2024年の演奏初め。

少し前の日記に「なんでも『初め』つけちゃうのははしゃいでいる感じがして少し恥ずかしい」だなんて書いている癖に、また『初め』をつけてしまうけれども、1月13日は2024年の演奏初めだった。
白線の内側で吹上 鑪ら場に出演。

実は年始早々、キーボード担当のいちろー氏が体調を崩して練習らしい練習もしないままバンドはこの日に臨んだのであった。
内心どうなる事かとヒヤヒヤしてはいたのだが、少し前から制作モードで各々が白線の内側の音楽へ向き合っていた事も作用してか、バンドの筋肉をつける/維持するためのスタジオ練習はなくとも集中力でそれを補うどころか余りある非常に良い感じのアンサンブルとなった。
平常時はスタジオで曲順通りに演奏して流れがどうとか曲の繋ぎがどうとか検証もするのだけれども、今回はそれもせず曲と曲の間も即興演奏で繋いでいこうと簡単な打ち合わせのみ。演奏の手触りこそ柔らかいバンドだが、バンド史上の試みとしては割とスリリングな30分なのであった。
これについてもバンドとして一つの方向に向かった、良い循環を生み出せたのではと感じている。
うん、やはりこの4人でバンドをやっていて良かったなと再認識。もっと遠くへ、もっと深く。僕達はまだまだ行く事が出来そうだ。

以下、個人の振り返り。
デジタルディレイ→リバース→リバーブと重ね掛けしたアンビエント風味な音が綺麗で、多用してしまった。
アンビエントなテクスチャーは一見(一聴?)すると細かい感情の機微をその上に載せる事が難しそうだと感じていたけれども、入力段階でどのようなアプローチをするかで波紋状に広がっていく音にも自分の呼吸を混ぜ込む事が可能であると実感した。
リバースによって高めのピッチで重ねられた逆再生サウンドが良い意味で予測不可能な揺らぎを音に付与しており、興味深く感じた。

演奏については良かったのだが、こと個人に関してはここ最近の精神的な疲れが出たのか、ほとんど人と話す事が出来なかった。
人と話す事で元気が出そうなものであるけれども、バイオリズムが非常に良くなくそれさえ出来ない程余裕がなかったのであった。人と話すよりも演奏する事の方が大事。しかしそこまで疲弊していると演奏にも作用しそうなものだが、そこはもう開き直って「正月早々暗い気持ちです」を隠さず披露するつもりで演奏に臨んだ。
それが成功だったのか失敗だったのかはわからないけれども、僕のような人間は無理をせずにアウトプットする方が表現(活動)に嘘がないな、とは思った。