辻斬りとスタジオ入り、写真展へ行く。

新型コロナウイルスによって日常が激変してしまってから、久しぶりにスタジオに入った。

いや、正確には先週のリハビリワンマンに向けて練習したりはしていたのだが(コロナ自粛期間中にストレス耐性が低い僕が精神的に鬱屈とせずにいられたのはこの『人と一緒に演奏する』、その時としては大変に貴重な時間がカンフル剤になってくれていたからに他ならない。勿論注意を払いながらではあったが、いや、本当に演奏する事による自浄作用みたいなものさえ感じたものだ)所謂『練習スタジオ』は軒並み営業を自粛していたので防音の部屋の中でアンプを思い切り鳴らして、というのは本当に久しぶりの行為であった。

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今回のスタジオ入りは自分で言うのもナンなのだけれど我が弟子であるところの辻斬りっちゃんと日々演奏についてあれやこれややりとりをする中で(正確には僕が発見した事を一方的に送りつけていたのであった。こんな行為からも僕がコロナ自粛期間中にストレスを溜め込まないようにしていた事が察せられる)「折角ならスタジオに入りませんか」とりっちゃんが声をかけてくれたのであった。
弟子、と先程書いたけれどいや、僕は人に物を教えられる程演奏に長けているわけでもなければ特別なスキルがあるわけでもない。だけれどもあれはお互いに今よりももっと若い頃、彼女が深夜の今池でラーメン屋に並んでいる時に声をかけてくれたのであった、確か。教えるような事は何もない、とすぐさま言ったような記憶があるがでも人に教えるという事は同時に学ぶ事にもなると思ったし、どうやらりっちゃんはりっちゃんで社交辞令でなく本当に教えて欲しそうだったので出来る事ならするよ程度の感じで彼女は僕の弟子となったのであった。

今まで「グリッサンドの音を太くデカくしたい」とか「筆を振り下ろすように大振りにピッキングしても正確に弦を狙いたい」とか結構具体的な事を訊かれてきたし、都度都度最善と思われる回答をしてきたつもりではあったが、今回は単純に一緒にスタジオに入って音を出してみようという感じでスタジオへ行った。
主にサンズアンプの新バージョンをりっちゃんに触って貰う事、あとはピックをあーでもないこーでもないとやったりしているうちに予定していた一時間はあっという間に過ぎてしまった。
楽しい時間は光陰矢の如し。

その後、新栄club ROCK’N’ROLLにて開催されている写真展に行く予定だったのでりっちゃんと共に地下鉄で新栄へ向かった。
ベースを担いで地下鉄に乗るっていうのも久しぶりだ。まだまだ油断は出来ないしニュースでも感染者が出たという報道は目にするし緊張感こそ持たなければならないけれども、少しだけ、日常を取り戻しつつある感覚があった。
きっと、もう、これまでと同じようにはいかないのだろうけれど。

この日はライブを中心に撮影しているカメラマンお二人の写真展で、物凄い数の写真が会場内に貼られていた。
ヨシダユキ先生は付き合いも長いが僕がパイプカツトマミヰズに在籍していた時はなんならほぼ毎ライブ撮影に来てくれたし、それ以外のバンド活動でも結構な頻度で現場で顔を合わせてきた。有難い事にこの日の展示でも僕の写真が数年前のものからもっと若かりし頃のものまであった。現地で合流した妻と娘も写真展を楽しんだようだった。もう一人のカメラマン、→SATOMIN←にもギリギリで会えて良かった。
ライブ写真って、撮影者によってあれだけ個性の違いが出るのだね。違うカメラマン二人の同時展示だからこそ浮き彫りになる違いも面白かった。

新栄club ROCK’N’ROLLのメインスピーカーは、その時を今か今かと待っていた。
時よ、早く来れ。

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