関東三日間の記録。

この3日間というもの、実はJONNYでツアーに出ていた。

ツアー中に携帯電話のメール機能でブログを更新する事は出来たけれど、正直精神的にも肉体的にも時間的にも余裕がなく、結局今から三日間分の記録をまとめてつけようとしている。ブログを偏愛している僕からすれば3日間も更新をストップさせるというのは罪悪感で一杯で、東京滞在中も時折良心の呵責を感じる程だった。お世話になっている友人やバンドマンに連絡する事さえもしない程携帯電話をあまり触らなかったなあ。普段なら移動中に無言でポチポチメール打ってたりするのだけれども。

6/15(火)

ツアー初日という事で朝方集合し、名古屋を出る。今回の関東ツアーの三日間、ドラムは石井亜希 (様々なバンドで活躍中な上、ドSとして有名)さんに叩いて貰うという事で亜希さんを含んだ演奏陣、そして今回運転スタッフとして同行してくれるという石黒君の合計6名で名古屋を後にする。

前夜ほとんど眠れず、不覚にも車中で幾度となく気を失う。僕の中で「ひょっとしたら自分は使えない奴なんじゃないか」という罪悪感が芽生えだしたのはこの辺りからだ、多分。

新宿へ到着、ラーメン二郎 歌舞伎町店へ。東京のラーメン好き、ジロリアンがどのような感想をこのお店に抱いているかは知っているけれども、それでも僕達にとっては一番馴染みの二郎。ただ今回はいつも程の求心力を感じずに一杯食らいきってしまう。フィジカル的に万全でないのが原因ではなく、単純にバイオリズムの不一致だと思う。石黒君に亜希さんは初二郎という事で、それぞれ楽しんだ様子。

新宿JAM、この日はJONNYのアルバム発売記念、と銘打って実に素敵な出演者を集めて下さった。

キングヌラリヒョン太平洋不知火楽団 も僕がJONNY参加前から知っているバンドであり(キングヌラリヒョンに至っては彼らが別のバンド名だった頃からの付き合いだ)、それもあってかサポートギター各務君もオープンと同時に飲酒を開始(佐藤さんについては今更言及するまでもないだろう)、新宿JAMの飲み放題制度の恩恵を享受していた。実際、とてつもなく良いイベントだったと思う。準備や諸々の作業の関係で全バンド全曲観れたわけではないけれども、新宿JAM、そしてJAM林さんの我々への感情、そして各出演バンドへの情熱を感じるには十分過ぎる程良い出演陣、そして良い流れだったと思う。

で我々JONNY、太平洋~の呼びかけで彼らのステージに闖入し、はしゃいだそのままのテンションでライブを敢行、ここは本当に新宿なのか、と言わんばかりの盛り上がり。アルコールと熱気に包まれたフロアをステージ上から観ながら演奏。「ツアー初日であと2日あるとかヌルい事は頭から一切放棄しよう。今日でツアー最終日だと思って体がブッ壊れるまでやろうじゃあないか」。

時間を気にしつつ、結果的にダブルアンコールまで頂いて無事終了。

6/16(水)

日付が変わった。

そのままJAMに宿泊する予定だったので機材をまとめて中打ち開始。既に泥酔している出演者、お客さんが何人もいる。半裸状態のメンバー、もう呂律が回っていないメンバー。

各務君「義理とぉ!人情とぉ!ギブアンドテイクっつうのを俺達バンドマンは絶対に忘れたらいけないんだってぇぇ!」。頂きました。

その後は各務君やキングヌラリヒョンの児島君の陰毛が燃やされたり、フロアに出てみたら満面の笑みで篠田君が服を脱いでいる瞬間を見てしまったり、キングヌラリヒョンのまこっちゃんが炸裂していたりBacon のアルさんと打ち上げについてお話したり。で、明け方某所にシャワーを借りに行って少し休憩した後JAMに戻ったら控え室に死屍累々と兵どもがブッ倒れていた。いや、本当に荒れた打ち上げだったな。

毛布をフロアに敷いて、僕も就寝。

起こされてみると、夜勤を終えた太平洋不知火楽団の大内君がJAMに戻ってきたという事で、亜希さん、石黒君、大内君と僕の4人で近所の定食屋に朝食をとりに行く。大内君はライブ終了後そのまま夜勤だったようで、連続何時間起きていたのか。少なくとも全然寝ていないのは確かで、胃袋にものが入った彼は睡魔に襲われたのかそのまま眠ってしまった。

続・我が逃走
普通、そんなハードスケジュールをこなしたら寝る。
俺でも寝る。

JAMに戻り、ゆっくりしていると「おはようございまーす」と本日の出演者の皆さんが会場入り。慌てて片付けてJAMを後にした。新宿JAM、東京でのホームである。本当に有難うございます。

敏腕スタッフ石黒君がその日出演する横浜B.B ストリートまでの行き方を調べてくれていたお陰でスムーズに移動。ここはショッピングセンターの12階にあるライブハウスで「天国に一番近いライブハウス」。ステージからも大きな窓が見え、夜景が楽しめる(横浜の人曰く、本当に夜景が凄いのはその窓の丁度反対側の方角らしいのだけれど)。鉄格子がハマッているので仮に突っ込んだとしても下界に落下する事はない。

続・我が逃走
車中の様子。皆同じ方向に傾いている。

ちなみにこの日、前夜共演したキングヌラリヒョンまこっちゃんを横浜まで拉致した。だって俺そういうの好きなんだもの。共演者を収容して膨れ上がる機材車って、何だか良いじゃないか。

