で近場の店を探して歩くも、まさかの臨時休業。土曜に何て強気なんだ。
腹が減っていたので近場の豚骨ラーメン屋で味噌豚骨ラーメンを腹に入れる。どうやら地元でも評判の店だったようで美味かった。時間帯が時間帯だけに客は僕とホストと思しきお兄さんだけだったが。


この日の共演者、多種多様だったけれども最高だったのがSUPERMORNING。モジュラーシンセ+エレクトロニクスとエフェクター多数に加えてカオスパッドに接続したギターの2人編成のノイズミュージックなのだけれども、メインスピーカーのみならずギターアンプを四方に並べて大音量で鳴らす。
演奏が始まった瞬間に客席の何人かは耳を抑えて後退りする程であったが、直感的に「あ、これ最前で観た方が良い奴だ」と四方をアンプやスピーカーに囲まれた最前に飛び込んでみるとこれがまた、実に多様で豊かな音が四方から飛び込んでくるではないか。逃げ腰で聴くよりも飛び込んだ方が音量も不思議と耳に優しく感じるものだ。
サウナ後で多感になっている自分の感性と照らし合わせて思う存分、その演奏を堪能した。緩急も大小も押し引きもあり、飽きない演奏。素晴らしかった。

この日のパイプカツトマミヰズは僕個人が久しぶりの参加という事もありはしゃぎ過ぎてしまった感が否めなかったが、あの感じは大変懐かしかった。
最近では割と落ち着いて演奏する事が多かったのだけれども、落ち着いていられないというか目まぐるしくリフが変わったりするので常にはしゃぎながら落ち着く隙がない。演奏しながらどうしてこんな風に体が動くのかわからないステップを踏まされたりする感じは、そうだ俺はこういうところで演奏を続けてきたのだと思い知らされるには十分であった。

演奏後は適度にまったりして名古屋モドリ。
途中で岡崎や刈谷でメンバーを降ろしつつ、最後は1人でジャパンレンタカーへ車を返しに行く。
ガゾリン代は駒田君からPayPayで送金して貰った。なんて現代的なバンドなんだ!


駒田君inTEHOM。