演奏終了後、物販で販売しているCDを全種類買っていって下さったお客様がいらっしゃると聞いて感動。こうやってツアーや遠征をやっていて何が一番嬉しいってそういう自分の衝動、気迫が何がしかの形で結実する瞬間である。共演者の「良かったですよ」、何ならお客さんの何気ない「お疲れ様でした」の一言でも報われてしまう『報われたがり屋』の僕だけれども、この話を聞いた時は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

演奏陣、スタッフ嬢、まこっちゃんで近場のラーメン屋(腑に落ちない味)で食事をして移動。女性陣と男性陣は以降別行動をとる事になる。

6/17(木)

日付をまたいで男性陣は千葉のまこっちゃんちまで車で移動、彼の家にお世話になる事に。彼は最近引越ししたばかりらしく、部屋数もそれなりにあるので男性5人くらいなら容易に寝れるよ、と快く寝床を提供してくれた。有難うまこっちゃん。

で、だ。彼の部屋っていうのがこれまた凄かった。DTMマニアの篠田先生も興奮のモニタースピーカーにオーディオインターフェース、そして天井まで届きそうな本棚に一杯の漫画本。「これは、寝れんな」。

何の気なしに手にとった漫画が面白く、全巻読みきるまで眠れなかった。結局7時半過ぎまで一心不乱に漫画を8冊読んでしまった。こういう勢いって大事。

まこっちゃんの紹介で千葉で有名なラーメン屋「なりたけ」を訪問。

背油が雪山に積もった雪のようにスープを覆う、こってりしたラーメン。前夜のラーメンの雪辱戦といわんばかりに、食らう。腑に落ちないラーメンの次のラーメンだったからか、求心力も倍増。十二分に堪能した。まこっちゃんを駅まで送り東京は下北沢へ向かう。女性陣も本日出演の下北沢屋根裏へ向かっているはずだ。

下北沢屋根裏も、今まで何度もお世話になっているライブハウスである。終演後に大抵酔い潰れているメンバーを抱き抱えつつ「すいませんすいません」と撤収する僕達を暖かく見守って下さる寛容、かつ素敵なスタッフさん達。会場入りと同時にテンション高めの出迎えで気持ちが高揚する。

リハーサル後はONE BY ONE RECORDS 柴山社長 と合流、然る後に雑誌「インディーズ・イシュー 」のインタビュー。バンドについて、新アルバムについて一生懸命話す。我々普段からとりとめのない話ばかりしているからか、なかなか要点に絞って話が出来ないけれどもそれでも熱意は伝わったはず。

屋根裏に戻るとイベントが始まっていたのでフロアにてコーラ片手にライブ鑑賞。自分の出番が近づいてきたので上階の楽屋へ行くと、最終日だからか気合が入っているメンバー。そりゃそうだ。関東三日間、最終日に駄目なライブをしようもんならもう完全に恥じ入るだろう。そんな事になろうもんなら舌を噛み切るくらいの気迫で望まなきゃなりますまいよ。気負い過ぎないように、集中する。

結果、三日間の最後として満足の得られるライブが出来た。この三日間では演奏、そして気迫が一番うまく両立出来たのではないだろうか。自分で自分達のライブを評論する事のナンセンスさは理解しているつもりだ。なればこう表現すれば適切だろうか、「心の底から十二分に楽しんだ」と。

終演後にフロア及びステージを写しているモニターを撮影した所、怪異なものが写りこんだ。

続・我が逃走
ヒイイッ!!

時間もナンなので、屋根裏の皆様にご挨拶して名古屋モドリ。

結局この3日間、全行程を運転しきった超絶敏腕スタッフ石黒君。物販担当7A嬢といい彼といい、我々は優秀なチームによって支えられているバンドだ。彼らのためにも我々、死力を尽くしてライブ諸々、全てを敢行せねばならない。

続・我が逃走
「前髪が鬱陶しい」とちょんまげにしている石黒君。

こうして三日間にまたがった関東ツアーは無事終了した。体はバッキバキになり疲労も蓄積されたが(ついでに言及するならば二郎その他のラーメンを食いまくったせいで体重が増加したメンバーもいるんじゃないか、と思う)、それ以上に得る物の方が多かった三日間だった。

僕個人レベルの話で言えば、ライブ一本一本に臨む上での精神的な部分での追い込みについて深く思索する事が出来たし、様々なバンドを観て実に良い刺激を受けた。

来週からは一転、西へ向かう。

どんなライブ、出会い、食が待っているかが本当に楽しみだ。

コメント

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    今回は一度も見に行けなかったなぁ…
    残念(>_<)

    また関東来るの待ってます☆

  2. 舟橋孝裕 より:

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    >ピコ・ピコリンさん
    こちらから連絡できずに申し訳ないです・・・!
    来月も東京行くので、お時間あいましたら是非!

  3. ウルフ より:

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    お疲れさまでした。

    アキさんに肩枕してる篠田君の表情がとってもいいですね。

  4. Spring Perfume より:

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    行き違いで今日、東京に降り立ったよ。
    また名古屋の公演見に行きます!

  5. 舟橋孝裕 より:

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    >ウルフさん
    篠田君のこの表情、一部で物議を醸していました。

  6. 舟橋孝裕 より:

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    >Spring Perfumeさん
    お、本当に行き違いだねえ。
    気をつけて帰っておいでー!